ロビンソン本を読む

本とデザイン。読んだ本、読んでいない本、素敵なデザインの本。

宝島

2019-07-22 18:14:32 | 読書
ロバート・L・スティーヴンソン『宝島』




 スティーヴンソンの『宝島』を久しぶりに読もうと思った。

 書店で探すと、新潮文庫、光文社古典新訳文庫、岩波文庫などから出ている。

 冒頭を読むと、翻訳の微妙な違いがわかる。

 しかし、決め手となったのは、カバーの良さ。

 冒険心を刺激された新潮文庫を購入した。


 波しぶきを上げて進む帆船と、古いコンパスのイラスト。

 ほぼ中央に赤い帯が引かれ、英語のタイトルが白抜きで入っている。

 子どもが好きな、昔々の冒険譚の世界。


 主な語り手は少年(のちに大人になり、少年時代を振り返っている)なので、大人に降りかかる災難が、頭の上を通り過ぎていくこともある。

 それゆえ、物語の中をすいすいと進んでいくようだ。

 
 海賊が埋めた宝を探しにいく物語。

 途中から、反乱を起こした乗組員たちとの戦いが話の中心になっていく。

 そのボスである元海賊、一本足の船乗りは、ときに好感を抱いてしまうほど人心掌握に優れた人物。

 しかし、抜け目なく、不意に残虐な面を見せたりと、複雑な面白さを持っている。

 この小説、子どもだけに読ませておいてはもったいない。(2019)



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