MとAのミュージカル・ラン日記 ♪♪♪

音楽を聴きながら走る市民ランナーのブログです。ランと音楽以外のスポーツについても書きます。今は大谷翔平に夢中です!

アルゼンチンはいいチームになってきた。PK戦を制し決勝進出。

2014-07-10 | W杯ブラジル大会
W杯準決勝、アルゼンチン対オランダは0-0のPK戦。4-2。

 全体的にアルゼンチンの決定的なチャンスが多かったし、試合内容通りの結果となった気がする。
 オランダのGKシレッセンは「PKを止めたことがない」という話があり、準々決勝ではPK用のキーパーとして終了間際にわざわざ交代させたクルルが見事にファインセーブを見せ、同じく0-0からのPK戦を制した。

 今回のPK戦がコスタリカ戦と異なったのはGKだけではない。1人目のキッカーがキャプテンを任せられている決定力世界No.1ともいえるファン・ペルシーで、見事に決めたわけだが、今回は途中交代のためにPKを蹴ることができず、1人目はDFのフラールだった。アルゼンチンのGKロメロにはじかれてしまう。ここも大きなポイントだったと思う。

 オランダで失敗したもう一人はスナイデル。このPKに影響があったかどうかはわからないが試合中脛を思い切り蹴られて顔をゆがめしばらく足を引きずっていた。冷却スプレーを使ってどうにか復帰しその後は痛みを感じさせないプレーを続けているように見えたが、緊張の切れた試合後は相当痛むに違いない。そのくらい強く蹴られたように見えた。

ファン・ペルシーの交代はやむを得ない

 今大会の初戦、スペインとの試合に続いて今回5バックを選んだファン・ハール。アルゼンチンの攻撃力--というよりメッシの攻撃力に最大限の警戒をしてきたわけだ。
 それでもいくつもメッシが突破する場面はあった。でも、決定的な仕事はさせなかった。水際ぎりぎりでなんとか防いだ。だからこの守備的な布陣は成功だったろう。
 誤算はむしろ攻撃陣、とりわけファン・ペルシーがすっかり消えてしまっていた点にある。ロッベンは点こそ取れなかったが、まあいつも通りのロッベンだった。それにしてもロッベンの後半になっても、延長になろうとも落ちないスピードとスタミナはいったいどうなっているんだろう? メッシのすり抜けていくドリブルの動きと同様、地球人とは思えない。

 戦術的なことなのか疲れなのか理由はよくわからないが、ファン・ペルシーが攻撃に絡むシーンはほとんど覚えがなく、ファン・ハールが途中交代を命じたということは、体調が今一つだったのかもしれない。事実お腹が痛くて別メニューの練習だったという情報もあった(確か)。

 
GKシレッセンはPKへの反応が遅い

 PK戦。結局アルゼンチンは蹴った4人全員が決めたので、シレッセンは(報道が真実なら)またしてもPKを1つも止められなかった。観ていると飛び出すタイミングが遅いし、微妙にずれている気がする。ゴルフのイップスみたいな感じかもしれないと思った。何本かはコースを読んでいたのにボールに触れもしなかった(4本目は触ったけど、コースも甘く止めても不思議ではなかった)。
 今回クルルの枠を残さなかったのは、「同じ手は二度使えない(使ってもうまくいく可能性は低い)」という判断が働いたと思う。奇策とは「相手の予想もしないことをやる」ことであるわけで、何度も使える策ではない。
 延長前半6分という時間帯で、最後の交代枠を使い、24分をFWフンテラールに託したのは「延長戦で決めるんだ」というファン・ハールの強いメッセージだった。ファン・ペルシーに替えたのだから。ここは勝負に出た。
 スペイン戦ではファン・ペルシーの--おそらく今大会のベストゴールではないか--ダイビングヘッドが決まり、そこから後半怒涛のゴールラッシュとなった(準決勝のドイツの2点目と似ている)。
 でもそういうのも、そう何度も起こることではないのかもしれない。あるいはそういうミラクルを何度か起こしたチームがワールドカップを手にするのかもしれない

決勝はアルゼンチン対ドイツ。

 準決勝まで勝ち進んできて、アルゼンチンは本当にいいチームになった。ドイツも同様で、全員がチームに貢献しているし、怠けている選手がいない。勝利への強い意志とチームや国のためという思いを強く持ち続けている。プレーからそれが感じられる。
 その点では地元南米開催で多くのサポーターが押し寄せているアルゼンチンのほうがより高い意識があるかもしれない。ドイツは割と楽に--もちろん本当に楽ではなかったろうがいろんなことがうまく運んできたように見える--決勝まで進んできた感がある。しかし、そういう時こそしばしば罠が待ち受けている
 いずれにしても今大会屈指のいいチーム2つがこの両国代表だと思う
 単純な力比べならどうみてもドイツのほうが上。わたしは録画したものをしばしば30秒単位で飛ばしながら観ているが、ドイツはプレーのスピードが速くて、30秒飛ばすと攻撃はとっくに完了していて、巻き戻さないと肝心のシュートやゴールが見れない。
 オランダ対アルゼンチン戦ではそういうことはあまりなかった。オランダの攻撃の組み立ては遅い気がした。アルゼンチンは南米らしく攻守の切り替えが速いので、攻撃に切り替わったときには30秒後では肝心のシーンが見れないこともある。
 メッシはここぞという攻撃の場面以外ではほとんど止まっているか歩いているが、チャンス!というイメージが浮かんだ時には猛烈なスピードと身体のバランスを駆使して相手ディフェンスを切り裂きすりぬけていく。メッシがそうしたプレーに集中できるのは、もちろんチームメイトのおかげである。サバレタ、デミチェリスのマンチェスターシティ所属の2人のセンターバックは本当に堅い守り、的確かつ激しい守備を120分続けた。左サイドバックのロホの上がりからの攻撃も目立った(ミスも多少あったけど)。MFマスチェラーノの守備には感動さえした。さすがにバルセロナの選手。
 攻撃陣は文句のつけようもない。メッシはもとより、この日も多くのチャンスに絡んだ1トップのイグアイン、代わって後半投入されたアグエロ(故障が癒えたばかりらしい)、インテルで長友の同僚であるパラッシオ、そしてパリ・サンジェルマン所属のラベッシイグアイン以外はみんな小さい(180cmない)が、バラエティに富んだメンバーだ。
 さらにベルギー戦で負傷したディ・マリアが決勝には出られるかもしれないそうで、もし出場できるならアルゼンチンには朗報だ。

ドイツはジンクスを破れるか?

 1990年イタリア大会と同じ(当時は西ドイツ)の決勝の顔合わせ。1993年Jリーグ発足後からサッカーを観はじめたわたしには初めての決勝の組み合わせだ。当時のアルゼンチンにはマラドーナがいた。今回はメッシ。
 「外国人監督では優勝できない」というジンクスは今回も守られた。外国人監督はコスタリカ、コロンビアのベスト8どまり。もう一つの有名なジンクスは「南米開催の大会ではヨーロッパ勢は優勝できない」だが、ドイツはこのジンクスを打ち破ることができるだろうか?
 10回勝負ならドイツが半分以上勝つと思うけど、「この一戦」ということになると予想は難しい。アルゼンチンの守備がカギになりそうだ。2点以上取られたらPK以外アルゼンチンに勝ち目はない。アルゼンチンにはブラジルのような厚くて重いプレッシャーはない。オランダ戦のような必死なプレーで--それでも無得点に抑えるのは至難の技だろう--1点以内に抑え込み、メッシの1ゴール1アシストで2-1の勝利。どうかな?
 ドイツはどう見ても今大会の実力はNo.1だろう。攻撃も守備もスキがない。ただ、それでも1試合なら負けることもある。それがサッカーだ。
 素晴らしい試合になるのは間違いないと思う。楽しみだ。
コメント
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