最近読んだ本で最も自分的ヒットの一冊。
「マンガ認知症」といいます。ネットで見つけました。
漫画家のニコ・ニコルソンさんのお祖母さんが70歳位から認知症を発症。その娘であるニコさんのお母さんは、東日本大震災で大変な目にあいやっと落ち着いたと思ったら、今度はワンオペ介護で悪戦苦闘することになります。
東京でマンガ家をしていたニコさんは心配して介護に加わり、そこへ「お助けマン」として学者である佐藤眞一さんが「サトー先生」として加わり、物語は進行していきます。
ニコさんの漫画が可愛いギャグタッチで、悲惨なことでも明るいトーン。でも時にはじーんとくる。素晴らしい説得力です。
著者の佐藤眞一先生という方は、老年行動学、老年心理学専門の医学博士で、ご自身も家族の認知症介護を経験しておられるのでまた説得力に満ちています。
やはり、認知症の人と暮らす困難とか家族介護者の心情は、経験しないと本当のところはわからない。
認知症の権威で有名な長谷川和夫さんも、「自分が認知症になって初めて患者の気持ちがわかった」と言っておられましたが、介護する側の心理は最後までわからなかったと思います。
赤ちゃんのおしめを洗うのとは違い、親の(失敗)排泄処理をするというのは、仕事として割り切った感情で行うことは無理といってもいい。
なので「割り切る」のではなく、「なぜ認知症の人はこういう行動をとるのか」「なぜこういう発言をするのか」。
その仕組みを、脳科学的側面と心理的側面の両方からサトー先生が解説してくれるのが、とてもツボです。
「そうそうそう!」「(介護者は)それが辛い!」「これって母の症状と全く同じ!」
…のオンパレード。もう、うなずきまくり。
ニコさんのお母さんはちょうど私と同世代かな。
「娘だから母一人ぐらい私が面倒みれなくてどうする」
「離婚して娘(ニコさん)の面倒を母がみてくれたから、私は仕事が出来た。だから今度は母に恩返ししなくては」。
この心理、痛いほどわかります。お母さんはお母さんなりに必死で介護してるのに、お祖母さんは「お金取っただろ!」とか怒る。
一番身近にいて誰よりも苦労してるのに、感謝されるどころかひどいことばっかり言われる。この理不尽さ。
私は母にドロボー呼ばわりされたり、意味なく怒られたりはしなかったから、まだ良かったかもですが、認知症初期にはそれが脳の病気だとはわからないから、「なんで?なんで?」の連続で腹が立つばかり。
その辺りの、症状の経過・進行、周りとのすれ違いがなぜ起こるか?が、丁寧に過不足なく描かれます。
私も認知症の本をかなり読んだ方ですが、もうこれは決定版ね。
これ一冊読めば!救われる!
とすら言いたい。
よくネットに、「認知症の人に怒ってはいけません。認知症の人はすぐ忘れても“怒られた”という嫌な感情だけは残ってしまうんです。だから介護者は怒らないようにしましょう」という解説があります。
それは正論かもしれないけれど、「正解」じゃない。
怒りの感情を押さえ込むとどんどん介護者はストレスがたまりますから、果ては虐待や心中みたいになっちゃうんです。
「理不尽に耐えよ」ではなく、「なぜその“理不尽”が起こるのか」。仕組みを知ることが大切。
認知症の人の脳と心を理解して(推測して)、どう対処すれば介護者は救われるか。
「介護される人と介護する人両方が楽になる」実用本とも言えます。
マンガっていいですね。私も好きになったこのニコルソンさん(日本人女性ですよ)の、お祖母さんはその後在宅介護から施設へ入られたそうで、「施設入所編」が続編として出るそうです。
そう、施設へ入所したからといって、全て解決!じゃなーい!
そこにも様々な問題が。。。という続編も、また買ってしまいそう★
「マンガ認知症」といいます。ネットで見つけました。
漫画家のニコ・ニコルソンさんのお祖母さんが70歳位から認知症を発症。その娘であるニコさんのお母さんは、東日本大震災で大変な目にあいやっと落ち着いたと思ったら、今度はワンオペ介護で悪戦苦闘することになります。
東京でマンガ家をしていたニコさんは心配して介護に加わり、そこへ「お助けマン」として学者である佐藤眞一さんが「サトー先生」として加わり、物語は進行していきます。
ニコさんの漫画が可愛いギャグタッチで、悲惨なことでも明るいトーン。でも時にはじーんとくる。素晴らしい説得力です。
著者の佐藤眞一先生という方は、老年行動学、老年心理学専門の医学博士で、ご自身も家族の認知症介護を経験しておられるのでまた説得力に満ちています。
やはり、認知症の人と暮らす困難とか家族介護者の心情は、経験しないと本当のところはわからない。
認知症の権威で有名な長谷川和夫さんも、「自分が認知症になって初めて患者の気持ちがわかった」と言っておられましたが、介護する側の心理は最後までわからなかったと思います。
赤ちゃんのおしめを洗うのとは違い、親の(失敗)排泄処理をするというのは、仕事として割り切った感情で行うことは無理といってもいい。
なので「割り切る」のではなく、「なぜ認知症の人はこういう行動をとるのか」「なぜこういう発言をするのか」。
その仕組みを、脳科学的側面と心理的側面の両方からサトー先生が解説してくれるのが、とてもツボです。
「そうそうそう!」「(介護者は)それが辛い!」「これって母の症状と全く同じ!」
…のオンパレード。もう、うなずきまくり。
ニコさんのお母さんはちょうど私と同世代かな。
「娘だから母一人ぐらい私が面倒みれなくてどうする」
「離婚して娘(ニコさん)の面倒を母がみてくれたから、私は仕事が出来た。だから今度は母に恩返ししなくては」。
この心理、痛いほどわかります。お母さんはお母さんなりに必死で介護してるのに、お祖母さんは「お金取っただろ!」とか怒る。
一番身近にいて誰よりも苦労してるのに、感謝されるどころかひどいことばっかり言われる。この理不尽さ。
私は母にドロボー呼ばわりされたり、意味なく怒られたりはしなかったから、まだ良かったかもですが、認知症初期にはそれが脳の病気だとはわからないから、「なんで?なんで?」の連続で腹が立つばかり。
その辺りの、症状の経過・進行、周りとのすれ違いがなぜ起こるか?が、丁寧に過不足なく描かれます。
私も認知症の本をかなり読んだ方ですが、もうこれは決定版ね。
これ一冊読めば!救われる!
とすら言いたい。
よくネットに、「認知症の人に怒ってはいけません。認知症の人はすぐ忘れても“怒られた”という嫌な感情だけは残ってしまうんです。だから介護者は怒らないようにしましょう」という解説があります。
それは正論かもしれないけれど、「正解」じゃない。
怒りの感情を押さえ込むとどんどん介護者はストレスがたまりますから、果ては虐待や心中みたいになっちゃうんです。
「理不尽に耐えよ」ではなく、「なぜその“理不尽”が起こるのか」。仕組みを知ることが大切。
認知症の人の脳と心を理解して(推測して)、どう対処すれば介護者は救われるか。
「介護される人と介護する人両方が楽になる」実用本とも言えます。
マンガっていいですね。私も好きになったこのニコルソンさん(日本人女性ですよ)の、お祖母さんはその後在宅介護から施設へ入られたそうで、「施設入所編」が続編として出るそうです。
そう、施設へ入所したからといって、全て解決!じゃなーい!
そこにも様々な問題が。。。という続編も、また買ってしまいそう★