犬も歩けば、古民家シリーズ。
先日、奥州市水沢区の取材先に行く途中、
旧前沢市の市役所(現在は区役所?)の近くで、面白い民家を発見。
時間に若干のゆとりがあったものですから、
引き込まれるように、周辺をウォッチしてしまいました。
近くに住んでいる方から聞いたところでは、
歴史的にも、この前沢は商業的な富の集積が岩手県南部でも有数の地域で、
この古民家の太田家は、明治期には
現在の盛岡銀行の前身となる銀行事業を始めるなど、
有数の富裕な家だったそうです。
旧国道と思われる道すがら、思わず目を奪われたのが、
写真左側下の建物だったのです。
軒を支える部分の飾りなどちょっとありえない豪華さ。
それが、古びて、なんともいえない表情を見せている様子に引き込まれた次第。
で、インターネットその他で、調べてみました。
「太田家住宅」は、明治43年、県内有数の資産家であった太田幸五郎によって、凶作などで疲弊した地元の救済事業(いわゆる「お助け普請」)として建築された屋敷です。屋敷には1600坪の敷地に、主屋と炊き場、前座敷、土蔵、門、塀、庭園が配されており、明治期富裕層の屋敷構成をよく残しています。このうち主屋と庭園、土蔵などが時代性を反映した建物と屋敷構成であるとして平成9年に岩手県の有形文化財に指定されています。
築90年を過ぎた現在も生活の空間として使われ続けている住宅。現代の住宅の寿命が30年とも20年とも言われていることがひどく悲しい。県指定文化財であるが、魅力の反面、大勢の見物者がやってくるので住み続けながらの保存には、持ち主にとって一般への公開などの大きな負担ものしかかってくる。太幸邸「白鳥梅の会」の活動拠点として、全国の文化財的な古い建物や庭の所有者のネットワーク、日本建築や日本庭園の技術者・技能者のネットワークづくりをしている。
建築用材は杉が主で、柱材・土台・天井板・板戸などに用いられている。床材は栃・松・欅が用いられ、天井は杉・桧葉、敷き居は桜材が用いられている。欄間の透かし彫り飾り板は神代杉である。杉四方柾の二階の通し柱、三十尺物の長押など
というような紹介文が、出ていました。
ちょうど、日曜の午前中だったので、近隣の方からは
「大丈夫、言えば見せてくれるよ」と励まされたのですが、
やはり、主屋内部の見学は遠慮いたしました。
しかし、左真ん中の写真の「土蔵」の優美なデザインなど、
ちょっと信じられませんでした。
いやぁ、東北って、奥行きが深い歴史を持っていて、
北海道のような「新開地」から来ると、思わぬ宝物の宝庫と感じますです。
恐れ入った、富の蓄積ぶり、その歴史を感じざるを得ません。
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