今まで「香取秀真(かとりほつま)」という金工作家さんの名前は聞いたことがあっても、じっくり作品を見たことがありませんでした。今回、松本にもゆかりがあって生誕150年、没後70年とのことで「松本市美術館」で企画展がありました。終了まじかの展覧会に駆け込みました。「松本市美術館」は「草間彌生」色が強いですが(外観はまさにそのもの)さまざまな企画展を開催していて楽しめます。
11月末でしたが、紅葉がきれいでした。
「香取秀真」は金工(金属工芸)の巨匠と呼ばれていて、たくさんの作品を残しています。東京芸大出身で後に東京芸大の教授も務めました。妻が塩尻市出身ということもあって松本は訪れることも多く、戦時中の3年間は松本市に疎開していました。正岡子規門下の歌人としても知られ、松本の文人たちとの交流もたくさんあったようです。松本市内3か所のお寺の梵鐘も制作しています。
展示室内は一切撮影禁止となっていて写真はありません。パンフレットからです。金属工芸では銅や鉄、真鍮などをとかして型に流し込み、冷やして取り出し、磨いて仕上げます。香炉などの小さなものから花瓶や置物、それに梵鐘などの大きなものまでさまざまな作品を生み出し、工芸家としては初めて文化勲章も受けています。
鑑賞用だけでなく実用も兼ねた作品は用と美を備えて格調高く、一つでも家にあったら生活も変わりそう…そんな雰囲気で見ごたえありました。また歌人としても作品も展示されていて、その書画にも注目して見てきました。
近くのイオンモールにも立ち寄りました。空き地にあった懐かしい手押しポンプの井戸です。ここの生け垣にも「アベリア」があってまだ花が咲いていました。
イオンモールのクリスマスツリーは前回載せたので省略して、ラウンジに貼ってあったこのポスターに注目でした。「三ガク都 松本」…岳都(北アルプスへの玄関口)、学都(古くからの学校が多く日本一古い小学校の開智学校もある)、楽都(スズキメソードやセイジ・オザワ松本フェスティバル等)の三拍子そろった良い街だと私も感じます。
こちらは「東山山麓線」の風景です。里山はもう晩秋の色合いで、里の柿の木の赤い実が目立っていました。ドーム菊が並んで咲いている風景も山里ならではでしょうか…北アルプスは雲の中でした。
こうした工芸作品を見るのは昨年の超絶技巧の企画展(2度目の「超絶技巧、未来へ!展」~長野へ~ - ナチュラルな暮らし)以来…久しぶりの金工作品に注目でした。