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若者とりまく将来の不安
「夫は外、妻は家庭」なぜか増加
減少傾向にあった流れが、反転したのはなぜなのか
※ 中央大学文学部 山田昌弘教授(55)
過酷な労働「自分にはできない」
希望を持って働ける状況にないからこそ、現実は厳しいと承知の上で安定を求める。
20代の支持急増は、彼らの過酷な労働環境を映し出している。
高学歴のキャリア女性にも専業主婦志向が強まっている。
結婚・出産後は、好条件に恵まれないと、正社員として働き続けることができない。
若い女性たちはそんな上の世代を見て、「自分にはできない」と思う。
非正規雇用の増加だ。35歳未満の未婚女性の半数は正社員でないため、
夫の収入で暮らしたいとの願望を抱くのは当然だ。
ただし、一人で家族を養える男性は減っている。
20代の厳しい状況に、国は全く手を打てていない。
長時間労働を是正し、正社員、非正規社員の間にある賃金や待遇の格差をなくす。
新卒一括採用をやめ、再就職しやすい社会にする。
多様な生き方に対応できる子育て支援策を強化する。
こうした対策がとれなければ、現在の20代の相当数が、貧困層になりかねない。
※ 社会学者 開沼 博(28)
良妻賢母志向とは異質なもの
「ささやかな幸せ」を描いたら、こういう結果になったと見るべきだろう。
「イクメン」も、20代の人たちには、ある種の特権と映っている。
「妻は家庭を守るべきだ」という同じ答えでも、若い世代と中高年層とでは、
見えている現実は全く異なる。
※ 東京学芸大学 村松泰子学長
「どちらかといえば」ゆるい支持
世論調査で賛成した20代が多かったのは、
閉塞した経済状況の中で、女性が働いても稼げないとあきらめているからだろう。
保育園の待機児童問題など、女性が働くのは大変だという情報があふれている。
今回の結果は一時的なもので、ずっとは続かないのではないか。
夫婦とも家庭と両立しながら働ける、低成長時代の
新しい生き方を作り出せるかどうかが今後のカギになる。
政権交代を転機に、課題は十分、見えているので、答えを出していかねばならないでしょう