最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

何かよく分からん判決 不動産取引仲介業を個人としてやったのか法人でやったのか区別がつかないから無罪

2023-12-31 13:44:03 | 日記
令和3(あ)1752  宅地建物取引業法違反被告事件
令和5年10月16日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  大阪高等裁判所

 被告人が、個人として免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因と、法人の代表者として法人の業務に関し免許を受けないで宅地建物取引業を営んだという訴因とは、個人として宅地建物取引業を営んだのか、法人の業務に関し法人の代表者としてこれを営んだのかに違いがあるとしても、被告人を行為者とした同一の建物賃貸借契約を媒介する行為を内容とするものであって、公訴事実の同一性を失わない。

公訴事実の同一性に関し、職権で判断すると、本件起訴に係る訴因の要旨は、「被告人は、免許を受けないで、業として、建物賃貸借契約の媒介をし、もって免許を受けないで宅地建物取引業を営んだ」というものであるが、検察官は、第1審において、「被告人は、免許を受けないで、」とあるのを、「被告人は、株式会社Aの代表取締役であるが、同会社の業務に関し、免許を受けないで、」に改める旨の訴因変更を請求し、第1審裁判所はこれを許可して変更後の訴因に係る事実を認定したものである。

ああであこうだと書いたのでしょうか、裁判所が論点整理をしています。要するに免許持ってないのに不動産屋のやる業務をやったでしょ?という裁判のようです。

被告人が、個人として宅地建物取引業を営んだのか、法人の業務に関し法人の代表者としてこれを営んだのかに違いはあるが、被告人を行為者とした同一の建物賃貸借契約を媒介する行為を内容とするものである点で事実が共通しており、両立しない関係にあるものであって、基本的事実関係において同一であるということができる。したがって、以上の両訴因の間に公訴事実の同一性を認めて訴因変更を許可した第1審の訴訟手続に法令違反はなく、第1審判決を維持した原判決は正当である。

裁判長裁判官 堺 徹
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶

事実認定も書かないで、いきなり職権で論点整理とも言い難いものを出してきて結論を出されても、これは判例として使えないでしょうに。

自賠責で払ったから民間保険は払わんでよろしいということにはならない

2023-12-30 13:43:27 | 日記
令和4(受)648  損害賠償請求事件
令和5年10月16日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所

ニュースでは出てこないので、事実認定を見ていきます。

(1)ア Aは、平成28年5月2日、車道上に横臥していたところを被上告人Y1運転の普通乗用自動車によりれき過され、更にその約8分後、その場に横臥していたところを被上告人Y2運転の普通乗用自動車によりれき過されて、その後、死亡した。

私もありますが、道路で寝ている人っているんですよね。酔っぱらっているのかどうかわかりませんが、引きそうになって慌てて急ブレーキを踏みましたよ。この状態でひき殺したところで、ヨーロッパであれば寝ているとが悪いということで無罪になります。何でこんな当然のことが日本では認められないのか、実に不思議です。これは高速道路で道の真ん中を歩いているのを轢いても、日本では有罪。おかしいですよね。

イ 上告人X1は、Aの配偶者であり、上告人X2、同X3及び同X4は、いずれもAの子である。

(2)本件事故によりAに生じた損害の額は、合計8285万2813円であり、上告人X1が2分の1、上告人子らが各6分の1の各割合で、Aの被上告人らに対する損害賠償請求権を相続した。上告人らの固有の損害の額は、上告人X1につき、350万円であり、上告人子らにつき、各100万円である。本件事故におけるAの過失割合は3割であることから、上記割合により過失相殺をすると、上告人らが被上告人らに対して賠償請求することができる損害金の額(弁護士費用相当額を除く。)は、上告人X1については3144万8484円となり、上告人子らについては各1036万6161円となる。

(3)保険の内容は以下の通り
ア 被保険自動車の運行に起因する事故等に該当する急激かつ偶然な外来の事故により、被保険者が身体に傷害を被ることによって被保険者又は配偶者若しくは子等に生じた損害に対して、人身傷害保険金を支払う。
イ 人身傷害保険金額を限度として、本件約款所定の算定基準に従い算定された損害額から、人身傷害保険金の請求権者に対して自賠責保険によって支払われた金員等の既払額を差し引いた額とする。
ウ 損害が生じたことにより人身傷害保険金の請求権者が損害賠償請求権その他の債権を取得し、その損害に対して参加人が支払った人身傷害保険金の額がその損害の額の全額に満たない場合には、上記債権の額から、人身傷害保険金が支払われていない損害の額を差し引いた額の限度で、上記債権は参加人に移転する


まあよくある契約ですね。

人身傷害保険金を支払う義務を負うところ、本件保険契約における人身傷害保険金額は、3000万円であり、本件約款所定の算定基準に従い算定される損害の額は、上記人身傷害保険金額を超えるものであった。

無いよりはいいでしょうが、対人無制限にしておかないとこういう時大変ですよ。

ア 参加人は、平成28年9月6日、上告人らに対し、8640円を支払った。また、参加人は、同年12月15日、上告人X1から、「保険金のお支払についての仮協定書」を受領し、同月28日、上告人らに対し、2999万1360円を支払った。

所謂免責のための支払いですね。何でこんな制度があるのかよく分かりませんが。

イ 平成29年5月24日、本件事故について、被上告人Y1との間で自賠責保険の契約を締結していた保険会社から、損害賠償額の支払として3000万円を受領した。

これもよく分かりませんが、保険会社から直接払ってくれれば手続きがさっさと住むのですが、保険加入者にいったん渡されることになっています。

ウ その後、上告人X1から、「保険金のお支払についての仮協定書」を受領し、平成29年11月17日、上告人らに対し、3000万円を支払った。
①参加人により支払われる保険金の合計が3000万円であり、これは自賠責保険の保険金額を含む旨、
②今回支払われる保険金を受領することにより、本件事故を原因とする上告人らの被上告人らに対する損害賠償請求権が上記保険金の額を限度として参加人に移転することを承認する旨、
③参加人が自賠責保険への精算を行った後に、精算額を限度として最終協定を行うことを認める旨の各記載があった。


この後保険加入者は3000万円を受け取って、交通事故の被害者の妻と子供に1500万円と500万円ずつ支払いました。ですが、

(5)上告人らと参加人は、本件仮協定書1及び本件仮協定書2に記載された最終協定を締結していない。

これはまずい状態です。何で仮のままだったのでしょうか。

参加人は、上告人らに対し、自賠責保険からの損害賠償額の支払分を含めて参加人が一括して支払をすることとして本件各支払金を支払っており、その合計額(6000万円)は本件保険契約における人身傷害保険金額(3000万円)を超えるものであることに加え、参加人が自賠責保険から損害賠償額の支払として本件各支払金の合計額と同額の6000万円を受領したことや、参加人における内部処理の状況を考慮すれば、本件各支払金は、人身傷害保険金としてではなく、自賠責保険からの損害賠償額の支払の立替払として支払われたものと認められる。

最高裁は
(1)本件約款によれば、人身傷害条項の適用対象となる事故によって生じた損害について参加人が保険金請求権者に支払う人身傷害保険金の額は、保険金請求権者が上記事故について自賠責保険から損害賠償額の支払を受けていないときには、上記損害賠償額を考慮することなく所定の基準に従って算定されるものとされている。・・・・上記の場合には、保険金請求権者としては上記保険会社が給付義務を負う人身傷害保険金が支払われたものと理解するのが通常であり、人傷一括払合意をしていたということだけで、上記金員に自賠責保険からの損害賠償額の支払分が含まれているとみるのは不自然、不合理であり(最高裁令和2年(受)第1198号同4年3月24日第一小法廷判決・民集76巻3号350頁参照)。


したがって、本件支払金1・2については、上告人らの被上告人らに対する損害賠償請求権の額から、参加人が本件支払金1・2の支払により保険代位することができる範囲を超える額を控除することはできないというべきである。



裁判長裁判官 安浪亮介
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也
裁判官 岡 正晶
裁判官 堺 徹

何だかなぁという感じです。要するに、死亡事故をやって仮払いで慰謝料を払ったけども、一部保険金が下りなくて支払いが滞った。その遅延損害金と残りを払えというものですが、自賠責で払ったから民間保険は払わんでよろしいということにはならないということになったようです。

令和4年7月10日に行われた参議院議員通常選挙は合憲

2023-12-19 15:34:17 | 日記
令和5(行ツ)55  選挙無効請求事件
令和5年10月12日  最高裁判所第一小法廷  判決  棄却  東京高等裁判所
参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の選挙について特定枠制度を定める公職選挙法の規定は憲法43条1項等に違反しない

訴えの内容です。
令和4年7月10日に行われた参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の選挙に関し、いわゆる特定枠制度を定める公職選挙法の規定は憲法43条1項に違反する、また、本件選挙と同日に行われた参議院の選挙区選出議員の選挙は同法が定める定数配分規定が憲法に違反するため無効であるから、本件選挙も無効であるなどという。

選挙のたびにこの手の裁判が出てきますが、これは訴えを門前払いしていいレベルだと思います。というのは司法は政治に関与してはなりませんから。県ごとの定員数は事実上2倍以下に抑えよと言っても事実上不可能だからです。
そもそも、自治体の合併は選挙の定員数に合わせて合併するわけではありません。自治体をぶった切って無理矢理定数に合わせても、有権者の要望は通りにくくなります。
挙句に、高知と徳島を合併させるようなことが起きています。これでまた投票率がダダ下がり、選挙活動費用が爆上がりになりました。これでも、都内の有権者と同じに扱えというのがそもそも無理があります。

参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の選挙について特定枠制度を定める公職選挙法の規定が憲法43条1項等に違反するものではないことは、最高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁及び最高裁平成15年(行ツ)第15号同16年1月14日大法廷判決・民集58巻1号1頁の判示するところであるか、又はその趣旨に徴して明らかである。また、参議院議員通常選挙のうち比例代表選出議員の選挙の無効を求める訴訟において選挙区選出議員の選挙の仕組みの憲法適合性を問題とすることができないことは、前掲平成11年大法廷判決の趣旨に徴して明らかである。

裁判官全員一致の意見
裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 山口 厚
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶
裁判官 堺 徹

都民の恵まれた環境と地方を一緒くたに論じることそのものがオカシイのであって、訴えそのものを却下すべきです。

地裁高裁で事実認定されたから量刑不当は認めない

2023-12-17 07:09:04 | 日記
令和4(あ)655  住居侵入、殺人、死体遺棄被告事件
令和5年10月11日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  東京高等裁判所
第1審判決について、被告人の犯人性を認定した点に事実誤認はないと判断した上で、量刑不当を理由としてこれを破棄し、事件を第1審裁判所に差し戻した控訴審判決の拘束力を有する判断の範囲

事実認定を見ていきます。
被告人が、A及びBを殺害する目的で、両名方に侵入し、同所において、A及びBをいずれも頸部圧迫による窒息により死亡させて殺害した上、両名の死体を遺棄した・・・侵入時にはAを殺害する目的を有していたにとどまり、Bを殺害する目的もあったとは認められないとした上で、被告人を懲役23年に処した。

2人殺害ですか。

第1次控訴審判決は、検察官の事実誤認の控訴趣意並びに被告人の訴訟手続の法令違反及び事実誤認の控訴趣意をいずれも排斥した上で、第1次第1審判決は、不適切な量刑資料を用いたため、量刑傾向の把握を誤り、その結果、不合理な量刑判断をしたものであって、・・・上告趣意は刑訴法405条の上告理由に当たらないとして上告棄却の決定がされた。

量刑不当は最高裁は受け付けませんからね。

被告人が、Aを殺害する目的で、A及びB方に侵入し、同所において、A及びBをいずれも頸部圧迫による窒息により死亡させて殺害した上、両名の死体を遺棄したとの事実を認定し、被告人を無期懲役に処した。
これに対し、被告人が控訴し、法令適用の誤り、訴訟手続の法令違反、量刑不当を主張した。


殺人も永山基準みたいなのってどうかと思いますよ。どういう経緯でやったのか、衝動的にやったのかどうか、少なくとも矯正教育を謳うのであれば、そのあたりをしっかり判断材料にして欲しい所ではあります。

裁判所法4条は、「上級審の裁判所の裁判における判断は、その事件について下級審の裁判所を拘束する。」と規定しているところ、同条の趣旨は、審級制度の存在を前提に、事件が上級審の裁判所と下級審の裁判所とをいたずらに往復することを防止しようとするものである・・・この第1次第1審判決の認定に事実誤認はないと判断した上で、その刑の量定が不当であるとしてこれを破棄したものであるところ、刑の量定は、犯人性の認定を当然の前提とするものである。

事実認定に誤りはない、地裁、高裁で確認済みである。

第1審判決について、被告人の犯人性を認定した点に事実誤認はないと判断した上で、量刑不当を理由としてこれを破棄し、事件を第1審裁判所に差し戻した控訴審判決は、第1審判決を破棄すべき理由となった量刑不当の点のみならず、刑の量定の前提として被告人の犯人性を認定した同判決に事実誤認はないとした点においても、その事件について下級審の裁判所を拘束するというべきである。

裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 山口 厚
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶

結局量刑不当でしょと言われて終了のようです。
しかしですね、控訴審判決の拘束力を有する判断の範囲と要約にあるにもかかわらず、どこにそんなのが記載されてます?これは従来通りで、判例集に載せるようなものなのかなと。

土地の時効取得、一筆丸ごとは駄目よ

2023-12-15 17:42:08 | 日記
令和5(許)9  仮処分命令申立て却下決定に対する抗告棄却決定に対する許可抗告事件
令和5年10月6日  最高裁判所第三小法廷  決定  破棄差戻

1筆の土地の一部分についての所有権移転登記請求権を有する債権者において当該一部分について分筆の登記の申請をすることができない又は著しく困難であるなどの特段の事情があるときは、当該土地の全部についての処分禁止の仮処分命令は直ちに保全の必要性を欠くものではない

訴えの内容です。
土地の所有権を時効により取得したなどと主張して、本件各土地の所有権の登記名義人である相手方らに対し、当該各一部分についての所有権移転登記請求権被保全権利として本件各土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立て等をした事案である。

善意で占拠して自分のものだと思い込んでいたら、その土地占拠していた人のものになるのですが、まさにそういう案件です。

  1筆の土地の一部分についての所有権移転登記請求権を保全するためには、当該一部分について処分禁止の登記をする方法により仮処分の執行がされることで足りるから、当該登記請求権を被保全権利とする当該土地の全部についての処分禁止の仮処分命令は、原則として当該一部分を超える部分については保全の必要性を欠くものと解される。

おいおい、一部だったものが全部持ってかれますか?と元の所有者は怒ったわけですね。

上記一部分について処分禁止の仮処分命令を得たとしても上記登記請求権を保全することができないから、当該登記請求権を保全するためには上記土地の全部について処分禁止の仮処分命令を申し立てるほかないというべきである。上記の申立てにより仮処分命令がされると、債務者は上記一部分を超えて上記土地についての権利行使を制約されることになるが、その不利益の内容や程度は当該申立てについての決定に当たって別途考慮され、当該債務者において当該権利行使を過度に制約されないと認められるだけの事情がない場合には当該申立ては却下されるべきものと解される。 

そりゃそうですよ。一筆でどのくらいの面積か知りませんが、ほんの一部を占有していたにすぎないのであれば、一筆ごと持って行くなんて言うのはヤクザ、それを追認した致死亜はろくなもんじゃないですね。現況を調べなかったのでしょうか。

上記債権者が上記登記請求権を被保全権利として上記土地の全部について処分禁止の仮処分命令の申立てをした場合に、当該債権者において上記分筆の登記の申請をすることができない又は著しく困難であるなどの特段の事情が認められるときは、当該仮処分命令は、当該土地の全部についてのものであることをもって直ちに保全の必要性を欠くものではないと解するのが相当である。    

  第三小法廷決定  
裁判長裁判官 渡 惠理子 
裁判官 宇賀克也 
裁判官 林 道晴 
裁判官長嶺安政 
裁判官 今崎幸彦 

全員当然の判断でした。

公訴提起が権限がないから裁判は無効

2023-12-14 17:38:14 | 日記
令和5(さ)11  道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件
令和5年9月29日  最高裁判所第三小法廷  判決  破棄自判  小浜簡易裁判所
 検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

また一枚ぺらの判決です

同年11月9日付け起訴状に よる略式命令の請求に対して発付されたものであるところ、 その請求に係る起訴を 行った検察事務官は検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかったことが認 められ、公訴提起が権限のある者によって行われていなかったことが明らか

これは 前々回の記事に関する事件のようです。

同裁判所としては、刑訴法463条1項、338条4号により公訴棄却の判決をすべきであった。そうすると、同裁判所が原略式命令を発付したことは、同法454条の「事件の審判が法令に違反したこと」に当たると解するのが相当である。

権限のない人がやったから略式起訴も不可ということのようです。

第三小法廷判決
裁判長裁判官 長嶺安政
裁判官 宇賀克也
裁判官 林 道晴
裁判官 渡 惠理子
裁判官 今崎幸彦

判決には異論はないですが、こんなのまとめて裁判できないもんなんですかね。

わけわからん 「わいせつ」の概念は明確だ!

2023-12-06 14:19:33 | 日記
令和4(あ)1407  わいせつ電磁的記録等送信頒布被告事件
令和5年9月26日  最高裁判所第一小法廷  決定  棄却  東京高等裁判所

 刑法175条1項の規定が憲法21条1項に違反するとの主張が欠前提処理された事例

また1枚ものの判決です。
刑法175条1項の規定が憲法21条1項に違反するものでないことは、当裁判所の累次の判例により極めて明らかであり(最高裁昭和28年(あ)第1713号同32年3月13日大法廷判決・刑集11巻3号997頁、最高裁昭和39年(あ)第305号同44年10月15日大法廷判決・刑集23巻10号1239頁等参照)、刑法175条1項にいう「わいせつ」の概念は、所論のように不明確であるとはいえないから、いずれも前提を欠き、その余は、憲法違反をいう点を含め、実質は単なる法令違反の主張であって、刑訴法405条の上告理由に当たらない。

まったくこれだけでは何が議論されたのか分かりません。

第175条1項 わいせつな文書、図画、電磁的記録に係る記録媒体その他の物を頒布し、又は公然と陳列した者は、2年以下の懲役若しくは250万円以下の罰金若しくは科料に処し、又は懲役及び罰金を併科する。電気通信の送信によりわいせつな電磁的記録その他の記録を頒布した者も、同様とする。

とありますので、わいせつ画像をネットか何かにばら撒いたのでしょう。それは表現の自由を保障する憲法に違反すると訴えたようです。

これに対して最高裁は、わいせつの概念は不明確とは言えない、裁判所の判例で明確であるとしたようです。

裁判長裁判官 深山卓也  わけわからん
裁判官 山口 厚  わけわからん
裁判官 安浪亮介  わけわからん
裁判官 岡 正晶  わけわからん
裁判官 堺 徹 わけわからん

そうですかね?チャタレー婦人の事件もそうですが、時代とともにかなりわいせつの概念は代わっていると思いますよ。どれだけ嫌悪感を示すかあるいは性欲を掻き立てるか、時代によって全然違うと思いますけどね。客観的というのであれば、何と何を写してはダメ、画像は上限解像度を定めるとか決めなければ意味ないと思いますよ。

職務命令がない検察が控訴したので無罪

2023-12-02 05:19:48 | 日記
令和5(さ)1  道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件
令和5年9月22日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  小浜簡易裁判所
 検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかった検察事務官がした公訴に基づき発付された略式命令に対する非常上告が認められた事例

事実確認から見ていきます。
道路交通法違反によって同年11月9日、被告人を罰金10万円に処する旨の略式命令を発付し、同命令は、同月26日に確定した。・・・原略式命令は、同年10月31日付け起訴状による略式命令の請求に対して発付されたものであるところ、その請求に係る起訴を行った検察事務官は検察官事務取扱の職務命令の発令を受けていなかったことが認められ、公訴提起が権限のある者によって行われていなかったことが明らかである。

そんなことあるんですね。民間企業だと代わりに判子を捺しておきましたからみたいな感じなんでしょうか。

本件略式命令の請求は、公訴提起の手続がその規定に違反したため無効であり、同裁判所としては、刑訴法463条1項、338条4号により公訴棄却の判決をすべきであった。そうすると、同裁判所が原略式命令を発付したことは、同法454条の「事件の審判が法令に違反したこと」に当たると解するのが相当である。

というか、こんな明確な規定があるなら最高裁まで争わないで手打ちちにすればいいのに。

第二小法廷判決全員一致
裁判長裁判官 尾島 明
裁判官 三浦 守
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美

この規定はどういう前提で考えられた案件なんでしょうか?10万円の罰金ですから、50km/h以上のスピード違反か定員オバーか。10万円だったら払って終わりにするところなんでしょうけど、誰の名前で裁判になったのかよく見ておくと意外とこういう穴があるかもしれませんね。
こういう規定って事実がどうあれ、ひっくり返されるってのはどうかと思いますよ。