つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡に響く冬の音、漂う冬の匂い。

2010年12月05日 09時50分57秒 | 自然
よく季節の変わり目に「冬の足音が近付いてきた」と表現する事がある。
…冬の足音とは何だろう?
僕が一つ思うのは、ここ最近の散歩で耳にする「枯草の音」だ。

「今日の一枚」は、空をバックにした「ススキ」と「セイタカアワダチソウ」。
逆光気味のため色彩は分かりにくいが、概ね茶色。
立ち枯れた草が寒風に吹かれて、カサカサと乾いた音を立てる。
それは、自然が奏でる冬のサウンドだ。

この草と草が擦れ合う音は、季節に関わりなく耳にする。
しかし、春から秋までもっと湿った感じがするのだ。
擬音で表現するなら、「カサカサ」ではなく「ザワザワ」。
きっと茎や葉の中にたっぷりと水分を含んでいるからなのだろう。
命の音というか、草が自分の生を主張するために発している気がする。

数週間前まで漂っていた、むせ返る様な草いきれは失われ、
代わって干し草に似た、やや甘くスパイシーな香りがする。
それが妙に心地いい。
…というのも、この香りの成分は「クマリン」と言い、
シナモンやコーヒーにも含まれているのだそうだ。
納得である。

線路際に多い枯草のコロニー。
時折、風を巻いて電車が走り抜けると、辺りにクマリンの香気が立ち込める。
それは、冬を実感する香りだ。
コメント
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