平成27(許)15 仮処分決定取消及び仮処分命令申立て却下決定に対する保全抗告棄却決定に対する許可抗告事件
平成28年3月18日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
さて、事実前提が全く書かれておらず、純粋に法解釈の問題が争点になったようです。
区分所有と書いてあるので、マンションの事でしょう。マンションには通常の不動産とは違う扱い(建物の区分所有等に関する法律)が求められます。これとかち合うのが、民事保全法です。
今回の場合は、共益費や組合費の未払いがあったのでしょう。所有者は破綻してしまっているので、別の債務者からマンションの競売の話が出たものと思います。マンション組合としては、他の入居者に迷惑をかけるので何としてでも未払い金を回収したいと考えていますので、勝手に競売をされてしまったのでは困るというので差止を請求したのでしょう。
建物の区分所有等に関する法律
(区分所有権の競売の請求)
第五十九条 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
民事保全法
(不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行)
第五十三条 不動産に関する権利についての登記(仮登記を除く。)を請求する権利(以下「登記請求権」という。)を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
2 不動産に関する所有権以外の権利の保存、設定又は変更についての登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、前項の処分禁止の登記とともに、仮処分による仮登記(以下「保全仮登記」という。)をする方法により行う。
3 第四十七条第二項及び第三項並びに民事執行法第四十八条第二項 、第五十三条及び第五十四条の規定は、前二項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
(建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の執行)
第五十五条 建物の収去及びその敷地の明渡しの請求権を保全するため、その建物の処分禁止の仮処分命令が発せられたときは、その仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
2 第四十七条第二項及び第三項並びに民事執行法第四十八条第二項 、第五十三条及び第五十四条の規定は、前項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
この二つの法律のどちらを優先すべきかという判断のようです。建物の区分所有等に関する法律は民事保全法に比べて特殊なものを対象としていますので、特別法というべきでしょう。となると、建物の区分所有等に関する法律が優先されるべきとなります。
この一連の裁判で高裁がなぜ民事保全法が優先されたのか、正直分かりません。
相変わらず第二小法廷は、自己満足の文章を書きますね。一見すると何が何だかよく分かりません。
第二小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信
裁判官 千葉勝美
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸
平成28年3月18日 最高裁判所第二小法廷 決定 棄却 東京高等裁判所
さて、事実前提が全く書かれておらず、純粋に法解釈の問題が争点になったようです。
区分所有と書いてあるので、マンションの事でしょう。マンションには通常の不動産とは違う扱い(建物の区分所有等に関する法律)が求められます。これとかち合うのが、民事保全法です。
今回の場合は、共益費や組合費の未払いがあったのでしょう。所有者は破綻してしまっているので、別の債務者からマンションの競売の話が出たものと思います。マンション組合としては、他の入居者に迷惑をかけるので何としてでも未払い金を回収したいと考えていますので、勝手に競売をされてしまったのでは困るというので差止を請求したのでしょう。
建物の区分所有等に関する法律
(区分所有権の競売の請求)
第五十九条 第五十七条第一項に規定する場合において、第六条第一項に規定する行為による区分所有者の共同生活上の障害が著しく、他の方法によつてはその障害を除去して共用部分の利用の確保その他の区分所有者の共同生活の維持を図ることが困難であるときは、他の区分所有者の全員又は管理組合法人は、集会の決議に基づき、訴えをもつて、当該行為に係る区分所有者の区分所有権及び敷地利用権の競売を請求することができる。
民事保全法
(不動産の登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行)
第五十三条 不動産に関する権利についての登記(仮登記を除く。)を請求する権利(以下「登記請求権」という。)を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
2 不動産に関する所有権以外の権利の保存、設定又は変更についての登記請求権を保全するための処分禁止の仮処分の執行は、前項の処分禁止の登記とともに、仮処分による仮登記(以下「保全仮登記」という。)をする方法により行う。
3 第四十七条第二項及び第三項並びに民事執行法第四十八条第二項 、第五十三条及び第五十四条の規定は、前二項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
(建物収去土地明渡請求権を保全するための建物の処分禁止の仮処分の執行)
第五十五条 建物の収去及びその敷地の明渡しの請求権を保全するため、その建物の処分禁止の仮処分命令が発せられたときは、その仮処分の執行は、処分禁止の登記をする方法により行う。
2 第四十七条第二項及び第三項並びに民事執行法第四十八条第二項 、第五十三条及び第五十四条の規定は、前項の処分禁止の仮処分の執行について準用する。
この二つの法律のどちらを優先すべきかという判断のようです。建物の区分所有等に関する法律は民事保全法に比べて特殊なものを対象としていますので、特別法というべきでしょう。となると、建物の区分所有等に関する法律が優先されるべきとなります。
この一連の裁判で高裁がなぜ民事保全法が優先されたのか、正直分かりません。
相変わらず第二小法廷は、自己満足の文章を書きますね。一見すると何が何だかよく分かりません。
第二小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信
裁判官 千葉勝美
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸