つばた徒然@つれづれ津幡

いつか、失われた風景の標となれば本望。
私的津幡町見聞録と旅の記録。
時々イラスト、度々ボート。

気が付けば、津幡の路上で丸一年。

2011年05月13日 11時43分09秒 | りくすけ
気が付けば、このブログを立ち上げてから、きのうで丸一年が経過。
そこで「今日の一枚」は、初心に帰る意味も込め、
散歩中の愛犬「りくすけ」のスナップ。
撮影場所は、本津幡駅⇔能瀬駅間の幹線道路上である。

一つの節目を迎え、2010年5月12日の初投稿を振り返ってみたら、
次のように掲載していた。

『古城址のある街、石川県河北郡津幡町に住んでいます。
 およそ1年前から犬を飼い、一緒に散歩するようになりました。
 歩きの速度で街を見回すと色んな事に気付きます。
 それは、季節の移り変わりだったり、人心の変化だったり。
 中でも驚いたのが町の変遷でした。
 気がつくと、記憶の中にある風景がどんどん無くなっていたんです。
 
 「スカール」はない。
 「ムラサ」がない。
 「幡中」へ行ってはみたものの、そこは知らない場所になっていた。
 「幡小」も新たな校舎へと変貌を遂げている。
 同級生の親が経営していたお菓子屋さんもない。
 子供のころ髪を切ってもらった理髪店も看板すらない。
 学校帰りに寄った「焼き鳥の味」は、もう口にできない。
 ドンパッチの感動を与えてくれた駄菓子屋だって跡形もない。

 これは「いかん」と思いました。
 このままでは、今(2010年)の景色すら、
 時という大河の流れに飲み込まれてしまうだろう。
 名残があるうちに、何かに記録しなければ…。
 形跡があるうちに、記憶を繋ぎ留めなければ…。
 そう考え、ブログを開設しました。』

そんな動機ではじめて、早や一年。
今回が301回目の投稿となった。

366日で301回。
皆勤賞とはいかないが、それなりに歩みを重ねてきたかなと思う。
途中、東日本大震災が発生した後は、気力が萎えた時期もあったが、
何とか継続できた。
これも、極私的で狭い地域に限定された内容にも係わらず、
覗きに来てくれた方々がいたお陰。
コメントを拝読する度、編集画面のアクセス数を拝見する度に励みになった。
そして、愛犬「りくすけ」のお陰。
彼がいなければ、こうしてキーボードを叩く事もなっかただろう。
改めて、多謝。
これからも、出来る限り続けていこうと考えている。
これからも、お付き合いよろしくお願いします。

 
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さらば、母校よ。~旧・津幡小学校校舎その8。

2011年05月12日 08時49分08秒 | さらば、母校よ。
シリーズ母校への惜別。
「今日の一枚」は、体育館のステージである。

きのうは、音楽室での悪戦苦闘した思い出を投降した。
しかし、元来、僕は音楽が嫌いではない。
楽器演奏は苦手ながら、これが「歌」となると、話は別。
並はずれて上手いとは言い難いものの、人並みにはこなせる(と思う)。
あれこれ考えずとも、音程をとる事が出来る(はずだ)。
…ま、少しはマシなのである。

小学生時代、体育館は、あらゆるセレモニーの場。
白眉はやはり「卒業式」。
そこには「合唱」が付きものだった。

君が代斉唱⇒校歌斉唱⇒仰げば尊し。

式典の節目節目で登場する歌は、
進行に欠かせないイベントであり、空間に彩りを与える。
声を合わせて奏でるハーモニーは、
参加者の気持ちを盛り上げ、感情を揺り動かす。

当時の全校生徒数は1000人程度になるはず。
もしも、皆が一斉に声を上げたら、かなり五月蠅いだろう。
もしも、バラバラにしゃべり始めたら、いたたまれないだろう。
だが「歌」なら調和が取れる。
先の震災後、よく「音楽の力」という言葉を耳にするが、まったくその通り。
音楽には、人の心を1つにし癒す不思議な力が、確かにある。

…さて、ところで体育館のステージの対面、
奥の壁には「書」が飾られていた。

 

力強い筆致の「質実剛健」。
いつから掲げられているのかは分からない。
少なくとも、僕が通学していた頃には鎮座していた。
何十年もの間、体育館に響く歌声を楽しんできた古株の観客である。
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さらば、母校よ。~旧・津幡小学校校舎その7。

2011年05月11日 09時12分05秒 | さらば、母校よ。
シリーズ母校への惜別。
「今日の一枚」は、音楽室だ。

元来、手先が器用でない僕は、楽器の演奏が苦手である。
小学生必須のリコーダー演奏すら、ままならなかった。
どの穴を抑えれば、どの音が鳴るのか。
頭では分かっていても、スムーズに指を動かす事が出来ない。
そんなレベルだから、楽器を使った授業には、とても苦慮したのを覚えている。
ソロならまだいい。 たとえ失敗しても、恥をかくのは自分独り。
しかし、チームとなると、責任の重みが違う。
他人に迷惑をかけてしまうのは、何とも心苦しい。

あれは、五年生だっただろうか…
恐れていた少人数編成のグループ演奏が行われる事になった。
しぶしぶ選んだのは「木琴」。
叶うなら「鈴」とか「シンバル」など、
出番の少なそうな担当になりたかったが、
アンサンブルには含まれていない。
「リコーダー」や「ピアニカ」、「オルガン」といった、
主旋律パートには立候補できない。
他の選択肢はなかったのである。 …苦闘のゴングがなった。

課題曲が何だったのかは定かではないが、
音符など読めるはずもなく、とにかく丸暗記。
必死に覚えた。 何度も練習を繰り返した。
つまずき、引っ掛かり、冷や汗をかきながら、何度も、何度も、何度も。

迎えた本番当日、ついに演奏がスタート。
遅れるな!
間違えるな!
そう自分に言い聞かせながら、必死でメロディに食らいついた。
音楽なのに「音を楽しむ」余裕など皆無。
まさに緊張のステージである。

…そして、完奏。
何とか弾き切った。
確か、一度だけ間違えたはずだが、最後までやり遂げた。
大きなため息をついた後、ドヤ顔で視線を上げると、
壁に張られた音楽家の肖像が、微笑んだ様に思えた。

 
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津幡町の変貌に気付く。

2011年05月10日 08時27分15秒 | 日記
「今日の一枚」は津幡町・庄の大型量販店「スーパーセンター プラント3」。

確か出店が、今から13年前の平成9年。
津幡町内だけでなく、近隣の市町村・県外からも買い物客が訪れる。
店内商品に特化した点は見受けられないが、とにかく種類が豊富。
また、安価なのもありがたい。
僕も度々足を運ぶ。
それは、買い物よりも散歩の定番コースとしての方が圧倒的に多い。
「プラント3」周辺は道路も整備され、
車道だけでなく歩道も広く、歩きやすいのである。
先日も、街路樹の新緑が出迎えてくれた。

大概は店舗横を通過してしまうのだが、
ふと思い立ち、駐車場内へ向ってみると…
正面出入り口に派手な彩色の出店を発見。

 

「屋台電車」なる惣菜を販売するお店のようだ。
色使いが日本らしくない。
どことなく、以前に訪れた上海を連想させる。
上海の目抜き通り「南京路」などで、
こうしたカラーリングの屋台や看板などを目にした。
勿論、店の規模や活気、派手さはアチラの方が断然上手だ。
…などと、誰もいない「屋台市場」前で、ほんの少し感慨に耽った後、
津幡町にも色んな商売が増えたものだ…と、想いを巡らせた。

この「プラント3」をはじめ、今や津幡町中心部には、
6つのスーパーマーケットが鎬を削っている。
店舗側も、それぞれの特徴を出そうと、
品揃えに工夫を凝らしたり、様々な企画にも余念がない。
消費者側も、何を買うために何処へ行こうかと
自然と使い分けるようになった。
まったく、僕が子供の頃は考えられなかった状況である。
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さらば、母校よ。~旧・津幡小学校校舎その6。

2011年05月09日 22時07分15秒 | さらば、母校よ。
シリーズ母校への惜別。
「今日の一枚」は「かつての前庭」である。

画面右、3羽の石の鳩を乗せた校名のプレート台はそのまま。
その奥、隠れているが鯉が泳ぐ池と周囲の木々もそのまま。
画面左、数多の学童達を迎え見守ってきた松の木もそのまま。
しかし、慣れ親しんだ風景は、こんなに空が広くなかった。

津幡町にお住まいの方、縁のある方なら御存じの事と思う。
撮影場所になった大西山には、かつて城があった。

源平合戦の折、平家軍が街道を見下す砦を造ったのがルーツ。
戦国期には「上杉謙信」が陣を取り、七尾城平定の足掛かりになる。
やがて、織田軍団の将「前田利家」の支配下に入り、
加賀と能登を繋ぐ要衝として、重要な役割を果たしてきたが、
太平の世の訪れと共に、廃城。

こうしたプロフィールは、以前の投稿でも書いたとおりである。
そして、昭和生まれの僕にとっては、
旧・津幡小学校こそ、堂々とした城だった。

正面にショベルカーのアームが見える。
手前には、解体現場を遮る塀が見える。
かつて、そこには4階建の校舎が見えた。

 

いつも目にしてきた学び舎が、ついに消えた。
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