つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡の現代人諸君!!

2011年02月28日 23時59分23秒 | 日記
先週から、通勤の車内でヘビーローテーションなのは、
「桑田佳祐」のニューアルバム「MUSICMAN」である。
去年、猛暑の8月6日…「津幡町から湘南へ、エールを送る。」と題し、
流行歌の1つとして「サザンオールスターズ」を口ずさみつつ旅をした事。
また、食道癌との闘病を決意した彼に向けて、
ラジオパーソナリティと共にエールを贈りたいと投稿した。

あれから半年余り。
平成22年2月23日、彼はシーンに帰ってきた。
それは、文字通り死の淵から甦った夜明け。
…という事で「今日の一枚」は「新生・桑田佳祐」を祝す意味を込め、
津幡の空の夜明けである(笑)

彼がメインボーカルを務める「サザンオールスターズ」は、
“国民的ロックバンド”と呼ばれるほどメジャーな存在。
ソロ・アーティストとしても、数多くのヒット作を手がけてきた。
でも…「サザン」と「ソロ」…同じ人が関わる2つの音楽は、
かなり趣が異なっている。
ヒット路線のポップなバンドサウンドに対し、シンプルで力強いソロワーク。
「サザン」が七色に輝く“真昼の湘南”だとすれば、
「ソロ」はモノトーンの“夜の海岸”。
そして、夜の世界にこそ「桑田佳祐」の本当の個性が
見え隠れしているように思える。

例えば「真夜中のダンディー」。
あるいは、最愛の母を亡くした慕情と哀しみをブルースハープにのせた「月」。
さらに、人が心に内包する闇を映した「東京」や「現代東京奇譚」。
などなど…。
果たして「MUSICMAN」は昼も夜もない「今」が詰まっていた。

幕開けは「現代人諸君!!」と書いて
「イマジン・オール・ザ・ピープル」。
政治を非難し、世の中を憂いて、
それでも立ち上がる民草の気持ちを代弁している。
サウンドも激しく小気味いい。
これは「サザン」にはないニュアンスだ。

ラストに収められた「月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)」は
ビートルズ来日に端を発する自らの音楽体験を歌ったバラード。
世界のポップスを塗り替えた「ビートルズ」に影響を受けた世代は、まだ多い。
歌を通して、共通の追体験をする人々も大勢いるだろう。
僕もその1人だ。

また、プンプンと漂う「昭和歌謡」の匂いも、やはり心の底をくすぐる。
「MUSICMAN」は「55歳の桑田佳祐」そのものであり、
同じ時代を生きてきた日本の現代人(イマジン)の典型だ。
白砂の真中に真紅の女体を置いたジャケットは「日の丸」にも見える。

和魂洋才を旨とする日本人。
アーティストが自らをそう律したビジュアルは、
北陸の片田舎・津幡に暮らす僕らにとっても無縁ではない。
コメント
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