自分がこの坂をランニングコースとして駆け上がってみたのは、やっと今年の3月のことだった。
「こくぞうさん」とは虚空蔵菩薩をご本尊とする金生山明星輪寺のことで、初めて行ったのは毎年1月に行われる有名な「初こくぞう」。真っ暗闇の中、急な坂を登って行った。
前回は一気に駆け上がることができなかった--というかそういう頭がなかった。もちろん途中まででも相当きつかったので途中の駐車場で一息ついたわけだけど。
考えてみれば当たり前だが、この坂は登り外のある急な坂としてこの辺りでは有名らしく、ランナーばかりでなくバイカーにもチャレンジする(トレーニングに使う?)人は少なくないようだ。
実際には一気に駆け上がったランナー、バイカーはいると思うし、ひょっとしたら近くの中学や高校の部活の練習の一環で走らされているなんとことも普通にありそうだ。南濃町の月見の森の坂も相当急だけど、何度か高校球児が走っているのを目撃した。
ただ、寡聞にして、何分何秒で駆け上がったという記録を目にしたことがないので、自分がトライして1つの目安になってみるのも面白いなと思い、今回チャレンジしてみた(文章にすると大層なことのように思われてしまいそうだが、ほんの思いつきです)。
この坂の写真、高低図などは3月に登ったときのブログ(こちら)を参照のこと。
◇高低差135m、距離1,040m。FINISHタイムは8'55
GPS時計があるとこういうのもバッチリわかるのかもしれない。iPhoneのアプリとジョギングシュミレータの計測では高低差135m、距離1,040mとなっている。平均斜度13%。
前回ジョギングシュミレータの計測では、最大高低差が129m、平均斜度12.5%、最大斜度が36.5%となっている。大差はない。
こちらが登り口。バス停「虚空蔵口」すぐ横。
そしてここがゴール。この門柱のところまで。
ゴールタイムは8分55秒だった。前回は9分51秒、しかも、ブログを読み返したら途中の駐車場だけでなく、車道と歩道の分かれ道でも休んでいた! 大幅なタイムアップ。
車道と歩道の分岐点はここ。→に沿って右に折れて木立の中を駆け上がるべし。
◇化石館に立ち寄る
帰りはもちろん急な下り坂となる。けっこう危ない。つまずきでもしたら冗談じゃなく命にかかわるかもしれない。だからスピードは抑えめに(ちなみに、帰りのタイムは5'56でした。遅い!)。
前回は寄らなかった途中にある化石館。この山はほぼ全部石灰岩でできていて、約2億5千万年前には赤道直下にあったサンゴ礁がプレート運動で移動してきたということらしい(金生山化石館のパンフレットから)。何しろ、1874年、ここで算出したフズリナの化石にドイツ人の学者が名前をつけたのが日本の化石命名第1号なのであり(またしても金生山化石館のパンフレットから)金生山は日本の化石研究始まりの地といってもいい記念すべき場所なのだ!
まあしかし、時は経ち、今や山はすっかり形を変え、化石館にも人影はない。いや、年配の男性が1人玄関前におられたので、そちらが入り口とわかったのだった。石段を上る。
この建物のすぐ前はちょっとした森になっている。そちらを眺めながら「今エナガ(と言われたと思う)が群れで20~30羽やってきたんですよ」と話しかけられた。時折り聴こえる鳴き声。枝葉の間をちょこちょこ動く雀くらいの小鳥があちこちにいるのはわかるが、はっきりと姿をとらえることはできない。
「オオルリやアカゲラなんかもきますよ」といろいろ説明してくださる。星もそうだが鳥や花の名前ももう少しわかったら、走ったり登ったりももっともっと楽しくなるんだけどなあ。
お礼を言って化石館の中に入る。入館料100円。「よろしければご説明もしますよ」ととても親切だ。
化石館自体はさほど興味深いとは言い難かったが、一度覗いてみたいと思っていたので貸切で見られて満足だった。けっこうしっかり見ました。
うおみのとりみのブログ素材
うおみのとりみのブログ素材
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※上から順にエナガ、オオルリ、アカゲラ。「魚見の鳥見」さんから写真お借りしました。
隣が金生山神社なんだけど、入口にこんな碑を発見。なんか聞いたことがあるような名前。海軍大将が何ゆえに?
Wikipediaによれば連合艦隊長官も務めた海軍の重鎮らしい。経歴を読んだが全く知らない人物のようだ。鹿児島出身。1962年没。石碑の「東参道」は「東海道」のような街道の名かと思ったが、そうではなく東側の参道という意味のようだ。いったいどういう縁だったんだろうか。
◇赤坂駅にも立ち寄る。
実はこの日の靴はおろしたてのTECNICA INFERNO XLITE。このメーカーは基本トレランシューズなのだが、XLITEはやや一般向けでマルチユース可能なシューズということで、LITEとはいえ最大の特徴である大きなクッションが、ロングジョグでアスファルトなど堅い路面から足を守ってくれるんじゃないかと期待して購入したのだった。
意図的にいつもより小さなサイズを購入したのだがわたしの足の形とどうも少しあっていないようでちょっと痛くなってきた。
トイレにも寄っておこうと、一度走ったことのあるコースなのでこういう時は勝手が良くて、JR赤坂駅へ向かう。
風情のある駅の待合の長椅子に腰をおろして靴を脱ぎ一休み。ちょうど列車が発車を待っていた。人が時折りこの駅舎を通り抜けていく。無人駅なのだ。向かいの長椅子には先客がいてスマホのゲームに夢中だ。たまにゲラゲラと笑いだす。いささか気色悪い。
5分、10分いたと思うけど電車は一向に出発する気配がない。向かいの男も一向にゲームをやめる気配がない。また笑っている。圧迫を避けるように丁寧に靴を履き直して、トイレに寄って再び走りだす。ここのトイレはきれいなのだ。
駅から見た金生山。
帰りは「思い出」の源氏大橋を走って帰ることにする。
〈おしまい〉