秋の紅葉の時期に、樹木に詳しい方の案内で「樹木観察会」があって参加しました。11/2のことです。牛伏川流域は野草の観察会を春夏秋と行ったのですが、花の無くなるこの時期は紅葉がきれいで、木々に注目しての観察会でした。まずは駐車場での1枚…見事な紅葉でした。
「イロハモミジ」が赤やオレンジに染まってきれいでした。川沿いの木々の色付きはまだ先の様でした。
駐車場から上流に登りながら見て行きました。足元はすでに落ち葉のじゅうたんでした。
葉を落としている木もたくさんありました。この葉は「オヒョウ」です。角のような葉の形に注目でした。アイヌの方の衣装はこの木の樹皮からとった繊維で織ったものだそうです。
このいびつなハート形の葉は「シナノキ(科の木)」です。長野県は「信濃の国」と言われていましたが、「信濃」は「科野」からきていて、この「シナノキ」が多く生えていたところからきたのだそうです。
この葉は「オニグルミ」です。これ全体が1枚の葉だそうです。そこに小葉がついています。
「ミズキ(水木)」も葉が落ちていました。残った軸が赤くサンゴの様でした。
実がついている木もありました。きれいな色の「マユミ(真弓)」と「ツリバナ(吊り花)」です。
「ムラサキシキブ(紫式部)」がきれいな紫の実をつけていました。見上げるほどの木でした。園芸用のものは「コムラサキ」です。
これは「イロハモミジ(伊呂波紅葉)」の種です。プロペラの形になっていて、飛んでいきます。
これは「カラコギカエデ(鹿子木楓)」の種…やはりプロペラの形です。
「マタタビ」の実が黄色に色づいていました。
もう冬芽も出ていました。「コブシ」の冬芽は暖かそうな雰囲気です。
「アブラチャン」はきれいな紅色の堅い冬芽です。
「フサザクラ(房桜)」の種と冬芽です。「フサザクラ」は桜とは別種類で、桜とは似つかない姿です…
黄色に色づいたのはこの「オオモミジ(大紅葉)」…きれいな黄葉でした。
グラデーションのきれいな「イロハモミジ」です。
「ハウチワカエデ(羽団扇楓)」は切れ込みがたくさんではっきりしています。
「エンコウカエデ(猿候楓)」は葉柄が長くて、それを手長猿の腕に見立てた名前だそうです。黄葉がきれいでした。
かなり上流まで登って行きました。ここには「四つん這い橋」と言う板を渡した橋があったのですが、8月豪雨で流されて土手の「ズミ」の木も倒れていました。
その上の「マツケン小屋(松本建設事務所の小屋)」まで行ってみました。途中の「トチ」の木も黄葉していました。
この周囲は黄葉が多かったです。
「エゾエノキ」の木も何本かありました。[オオムラサキ]の幼虫はこの「エノキ」の葉を食べて成長します。羽化した「オオムラサキ」はこの樹液も吸うそうです。この谷では何度か「オオムラサキ」に出会っています。幼虫はこの木の根元の枯葉の下に潜って越冬し、春になって葉が出ると木を登って行くそうです。
ここは「美ヶ原高原ロングトレイル」の一部のようです。「鉢伏山」から牛伏川は流れ下っています。
この辺りは明治期から砂防工事が始まって、堰堤ができ、周囲に植林がされました。川沿いに植えられたのは「ハリエンジュ(ニセアカシア)」です。この木は成長が早いのですが、根が浅く、豪雨で倒れる危険もあるので伐採の対象になっています。ところが生命力が強く切り株からもどんどん成長するので「巻き枯らし」と言う方法を使っています。表皮を剥ぐことで形成層を切断して根まで枯らすのだそうです。
きれいな色の「アカスジキンカメムシ」に出会いました。
秋の風景はここにも…「ウバユリ」と「シシウド」と「マムシグサ」です。
この日の「フランス式階段工」の風景…この周囲はまだ紅葉が進んでいませんでした。
最後に山の中で目立った、真っ赤なイロハモミジの紅葉です。
この日は改めてたくさんの樹木を確認し、見頃の紅葉も堪能できて良かったです。この日の散策は標高差があってちょっときつかったです。歩数は6878歩でした…