【 15年程前にゴシック体で描いた懐かしい作品 】

カリグラフィーとは、ヨーロッパ発祥の
美しい手書き文字であり、筆記の際には
カリグラフィー専用のペン(ペン先)を使います。
ペン先の形やその大きさは書体によって異なり、
種類も豊富です。実際、カリグラフィーの書体は
数百種類もあるようですが、日本でよく使われる
代表的な書体は、イタリック体、アンシャル体、
ハーフアンシャル体、ゴシック体、
カッパープレート体などが挙げられるかもしれません
( けれど実際はまだ幾つもの書体があります )
私自身が好きな書体は
何故か?音楽の父J.Sバッハやパイプオルガンが
パッと浮かび重なる、荘厳でどっしりとした
存在感のある 古い宗教画を彷彿させるような
ゴシック体と
装飾性、芸術性が高く、優雅なその書体には
大きな真っ白の羽根ペンが、とても似合いそうな
カッパープレート体です。カッパープレート体は
17世紀のイギリスで商業、貿易の発展に伴い速く書ける
草書体が必要とされ生れたということです。
皆さんが比較的 目になさっているのは
グリーティングカードや 冠婚葬祭などのパンフレットや
フレンチのメニューなどに使用さることの多い
イタリック体やカッパープレート体のように思います。
ヨーロッパに書物が登場したのは6世紀頃のようです。
西ヨーロッパに初めて修道院が出来ると、修道院では
特別な技術を持った、字を書き写すスクライブと言われる
写字生の修道士や、装飾画を書くイルミネイターという
装飾画家の修道士によって書物は長い時間をかけて
一文字一文字書き写されたということです。
各修道院では、彼らが写字室と呼ばれる部屋で
このような作業を一手に引き受けていたようです。
13世紀初めまで 書物はこうして修道院だけで
作られていたことを知った時、修道士の皆々様に
頭の下がる思いでした。代表的なものは
8世紀に制作された聖書の手写本【ダロウの書】
7世紀にコロンとしたアンシャル体で制作された
「リンディスファーンの福音書」
9世紀には、三大ケルト装飾写本の1つであり
アイルランドの国宝であり、世界で最も美しい本
と呼ばれる【ケルズの書】などがあります
ケルズの書は言葉では表現しつくせないほどに、
ため息が出るほどの 神々しい美しさを讃えていて、
世界で最も美しい本と言われる所以がよく分かります
書物の作成は時の流れと共に修道院から工房へと移り
一般向けの書物も出回るようになり
14世紀に入ると 写本に用いられたゴシック体から
新しい書体のローマン体が生れ
16世紀には印刷技術がヨーロッパ全土に普及した為
写字生の仕事はなくなっていったようです
ヨーロツパでは文字を書き写すものは紙ではなく
ヴェラムとよばれる子牛や羊の皮から作られたもので
仕上がりが綺麗だったので装飾画家達は紙よりも
ヴェラムを使っていたそうです。
紙は15世紀からようやく大量生産されはじめ
高価なヴェラムから紙へと段々移行されたようです。
久しぶりに、自分の描いたカリグラフィーの作品をみて、
カリグラフィーの歴史をまたちょっぴり紐解く事ができ
芸術性の高いカリグラフィーを、数年間に渡って
素晴らしい先生にご指導頂けて良かったと思いました