つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡町の漁場址。

2011年02月18日 10時08分19秒 | 日記
「今日の一枚」は、津幡町・庄にある繊維加工会社…
「株式会社ダイイチ」の工場のスナップ。
この会社が「第一繊維加工」と名乗っていた1970年代当時、
写真中央の「通路」はなく、代わりに「水路」が設けられていた。
そこは一大漁場だった。
…狙いは「アメリカザリガニ」である。

昭和初期、食用ガエルの餌として持ち込まれた、
アメリカ・ミシシッピ産の外来生物。
真っ赤な個体は、名前のとおりアメリカンな華やかさ。
ハサミも大きく、流線形の甲殻はデザインが美しい。
少年にとっては、外タレのアイドルのようなもの。
いわばペット界の「アグネス・ラム」や「リンリン・ランラン」だ。

『ダイイチセンイの近くにに「アメザリ」が沢山いるぞ!』
との情報を耳にしたのは、学校から帰宅し仲間と遊んでいたある日の事。
半信半疑のまま現地へ赴いたところ…いた!
上から覗きこんだだけで何匹もの姿を視認。
感情のボルテージが一気に上がる。
更に、周囲の賑わいがハイテンションを煽る。
ウワサを聞きつけたガキ共が集まり、歓声や笑い声が飛び交っていた。

漁獲方法は「釣り」。
拾った木の枝や棒の先に凧糸を結び付け、
糸の先に縛り付けて準備完了。
エサは主に「アメザリ」の尾の身。誰かが捕まえた個体をバラし分け合う。
他には煮干しやスルメを使う事もあったが、
現地調達できる“共食いバージョン”の方が、何かと便利だった。

水中へ糸を垂らすと、ご自慢のハサミでエサをキャッチ。
後は、ゆっくりと吊り上げる。
ポイントは獲物が水面に出た時だ。
驚いてエサを離してしまわないよう、竿を慎重に動かし陸に上げる。

ポトリと道に落とされ、ようやく捕えられた事を自覚した「アメザリ」は
大きな2つのハサミを振りかざし、僕を精一杯威嚇する。
勇ましくも愛らしい姿に惚れボレした。
コメント (2)
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