どんどん競技が進んで、もう女子のSP滑走順が出てる…。そして私はいーかげん、通常の仕事モードに戻らなきゃ。
銀メダルのランビエール、悔しいのかな。嬉しいのかな。
ソルトレイク五輪翌年の03年ワシントン世選で、17歳ながら最終グループで滑った時は、確かジャンプがボロボロで「4回転に挑もうとしたけど、全く歯が立たず」状態だったと記憶してます。でもスピンだけは★ほんっとうに★素晴しかった。あの時のフリーは、本人もう緊張でボロボロだったと思うけど、私には印象的でした。
その後、怪我・手術でGPシリーズに現れず、「あのスピン少年はどうしてるのだろう~」と思っていたら、04年欧州選手権でピョコッと現れた。
「げ、げんきー!?」と思わず凝視したら、また4回転に挑んでいる!(欧州では確かパンクしてしまってたが)あきらめてなかったんだ。ややややや。
おまけに「踊り」が素晴しく上手くなっている。振付のイメージも、彼の魅力を損なわないような「ヨーロッパの哀愁」的なもの。センス良い~と唸ってしまいました。この欧州選手権の演技自体の出来は悪かったけど、ランビエールの魅力再発見に私は驚愕。正直、15~6歳の頃は、芸術的センスは余り感じられなかったから。何だ?このいきなりの成長は何だ!?
その直後のドルトムント世界選手権で、最終グループ入り。この時18歳。そして、フリーで2度の4回転を跳んできた!この時は地元ドイツのステファン・リンデマンが、4回転は1度ながらも大歓声に助けられ、密度の濃い演技。ジャッジ1人差で銅メダルを獲りました。ランビは惜しくも4位(この時のリンデマンの嬉しそうな顔は一生忘れられません)。
でも「これは大変な事になったな~。おお~?おお~?」と思いました。この時点では、フランスのジュベールが「打倒プルシェンコ・若手筆頭」だったからです。実際、プルシェンコの不調もあり、若いジュベ(19歳)は、「俺が次期チャンピオン」というオーラでキラキラしてました。なんとなく、このままジュベールの天下になるかも…という雰囲気も匂っていたのですが、この欧州+世界選手権の連続活躍で、とにかく、ジュベより格下だったランビエール株はグッと上昇したのでした。来季はこれは…。
迎えた05年(04-05年)のシーズン。
ここから新採点法が正式実施となります。ランビはまたしてもGPシリーズに出てこない。怪我療養中と聞き、「こんなに故障が多くて大丈夫かなあ?」と不安モヤモヤ。余り期待しないまま、05年モスクワ世界選手権開幕。
ところがフタを開けてみると、ランビは予選トップ!なにーっ!?
いいとこまで行くとは思ってたけど、まさか1位でスタートとは。SPも1位。この時の世界選手権は、プルシェンコが病気+怪我でタイヘンなことに。SPも不本意な出来で、終了後、ついに棄権。
さあ、えらいことになった。玉座の王様がいなくなったので、新しい王様は誰だ?誰だ?男子のトップ選手達は、蜂の巣をつついたような騒ぎだったことでしょう。「もしかして王様になれるかも…ふっふっふ」と一番思っていたのは、実はジュベかも。SP2位と好位置につけ、充分に逆転可能。初優勝は目の前だ!
ところが男子最終グループは、やはり「もしかして優勝できるかも」の重圧が全員にかかったのか、ミス多発で大波乱に。ジュベールは冒頭の4回転が3回転になるミスから、ガタガタと総崩れになり6位に転落。ジェフは、転倒もありつつ美スピン+美ステップ+美芸術性を見せ、2位に浮上。思い切りのいい、若手バリバリなライサチェクが3位に。
ランビエールは、とにかく「4回転」に賭けていたと思います。私は昨年のファイナルの時、ナマであの4回転を見て確信しましたが(笑)、力強い「バンッ!」とした踏み切り。なんかこう「跳ぶ為の黄金の法則」みたいな独特のノリがあって、俺は死んでも4回転を跳ぶ!跳べる!…と世界中にアピールしているかのようでした。
この05年世選フリーで、他のジャンプは「○」「×」「○」「×」みたいな成功度だったのですが、お見事に2度跳んで来た4回転は強烈でした。特に後半になってから跳ぶ4回転は圧巻(後半はスタミナが落ちるので、大技を跳ぶのは極めて難しいとされる)。結局、この2度の4回転でランビは勝利をもぎ獲り、実にン年ぶりの「ロシア人以外の世界王者」が誕生したのでした。19歳だったので、立派なものでございます(この時の嬉しそうな顔も、わたしゃ一生忘れられません)。
ランビエールは、もともと得意だったスピンに加え、豊かな感受性あふれる踊り、個性的なステップ、振付、考えに考えられた「勝つ」ためのプログラム構成。ここに「せーのー!ばんっ!」と跳ぶ強い4回転があるのだから、やはりやはり優位に立つかなーと思います。
今回も、4-3-2を決めましたね。アザヤカ~に!ランビはきっと、あの3連続ジャンプに「命を賭けて」たのだと思います。それほどの気迫を感じたのでした。
あのボロボロだった03年のスピン少年、今、4-3-2を跳び、栄光の中にいる~(金ではないけど栄光だよね)。感慨深いです。泣いてしまいます。
国際ジャッジで解説者でもある日本スケート連盟の藤森さんが、「ランビエールは将来、絶対チャンピオンになりますよ。スケートがとにかく上手いから。」と、03年世選終了時に話しておられた事は、見事的中したのでした。ちゃん★
(でもそんなランビも、3アクセルが苦手…なんか可愛い^^;)
銀メダルのランビエール、悔しいのかな。嬉しいのかな。
ソルトレイク五輪翌年の03年ワシントン世選で、17歳ながら最終グループで滑った時は、確かジャンプがボロボロで「4回転に挑もうとしたけど、全く歯が立たず」状態だったと記憶してます。でもスピンだけは★ほんっとうに★素晴しかった。あの時のフリーは、本人もう緊張でボロボロだったと思うけど、私には印象的でした。
その後、怪我・手術でGPシリーズに現れず、「あのスピン少年はどうしてるのだろう~」と思っていたら、04年欧州選手権でピョコッと現れた。
「げ、げんきー!?」と思わず凝視したら、また4回転に挑んでいる!(欧州では確かパンクしてしまってたが)あきらめてなかったんだ。ややややや。
おまけに「踊り」が素晴しく上手くなっている。振付のイメージも、彼の魅力を損なわないような「ヨーロッパの哀愁」的なもの。センス良い~と唸ってしまいました。この欧州選手権の演技自体の出来は悪かったけど、ランビエールの魅力再発見に私は驚愕。正直、15~6歳の頃は、芸術的センスは余り感じられなかったから。何だ?このいきなりの成長は何だ!?
その直後のドルトムント世界選手権で、最終グループ入り。この時18歳。そして、フリーで2度の4回転を跳んできた!この時は地元ドイツのステファン・リンデマンが、4回転は1度ながらも大歓声に助けられ、密度の濃い演技。ジャッジ1人差で銅メダルを獲りました。ランビは惜しくも4位(この時のリンデマンの嬉しそうな顔は一生忘れられません)。
でも「これは大変な事になったな~。おお~?おお~?」と思いました。この時点では、フランスのジュベールが「打倒プルシェンコ・若手筆頭」だったからです。実際、プルシェンコの不調もあり、若いジュベ(19歳)は、「俺が次期チャンピオン」というオーラでキラキラしてました。なんとなく、このままジュベールの天下になるかも…という雰囲気も匂っていたのですが、この欧州+世界選手権の連続活躍で、とにかく、ジュベより格下だったランビエール株はグッと上昇したのでした。来季はこれは…。
迎えた05年(04-05年)のシーズン。
ここから新採点法が正式実施となります。ランビはまたしてもGPシリーズに出てこない。怪我療養中と聞き、「こんなに故障が多くて大丈夫かなあ?」と不安モヤモヤ。余り期待しないまま、05年モスクワ世界選手権開幕。
ところがフタを開けてみると、ランビは予選トップ!なにーっ!?
いいとこまで行くとは思ってたけど、まさか1位でスタートとは。SPも1位。この時の世界選手権は、プルシェンコが病気+怪我でタイヘンなことに。SPも不本意な出来で、終了後、ついに棄権。
さあ、えらいことになった。玉座の王様がいなくなったので、新しい王様は誰だ?誰だ?男子のトップ選手達は、蜂の巣をつついたような騒ぎだったことでしょう。「もしかして王様になれるかも…ふっふっふ」と一番思っていたのは、実はジュベかも。SP2位と好位置につけ、充分に逆転可能。初優勝は目の前だ!
ところが男子最終グループは、やはり「もしかして優勝できるかも」の重圧が全員にかかったのか、ミス多発で大波乱に。ジュベールは冒頭の4回転が3回転になるミスから、ガタガタと総崩れになり6位に転落。ジェフは、転倒もありつつ美スピン+美ステップ+美芸術性を見せ、2位に浮上。思い切りのいい、若手バリバリなライサチェクが3位に。
ランビエールは、とにかく「4回転」に賭けていたと思います。私は昨年のファイナルの時、ナマであの4回転を見て確信しましたが(笑)、力強い「バンッ!」とした踏み切り。なんかこう「跳ぶ為の黄金の法則」みたいな独特のノリがあって、俺は死んでも4回転を跳ぶ!跳べる!…と世界中にアピールしているかのようでした。
この05年世選フリーで、他のジャンプは「○」「×」「○」「×」みたいな成功度だったのですが、お見事に2度跳んで来た4回転は強烈でした。特に後半になってから跳ぶ4回転は圧巻(後半はスタミナが落ちるので、大技を跳ぶのは極めて難しいとされる)。結局、この2度の4回転でランビは勝利をもぎ獲り、実にン年ぶりの「ロシア人以外の世界王者」が誕生したのでした。19歳だったので、立派なものでございます(この時の嬉しそうな顔も、わたしゃ一生忘れられません)。
ランビエールは、もともと得意だったスピンに加え、豊かな感受性あふれる踊り、個性的なステップ、振付、考えに考えられた「勝つ」ためのプログラム構成。ここに「せーのー!ばんっ!」と跳ぶ強い4回転があるのだから、やはりやはり優位に立つかなーと思います。
今回も、4-3-2を決めましたね。アザヤカ~に!ランビはきっと、あの3連続ジャンプに「命を賭けて」たのだと思います。それほどの気迫を感じたのでした。
あのボロボロだった03年のスピン少年、今、4-3-2を跳び、栄光の中にいる~(金ではないけど栄光だよね)。感慨深いです。泣いてしまいます。
国際ジャッジで解説者でもある日本スケート連盟の藤森さんが、「ランビエールは将来、絶対チャンピオンになりますよ。スケートがとにかく上手いから。」と、03年世選終了時に話しておられた事は、見事的中したのでした。ちゃん★
(でもそんなランビも、3アクセルが苦手…なんか可愛い^^;)