沖縄県石垣島に属するとしている尖閣諸島をめぐって、日本と中国との関係が険悪になっている。発端はこのあたりの領海で中国漁船が操業し、海上保安庁の巡視船が警告すると漁船が体当たりしてきたので船長を逮捕したということにある。
中国はかねてから尖閣諸島は中国領と主張し、中国名を釣魚島と呼んでいる。無人の5つの小島と3つの小さな岩礁からなり、最大の魚釣島でも東西約3.5 km、南北約2 kmの島で面積は3.82 km²しかない。このちっぽけな島をめぐってどうして領有権が争われているかと言うと、結局はこのあたりにはイラクの埋蔵量に匹敵する石油があると推定されていることにある。そのことが分かってから中国は強く領有権を主張するようになったし、日本も日清戦争終結時から領有権があったと譲らない。日本海の竹島にしても北方領土問題にしても、たとえ対象が小さな島であっても国家の利害が絡むとなかなか問題の解決が困難だ。根気よく解決の道を探っていくしかない。
尖閣諸島問題では中国政府は問題が発生すると直ちに、深夜にも日本大使を何度も呼びつけて抗議をしたし、予定されていた要人の来日も取り消したり、閣僚級の交流も停止するとして、「(船長を)すぐ釈放しなければ強烈な対抗措置をとる」と言っているという。「強烈な」というような言い方は北朝鮮などもよく使うが、何か大国の脅しのようにも聞こえる。広州の伍海珠によれば、中国政府は、「これは1972年(日中国交正常化)以来の外交上一番大きい事件」と言っているようだ。
中国最大のハッカー組織と言われる「中国紅客連盟」はこの問題に抗議するため、日本政府機関のウェブサイトを攻撃する方針を明らかにした。実際、防衛省と警察庁のホームページが30分から数時間、閲覧しにくい状態になったことが起こっており、このハッカー組織との関連を調べているようだ。このようないわば不法集団の「愛国的行動」や、それが黙認されていることには嫌な感じがする。
また社員約1万人の日本への団体旅行を計画していた中国のある企業が旅行を中止した。その理由をこの企業は尖閣問題への「抗議」であり、「尊厳ある中国人であるための決定」だとしているようだ。「尊厳ある中国人であるため」なら、例えば、世界の顰蹙を買いながらどうにも無くならない中国人の知的財産権無視、侵害の事実にも反省を込めて毅然とした態度を表明したらいいと思う。このような言い方は、かつての日中戦争当時の中国人に対する日本人の態度や、ナチスドイツの「世界に冠たるドイツ国」の熱狂を思い出してしまう。普通の国民が愛国心を持つのはもちろん好ましいことだが、過剰で偏狭なな大国意識を持つのは怖い。
18日に北京で行われた反日デモでは、「小日本(シャオ・ルーペン 日本人に対する蔑称)は釣魚島から出て行け」という呼びかけから始まったようだ。厳戒態勢を敷いていた警官隊ともみ合いも起こり、警官隊は「政府は味方だ」「中国はもうすぐ空母を持つ強大な国になる」と説得したそうだ。私は「小日本」という蔑称を聞くと、日中戦争の頃によく使われた「チャンコロ(中国人に対する蔑称)と重ねて不愉快になる。攻撃的な存在である空母を持つことを大国の証しとして中国人の優越感をくすぐるのも不愉快なことだ。
私はこれまで中国の貧困農村地区の子ども達への教育支援の会に入ったり、このブログでも何度か書いたが、個人的にもごく普通の中国人と接してきて親しい友人もいて、中国への親しみの感情が培われてきた。だから中国、中国人ともに大国主義的な言動をすることだけは御免蒙りたいと思っている。
中国はかねてから尖閣諸島は中国領と主張し、中国名を釣魚島と呼んでいる。無人の5つの小島と3つの小さな岩礁からなり、最大の魚釣島でも東西約3.5 km、南北約2 kmの島で面積は3.82 km²しかない。このちっぽけな島をめぐってどうして領有権が争われているかと言うと、結局はこのあたりにはイラクの埋蔵量に匹敵する石油があると推定されていることにある。そのことが分かってから中国は強く領有権を主張するようになったし、日本も日清戦争終結時から領有権があったと譲らない。日本海の竹島にしても北方領土問題にしても、たとえ対象が小さな島であっても国家の利害が絡むとなかなか問題の解決が困難だ。根気よく解決の道を探っていくしかない。
尖閣諸島問題では中国政府は問題が発生すると直ちに、深夜にも日本大使を何度も呼びつけて抗議をしたし、予定されていた要人の来日も取り消したり、閣僚級の交流も停止するとして、「(船長を)すぐ釈放しなければ強烈な対抗措置をとる」と言っているという。「強烈な」というような言い方は北朝鮮などもよく使うが、何か大国の脅しのようにも聞こえる。広州の伍海珠によれば、中国政府は、「これは1972年(日中国交正常化)以来の外交上一番大きい事件」と言っているようだ。
中国最大のハッカー組織と言われる「中国紅客連盟」はこの問題に抗議するため、日本政府機関のウェブサイトを攻撃する方針を明らかにした。実際、防衛省と警察庁のホームページが30分から数時間、閲覧しにくい状態になったことが起こっており、このハッカー組織との関連を調べているようだ。このようないわば不法集団の「愛国的行動」や、それが黙認されていることには嫌な感じがする。
また社員約1万人の日本への団体旅行を計画していた中国のある企業が旅行を中止した。その理由をこの企業は尖閣問題への「抗議」であり、「尊厳ある中国人であるための決定」だとしているようだ。「尊厳ある中国人であるため」なら、例えば、世界の顰蹙を買いながらどうにも無くならない中国人の知的財産権無視、侵害の事実にも反省を込めて毅然とした態度を表明したらいいと思う。このような言い方は、かつての日中戦争当時の中国人に対する日本人の態度や、ナチスドイツの「世界に冠たるドイツ国」の熱狂を思い出してしまう。普通の国民が愛国心を持つのはもちろん好ましいことだが、過剰で偏狭なな大国意識を持つのは怖い。
18日に北京で行われた反日デモでは、「小日本(シャオ・ルーペン 日本人に対する蔑称)は釣魚島から出て行け」という呼びかけから始まったようだ。厳戒態勢を敷いていた警官隊ともみ合いも起こり、警官隊は「政府は味方だ」「中国はもうすぐ空母を持つ強大な国になる」と説得したそうだ。私は「小日本」という蔑称を聞くと、日中戦争の頃によく使われた「チャンコロ(中国人に対する蔑称)と重ねて不愉快になる。攻撃的な存在である空母を持つことを大国の証しとして中国人の優越感をくすぐるのも不愉快なことだ。
私はこれまで中国の貧困農村地区の子ども達への教育支援の会に入ったり、このブログでも何度か書いたが、個人的にもごく普通の中国人と接してきて親しい友人もいて、中国への親しみの感情が培われてきた。だから中国、中国人ともに大国主義的な言動をすることだけは御免蒙りたいと思っている。