つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

津幡のヰタセクスアリス。

2011年02月13日 22時22分17秒 | 日記
「今日の一枚」は、庄から能瀬方面への幹線沿いに建つ怪しげな建物。
「電波天国」と書かれた壁の中は、おそらく「アダルト天国」だろう。
“モラルのグレーゾーン”は、何故か静かで目立つ所にある。
例えば集落と集落の境目。
あるいは自治体の境界線近辺。
とにかく、生活空間が途切れる辺りが定位置なのである。
…思えば、僕が子供の頃「性」を意識したのも、ボーダーラインだった。

それは、人気のない原っぱや空き地の片隅。
人家や店舗とは一線を画する場所で、
時折、打ち捨てられたエロ本を見つける事があった。
雨風にさらされ、本というより紙の塊と言った方が正しいかもしれない、
出版物としては末期状態。
暗い衝動に促されるままペリペリと音を立てつつページをめくると、
その先々にめくるめく世界が僕を待っていた。

多分、表現は現在の方がストレートだ。
しかし、衝撃は70s当時の方が、何倍も大きい。
嬉しさよりも驚きが上回る「ヰタセクスアリス」。
今ではノスタルジーも含め、思い起こすと甘酸っぱい気分になる。
…エロスの洗礼。
大人への入口だった。
しかし出口はまだ見えない。
性と愛の世界は奥が深い。
オッサンになった今も「異性」は、神秘の世界だ。

人里から離れてポツネンと佇む「電波天国」。
どこか寂しげに映ると同時に、ほんの少し心がざわめく。
そう感じられるうちは、僕も生きている実感が持てるのである。
コメント (2)
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