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さて、徐々に年末関西圏建築歴訪の様子をアップしたいと思います。
本日は、よく雑誌で目にしていた表題の建築。
設計― 安藤忠雄/安藤忠雄建築研究所
竣工― 1991年
敷地面積― 2991m²
延床面積― 417m²
構造― RC造
規模― 地下1階
受賞― 第34回建設業協会賞
平安時代後期建立の真言宗御室派の寺院で淡路四国第59番霊場。
境内からは大阪湾が一望できる。
六月になると、約2000年前の地層から発見された大賀ハスが
大輪の花、夏には大きな蓮池一面に色とりどりのスイレンが開花。
蓮池の中心に下降階段があり、その先に本堂・・・という概要。
木造の寺院建築の裏手に花の小径のような回遊動線をつくり、
やがてそれがコンクリートの壁が造形する動線に変化していって
視線が一気に開放されるのが、コンクリート製の蓮池。
ここらあたりの動線設計は、体感的にもここちよさを感じさせられる。
そこから動線は折り返されて、蓮池を大胆に割って、
そのほぼ中心線に沿って地中に導かれていく。
胎蔵界に入っていくかのような、あるいは曼荼羅内部に没入するような
そんなイメージが沸き上がってくる行動心理の動線ですね。
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たしか、雑誌で初めて見たとき、
この蓮池がこの建築のテーマだろうなと思った通りの体感でした。
建築の目的である本堂と仏像は撮影不可ということですが、
この上の写真の中間位置で、参拝者は劇的に遭遇させられる。
たぶん導入階段と、本尊との向きは同じだろうと推測されました。
その辺も計算と配置が建築的と強く感じさせられる。
まっすぐとか規則的曲面とか、非常に動作体感が「建築的」に意識される。
寸法・向きとか長さとか、そういうものの規則性がカラダに伝わってくる。
本堂ではわたしは真言宗が宗旨なので、家族とともにありがたく読経。
宗教空間体験としては、まことにシンプルで、
こう来るだろうな、という仕掛け方は非常に明瞭にその目的性を見せる。
そういう意味では、予定調和的なリズム感があって好ましい。
安藤忠雄さんは、こうした宗教建築が実に似合っていると思います。
ただあまりに似合いすぎているかもと、一抹の疑問も。
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