最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

原審の公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与するのは法令違反

2020-02-04 12:47:47 | 日記
令和1(あ)1987  公務執行妨害被告事件
令和2年1月31日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄差戻  東京高等裁判所

 上告裁判所が原判決を破棄するに当たり,口頭弁論を経ることを要しないとされた事例

1枚に満たない判決文です。

職権により調査すると,記録によれば,原審の公判審理に関与していない裁判官が原審の判決書に判決をした裁判官として署名押印したことが認められる。そうすると,原審の公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与したこととなり,これは判決に影響を及ぼすべき法令の違反であって,かつ,原判決を破棄しなければ著しく正義に反するものと認められるから,当事者双方の意見を聴いた上,刑訴法411条1号,413条本文により,原判決を破棄し,本件を原裁判所に差し戻すのが相当である。
なお,上記のような原判決を破棄すべき事由の性質,本件被告事件の内容,審理経過等に鑑みると,本件について,上告裁判所が原判決を破棄して事件を原裁判所に差し戻す旨の判決をするに当たり,刑訴法408条の趣旨に照らし,必ずしも口頭弁論を経ることを要しないというべきである。
よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり判決する。


>原審の公判審理に関与していない裁判官が原審の判決書に判決をした裁判官として署名押印したことが認められる。
この部分ですが、おそらく人事異動で裁判途中で裁判官が入れ替わったものと思います。

>原審の公判審理に関与していない裁判官が原判決に関与したこととなり,これは判決に影響を及ぼすべき法令の違反であって,
裁判途中で人事異動でいなくなるなんて言うことは普通にあるのですが、下手に裁判が長引けば延々と終わらないことになりますよね。これを意図的にやることが可能になりますが。
ちなみにどの法令に違反するのか書いていません。雑ですねぇ。

そりゃきちんと原審でやれよというのは分ります。ならば人事異動も制限すべきじゃないでしょうか。そこは法務省の人事部でやる話で、裁判と関係ないって?
釈然としません。

第三小法廷
裁判長裁判官 宮崎裕子
裁判官 戸倉三郎
裁判官 林 景一
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴

注目の裁判:高裁ふるさと納税訴訟、泉佐野市が敗訴

2020-02-03 20:37:14 | 日記
まだ高裁なので判決文は公開されていません。
毎日新聞の報道です。
総務省がふるさと納税の新制度から大阪府泉佐野市を除外したのは違法だとして、市が除外決定の取り消しを求めた訴訟の判決で、大阪高裁は30日、請求を棄却した。市は過度な返礼品で多額の寄付を集めたとして除外されたが、佐村浩之裁判長は「総務相に裁量権の逸脱や乱用はなかった」として、国の対応は正当だったと判断した。市は最高裁に上告する方針。

ふるさと納税は、自治体によっては恨み節が聞こえてきますが、本来の趣旨はこうなっています。
税収が足りない自治体が、よその住人からの寄付というか実態は限りなく通販ですが、お金をよそから貰ってきます。お金を払ったよその自治体に住む人の住民税が減ります。ということで、実際には住民税の奪い合いと考えていいでしょう。
立法趣旨からいえば、単に寄付金を求めたのでは誰もやらないだろうから、返礼品をつけてもいいよということでした。返礼品はあくまでも返礼日であるべきなので、過度な返礼品をつけるなよと総務省が制限を加えています。総務省は、その自治体の中で作られる産品を返礼品にして、あるいはそれすらない自治体はイベントに招待するとかで対処して欲しいと考えていたようです。
ところが泉佐野市はAmazonの商品券でかつ過度な金額の物を出したとして総務省から警告を受けました。それでも続けたということで、ふるさと納税の制度の対象外となりました。
論点は様々あるようです。
泉佐野市は、総務省の決めた制約は後出しじゃんけんで、制度発足当時はそんなこと言ってなかったじゃないか。だから、総務省のやっていることはおかしいと。
総務省は、ふるさと納税の立法趣旨を完全に無視しているし、他の規制を守る自治体からすると不公平だからペナルティは当然だと。
世間ではそのように言われているようです。
私は若干違っていて、通販会社なので市内の本屋はじめ雑貨屋の営業に影響を与えているので、Amazonの商品券であっても泉佐野市にある会社の商品に限定するなどすればよかったのではないかと思っています。
ただ、Amazonでそれをやるのはどうだったのだろうかという気もしているのです。Amazonは日本で法人税を払っていません。泉佐野市に影響を与えるとすれば、輸送会社の最後の配達の部分だけで、市の産業に影響を与えないし、税収にもつながらないのは、制約されても仕方ないのではないかと思っています。
いずれにせよ、最高裁に持ち込まれるということなので、どのような論点でどのような判決が出るのか楽しみです。