ナチュラルな暮らし

穏やかな日常の一コマ

晩秋のアート散策~北アルプス国際芸術祭~

2021-11-22 | ミュージアム

前回2017年に開かれた「北アルプス国際芸術祭」にも行きましたが(大町へ~国宝と芸術祭~2017-07-20 )、3年後の昨年開かれる予定だった芸術祭…コロナ禍で延期されていましたが、1年遅れで今年開催されました。夏に開催予定が秋に延期され、コロナの状況も落ち着いたので最終週になってしまいましたが、行ってきました。

 

    

 

今年は総出品作家さん34人…大町市内のあちらこちらで作品を鑑賞できるようになっていました。まずは南の方から巡ってみました。地元の神社で展示されていたのは㉓マナル・アルドワイヤン「私を照らす」です。

 

 

大町への国道沿いの空き工場にあったのは㉒エマ・マリグ「シェルター・山小屋」です。古い空き工場の雰囲気と合いまった素敵な空間でした。

 

 

その後市街地エリアに移動しました。②ドナルド・ワッスワ「アマーニ・ガ・ナブジ」…これはウガンダの赤い樹皮布と大町の味噌樽とのコラボだそうです。

 

 

大町名店街の通りには①ジミー・リャオ「私は大町で一冊の本に出逢った」がありました。実際に本が読める素敵な空間ができていていました。

 

 

その通りには足元にアート作品がありました。⑥淺井裕介「すべては美しく繫がり還る」…この地上絵は通りのマンホールの蓋も巻き込んで続いていました。

     

 

 

商店街から少し入った所の蔵の中にあった作品…④二コラ・ダロ「クリスタルハウス」では光と音楽の空間でした。緻密に計算された機械仕掛けのミュージックボックスの中にいるような感覚…その中の光と影の演出に注目でした。

 

 

  

 

古い蔵の雰囲気も良かったです。

 

もう一つ蔵(元は麻を保管した蔵だそうです)を改造した建物での展示…⑤麻倉美術部「ひみつの森」の展示された場所はショップやカフェも兼ねた所でした。

  

  

 

⑦地村洋平「Water Trip」は自然(水)と人工物を使って、雨や霧が立ち込める空間を表現していました。

 

 

⑧本郷毅史「水と光」は籾から稲が育つ過程を写真におさめていました。テーマのように光の加減に注目でした。

 

 

もう一つ街中の展示は③蠣崎誓「種の旅」…大町の森で、地元の人によって集められた種や植物を使って作られた絨毯でした。普段何気なく目にしているものが素敵な一枚の絵になっていて感動でした。作家さんがこの地で出会った種は、展示終了後に希望者に配布されて又育っていく予定だそうで、それも素敵なことでした。

 

  

 

展示された場所の続きになった蔵もいい雰囲気でした。

 

この大町市は「塩の道(千国街道)」…日本海の糸魚川から松本方面へ塩を運ぶ街道筋にあって、今も昔の面影が残っています。

 

 

  

北アルプスからの伏流水が湧き出て美味しい水もあります。「男清水」と「女清水」が街中で湧き出ていました。

  

 

ちなみにこれは芸術祭の水!インフォメーションで健康チェックをする際にいただきました。

 

 

こんな針金アートもさり気なく佇んでいました。そして大町市のマンホールの蓋は北アルプスと雷鳥でした。

  

 

この後、鷹狩山に向かいました。この山では㉜目「信濃大町実景舎」をじっくり鑑賞しました。この建物は白い空間に覆われていて、その不安定な導線を進むと突如現れる北アルプスや大町の風景に驚かされ、感動しました。

 

  

 

 

  

 

 

鷹狩山の展望台には㉝菊池良太「尊景のための展望室」…気持ちの良い写真の数々が展示されていました。

 

鷹狩山からの風景…北アルプスは霞んでいました。

 

 

 

鷹狩山から再び市街地に下りて来てみたのは⑭コタケマン「Newま、生ケルノ山」…地元で集めた材料で作ったという土壁ドーム空間は、何だかほっとする場所でした。

 

 

廃校になった校舎を利用した展示もありました。まずは⑪布施知子「OROCHI(大蛇)」…この方の作品は前回の芸術祭でも見ましたが、一枚の紙から作り出される折り紙の世界に圧倒されました。

 

  

 

⑩渡邊のり子「今日までの大町の話」…身近な小物でコラージュした小さな箱庭がたくさん展示され、そのタイトルと共に注目でした。

 

「流れ星落ちる海」と「理想の夜がある空間」です。

  

 

⑫ポウラ・ニチョ・クメズ「自然の美しさと調和」…その色彩の美しさにも惹かれました。

 

「若一王子神社」にも作品がありました。⑬宮永愛子「風の架かるところ」…普段は閉じられているという神社のこの場所に風や光が入り込んで、作品を一層際立たせている気がしました。

 

  

 

この日の最後は仁科三湖の一つ「木崎湖」のほとりでの鑑賞でした。㉕淺井真至「おもいでドライブイン」はかつてドライブインだったスペースを使って展示されていました。ドライブインだった頃の名残の置物と作家さんの絵が同居する不思議な空間でした。

 

 

木崎湖のほとりのもう一ヶ所は ㉖木村崇人「水を遊ぶ「光の劇場」」…窓枠から眺める湖の表情に注目でした。

 

  

 

一日かけて何か所も巡った「北アルプス国際芸術祭」…たくさんの興味深い作品と出会って、充実の一日でした。広い大町市内のあちらこちらに作品が点在しているので車で巡りましたが、駐車場から歩くことも多くて、この日の歩数は16542歩でした…

 

 

コメント (6)
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