友人から福袋を貰いました。いえ、お正月じゃありません。ついこの間のこと。
昔少女のひな祭りをしたときに、
「ハイ、これ我が家の福袋よ」
とさりげなく渡してくれました。
到来物の紅茶のティーバッグや小袋のお茶、塩、北海道直送のデンプン(片栗粉)、食用油等々、
”今日からすぐ使えるお役立ちもの”
の親身なニュアンスがあって、
けっして買えないうれしい福袋でした。
そういえば、故郷の母から貰った小包も、うれしい福袋だったのだ、と思い出します。
フキ味噌やブルーベリージャム、トトキ、ウド、クリなど、季節によって山のものも入っていて。保存が効くように酒粕に漬けた塩鮭の切り身までが入っていましたっけ。
当時、姉弟たちで都会に暮らしていた私たちは、お礼状すら書かず、ついには返信はがき同封で来たことも。
小包着いた と、文面に一行。
差し出し人の住所・名前を書いて投函すればよいだけにしてありました。
あふれるような福をたくさんもらっていたのに、なんと情けない子どもたちだったでしょう。
「あんたたちからは、手紙をもらうのに、私はさっぱり返事が書けなくなってしまって」
と、94歳の母からの電話。
ケアハウスに暮らす母に、今度は私たちが福袋を届ける番です。
友人のくれた福袋。心のお福分けもいっぱい詰まっていたのでした。