goo blog サービス終了のお知らせ 

つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

蔦の絡まる津幡の民家で。

2011年02月16日 17時18分58秒 | 日記
「今日の一枚」は、津幡町内で撮影した民家のスナップ。
いつ見ても窓は開け放たれたまま。
人の気配は感じられない。
おそらく廃屋だと思われる。
果たしてどのくらい放置されているのかは分からないが、
壁一面をビッシリと覆った蔦を見て推して知るべし。
…去年、7月3日の投稿にも書いたのだが、僕は「廃墟」に独特の美を感じる。
この写真の様な場合は、尚更だ。

人工物が崩れてゆくのに反比例して、蔦や苔などの植物は成長してゆく。
その逆行が降り積もった時間の量を浮かび上がらせる。
長き年月を経た存在に迫力を覚え、何とはなしに敬虔な気持ちになってしまうのだ。

中学時代、そんな思いを呼び起す歌に出会った。
「ペギー葉山」のヒット曲…『学生時代』である。

『蔦の絡まるチャペルで 祈りを捧げた日
 夢多かりしあの頃の 想い出をたどれば
 懐かしい友の顔が 一人一人うかぶ
 重いカバンを抱えて 通ったあの道
 秋の日の図書館の ノートとインクの匂い
 枯葉の散る窓辺 学生時代

 讃美歌を歌いながら 清い死を夢みた
 何の装いもせずに 口数も少なく
 胸の中に秘めていた 恋への憧れは
 いつもはかなく破れて 一人書いた日記
 本棚に目をやれば あの頃読んだ小説
 過ぎし日よわたしの 学生時代

 ロウソクの灯に輝く 十字架をみつめて
 白い指をくみながら うつむいていた友
 その美しい横顔 姉のように慕い
 いつまでもかわらずに と願った幸せ
 テニスコート キャンプファイヤー
 懐かしい日々は帰らず
 すばらしいあの頃 学生時代』
(原典:作詞作曲/平岡精二)

音楽の授業で初めて接した当時の僕は
「秋の日の図書館のノートとインクの匂い」を嗅いだ事はなかった。
「讃美歌を歌いながら 清い死を夢みた」経験もなく、
「ロウソクの灯に輝く 十字架をみつめて」などいない。
「テニスコート」も「キャンプファイヤー」にも身を置いた事はない。
歌の中には、未知の領域…【新しい世界】が広がっていた。

しかし、冒頭の一行…『蔦の絡まるチャペルで 祈りを捧げた日』。
これだけは、ひどく【アンティーク】な印象。

大きなギャップに心を掴まれてしまい、歌全体に漂う敬虔な時間に憧れを抱いた。
そして『懐かしい日々は帰らず すばらしいあの頃 学生時代』を
実感している今日この頃なのである。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする