写真はウフヤ(母屋)と呼ばれる主屋の外観と、一番座(客間)、二番座(仏間)、三番座(居間)
という畳敷きの部屋を開放状態にした様子。
柱は、琉球王府時代に首里の士族の家屋を移したと伝えられ、
当時農民には使用を許されていなかった高価な木材を使用しているとか。
まさに夏を旨とした造りになっていますね。
第1に通風を考えて、壁をまったくといっていいくらい無くしています。
大きな屋根が南国の強い日射をさえぎり、その下に
開放的な日陰空間を作る、という意図が明確。
そういう意味での快適性は、図られていると言えるのでしょう。
軸組工法がもっている開放性が明快、ともいえますね。
さらに、周囲に植栽をこころがけて、
目にここちよい緑を映させ、その緑の保水した水分が風とともに
室内に流れ込んで、気化熱でさらに室内を心地よくする。
そのときには、南国特有の緑の強い芳香が室内を満たしてもくれるでしょう。
要するに「涼房」ということを建築的に追求している。
そういう室内気候の設計ということになります。
まぁ、日本的な家屋スタイルの沖縄バージョンです。
こういう空間の美意識がわたしたち日本人が
DNA的に持っているものであるのは、あきらかです。
夏を考えれば、こういう建築デザインはたしかにサスティナブル。
北海道や寒冷地域が生み出した高断熱高気密住宅は
こういう在来工法をどうやって「冬にも快適な住宅にするか」と
考えたものです。
この前に取り上げた岩手の古民家リフォームなどは、
わかりやすい努力の結晶といえますよね。
沖縄の、ゆったりと過ぎる、島時間の中で、
こういう住宅の素晴らしさを、ゆっくり味わってみるのもいいですね。
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