最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

自衛隊のパレードに反対する集会の市役所庭の使用拒否は違憲ではない

2017-08-08 14:21:52 | 日記
今回は上告が退けられた判断なので、最高裁のHPには出ていません。
支援者?主催者?と思われる団体のHPにも高裁までの判決文は出ていません。

NHKの報道によると以下のような状態です。

金沢市役所広場使用めぐる違憲訴訟 原告敗訴が確定
3年前、金沢市で行われた自衛隊のパレードに反対する集会を開こうとした市民グループなどが、金沢市から市役所前の広場の使用を認められなかったのは憲法に違反すると訴えた裁判で、最高裁判所は上告を退ける決定を出し、原告側の敗訴が確定しました。
3年前、金沢市で陸上自衛隊金沢駐屯地の部隊が結成60周年を迎えたのを記念して、自衛隊員や装甲車などが行進するパレードが行われました。
これに反対していた市民グループなどは、パレードの5日前に市役所前の広場で集会を開こうとしましたが、金沢市が許可しなかったため「集会の自由を保障した憲法に違反する」として賠償を求める裁判を起こしました。
1審の金沢地方裁判所と2審の名古屋高等裁判所金沢支部は、「広場は市役所の一部で、公の表現活動の場として提供されてきたとは評価できない。集会が開かれれば市の中立性が疑われ、業務に支障が出るおそれがある」などとして、原告の訴えを退ける判決を言い渡しました。
これに対して、市民グループなどが上告していましたが、最高裁判所第1小法廷の木澤克之裁判長は、7日までに上告を退ける決定を出し、原告側の敗訴が確定しました。


これですべてを判断するのはかなり至難の業ですが、右側も左側も議論のすり替えをやろうと躍起のようです。争われた論点は、あくまでも市役所の庭で集会を開くことの是非であり、表現の自由云々は関係ないでしょう。実際、道路で行われているデモ行進は禁止されているわけではないですから。
それにしても左側のごね方は異常ですね。

第1小法廷
木澤克之裁判長
池上 政幸
大谷 直人
小池 裕
山口厚

トンデモ:正当防衛ではなく過剰防衛とされたケース

2017-08-07 08:26:43 | 日記
平成28年(あ)第307号 殺人,器物損壊被告事件
平成29年4月26日 第二小法廷決定

行為者が侵害を予期した上で対抗行為に及んだ場合,侵害の急迫性の要件については,対抗行為に先行する事情を含めた行為全般の状況に照らして検討すべきであり,事案に応じ,行為者と相手方との従前の関係,予期された侵害の内容,侵害の予期の程度,侵害回避の容易性,侵害場所に出向く必要性,侵害場所にとどまる相当性,対抗行為の準備の状況(特に,凶器の準備の有無や準備した凶器の性状等),実際の侵害行為の内容と予期された侵害との異同,行為者が侵害に臨んだ状況及びその際の意思内容等を考慮し,緊急状況の下で公的機関による法的保護を求めることが期待できないときに私人による対抗行為を許容した刑法36条の趣旨に照らし許容されるものとはいえない場合には,侵害の急迫性の要件を充たさないものというべきである。


これがニュースになっていないのは非常に残念です。
概要を見ましょう。
1 被告人は,知人であるA(当時40歳)から,平成26年6月2日午後4 時30分頃,不在中の自宅(マンション6階)の玄関扉を消火器で何度もたたか れ,その頃から同月3日午前3時頃までの間,十数回にわたり電話で,「今から行ったるから待っとけ。けじめとったるから。」と怒鳴られたり,仲間と共に攻撃を加えると言われたりするなど,身に覚えのない因縁を付けられ,立腹していた。
2  被告人は,自宅にいたところ,同日午前4時2分頃,Aから,マンション の前に来ているから降りて来るようにと電話で呼び出されて,自宅にあった包丁(刃体の長さ約13.8cm)にタオルを巻き,それをズボンの腰部右後ろに差し 挟んで,自宅マンション前の路上に赴いた。
3 被告人を見付けたAがハンマーを持って被告人の方に駆け寄って来たが, 被告人は,Aに包丁を示すなどの威嚇的行動を取ることなく,歩いてAに近づき, ハンマーで殴りかかって来たAの攻撃を,腕を出し腰を引くなどして防ぎながら, 包丁を取り出すと,殺意をもって,Aの左側胸部を包丁で1回強く突き刺して殺害 した。

実にひどい話じゃないですか。何があったかは分かりませんが、消火器で何度も殴られたというのは、Aに殺意があったとみていいレベルです。しかも、未明の4時に電話をかけてきて「けじめを取ってやる(要するに殺すぞを意味している)」と言ってきたのであれば、防衛策をとるのは当然です。
しかもAはハンマーで殴りかかったというのも、Aに殺意があるとしか言いようがありません。
となれば、防衛策で包丁で刺すのは一方的な殺人と扱うのはいかがなものでしょうか。

過去の判例を引用して述べます。
行為者が侵害を予期した上で対抗行 為に及んだ場合,侵害の急迫性の要件については,侵害を予期していたことから, 直ちにこれが失われると解すべきではなく(最高裁昭和45年(あ)第2563号 同46年11月16日第三小法廷判決・刑集25巻8号996頁参照),対抗行為 に先行する事情を含めた行為全般の状況に照らして検討すべきである。具体的に は,事案に応じ,行為者と相手方との従前の関係,予期された侵害の内容,侵害の 予期の程度,侵害回避の容易性,侵害場所に出向く必要性,侵害場所にとどまる相 当性,対抗行為の準備の状況(特に,凶器の準備の有無や準備した凶器の性状 等),実際の侵害行為の内容と予期された侵害との異同,行為者が侵害に臨んだ状 況及びその際の意思内容等を考慮し,行為者がその機会を利用し積極的に相手方に 対して加害行為をする意思で侵害に臨んだとき(最高裁昭和51年(あ)第671 号同52年7月21日第一小法廷決定・刑集31巻4号747頁参照)など,前記 のような刑法36条の趣旨に照らし許容されるものとはいえない場合には,侵害の 急迫性の要件を充たさないものというべきである。

この判例からして異常すぎます。

その上で、
被告人は,Aの呼出しに応じて現場に赴けば,Aから凶器を用いるなどした暴行を加えられることを十分予期していながら,Aの呼出 しに応じる必要がなく,自宅にとどまって警察の援助を受けることが容易であった にもかかわらず,包丁を準備した上,Aの待つ場所に出向き,Aがハンマーで攻撃 してくるや,包丁を示すなどの威嚇的行動を取ることもしないままAに近づき,A の左側胸部を強く刺突したものと認められる。

手ぶらで立ち向かえと?警察に連絡して保護を依頼すべきだと?バカも休み休み言えと思うレベルです。来なければ家に押しかけてくる、家族や知人を守るとなればこうならざるを得ないでしょう。

警察が全てこんな事例に対応しますか?喧嘩扱いで、チャリンコでのんびり来るのが関の山です。たとえ、傷害罪で逮捕してもらってもいつ来るか分からない狂った人間ニ付か問われる恐怖に耐えろとでも?これは諸外国であれば、少なくともアメリカでは正当性の認められる殺人になります。法治国家と言っても、事件が起こった後の処理は法に従うに過ぎないのです。自分の身を守るのにこんなに手枷足枷はおかしいでしょう。
過去の判例に忠実に従うのが仕事とはいえ、思考停止の典型例です

第二小法廷決定
裁判長裁判官 菅野博之  トンデモ
裁判官 小貫芳信  トンデモ
裁判官 鬼丸かおる  トンデモ
裁判官 山本庸幸 トンデモ

特別老齢年金はあくまでも救済策とした判決

2017-08-06 07:16:10 | 日記
平成28(行ヒ)14  特別支給の老齢厚生年金決定取消請求事件
平成29年4月21日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  東京高等裁判所


厚生年金保険法附則8条の規定による老齢厚生年金について厚生年金保険法(平成24年法律第63号による改正前のもの)43条3項の規定による年金の額の改定がされるためには,被保険者である当該年金の受給権者が,その被保険者の資格を喪失し,かつ,被保険者となることなくして被保険者の資格を喪失した日から起算して1月を経過した時点においても,当該年金の受給権者であることを要する。

あまり趣味ではありませんが日本共産党のHPで概要が出ています。ニュースサイトでは扱っていないようです。


さて概要です。
1 ある人が定年直前に11年間勤めた会社を辞めました。それから1か月後に65歳になりました。それまで保険料は支払っていたようです。
2 この人は、老齢年金の請求を行いましたが、支払い要件が整わないとのことで払って貰えませんでした。厚生労働大臣は,平成23年10月6日付けで,被上告人に対し,厚生年 金保険の被保険者の資格を喪失したことを理由として,特別支給の老齢厚生年金の 支給停止を解除し,同年9月分の特別支給の老齢厚生年金につき退職改定がされな いことを前提として,上記(1)の被保険者期間を計算の基礎とする額の年金を支給 する旨の決定(以下「本件処分」という。)をした。
3 それを不服として、裁判所に行政訴訟を起こしました。

まず、老齢年金はどんなものか、日本年金機構のHPでは以下の通りです。

60歳以上で、(1)老齢基礎年金を受けるのに必要な資格期間を満たしていること、(2)厚生年金の被保険者期間が1年以上あることにより受給資格を満たしている方には、65歳になるまで、特別支給の老齢厚生年金が支給されます。
特別支給の老齢年金は、昭和60年の法律改正により、厚生年金保険の支給開始年齢が60才から65才に引き上げられました。支給開始年齢を段階的に、スムーズに引き上げるために設けられたのが「特別支給の老齢厚生年金」の制度です。


まあ、この特別支給の老齢年金は救済策ですよね。裁判所も同じような趣旨を述べています。

特別支給の老齢厚生年金について退職改定がされるためには, 被保険者である当該年金の受給権者が,その被保険者の資格を喪失し,かつ,被保 険者となることなくして待期期間を経過した時点においても,当該年金の受給権者 であることを要すると解するのが相当である。
厚生年金保険の被保険者の資格を喪失した後,同年9月17日 に65歳に達しており,同月30日を経過した時点では特別支給の老齢厚生年金の 受給権者でなかったというのであるから,同月分の当該年金の額については退職改定がされるものでないことは明らかである。


被上告人は、早く年金暮らしをしたかったのでしょうけど、勇み足でしたねとしか言いようがありません。年金を全くもらえないわけではなく、あくまでも特別支給厚生年金としての名目で支払われないだけなので、そこでもめる必要があったのか、私には良く分かりません。
少なくとも最高裁の主張は筋が通っているように見えます。

第二小法廷判決
裁判長裁判官 山本庸幸
裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 菅野博之

結婚詐欺の上3人殺害で死刑は重いか?

2017-08-03 09:40:32 | 日記
平成26(あ)639  詐欺,詐欺未遂,窃盗,殺人被告事件
平成29年4月14日  最高裁判所第二小法廷  判決  棄却  東京高等裁判所

朝日新聞の記事が分かり易いので引用します。

 2009年に首都圏で起きた男性3人の連続不審死事件で、殺人などの罪に問われ、一、二審で死刑判決を受けた木嶋(現姓・土井)佳苗被告(42)の上告審で、最高裁第二小法廷(小貫芳信裁判長)は判決期日を4月14日に指定した。
 一、二審判決によると、木嶋被告は09年1~8月、東京、千葉、埼玉の3都県で、男性3人を睡眠薬などで眠らせたうえで練炭を燃やし、一酸化炭素中毒などで殺害したとされる。木嶋被告側は殺人については一貫して無罪を主張している。


事件の内容があまりにも特異なので、いくつかのまとめサイトに掲載されているので、リンクをとりあえず貼っておきます。


木嶋佳苗が獄中結婚した旦那は誰?現在の拘置所生活と画像は?週1で面会!
首都圏連続不審死事件・木嶋佳苗死刑囚の「ある決意」の行方

裁判所は
弁護人鈴木敏彦,同中島健の上告趣意は,判例違反をいう点を含め,実質は事実 誤認の主張であり,弁護人樋口明巳の上告趣意は,判例違反をいう点を含め,実質 は単なる法令違反,事実誤認の主張であって,いずれも刑訴法405条の上告理由 に当たらない。

と言ってるように、ここでは事実認定を改めて行っていないので、検察が主張した内容がそのまま認められたようですね。
となると、3人殺して死刑は厳しいか否かの判断だけになります。
永山基準から言っても、3人殺しているので、死刑は当然になるでしょう。

第二小法廷
裁判長裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸
裁判官 菅野博之

12日(土)が免許有効期限でも14日(月)まで有効とした判決

2017-08-02 06:39:05 | 日記
平成28(さ)2  道路交通法違反被告事件に係る略式命令に対する非常上告事件
平成29年4月7日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  大阪簡易裁判所

反則行為に当たる通行禁止場所通行を犯した被告人に対し運転免許が失効しているものと誤認してされた略式命令に対する非常上告

裁判所の事実認定から見ていきましょう。
1 平成28年3月14日午後2時44分頃、午後2時から午後4時までの間車両(自転車を除く)の通行を禁 止の標識を見落として入ってしまいました。
2 簡易裁判所で、被告人を罰金5000円に処する旨の略式命令を発付 し,同略式命令は同年5月3日確定しました。
3 ところが、当該行為の日である平成28年3月14日,被告人の 運転免許証の有効期間は既に経過していました。
確かこの場合は無免許運転になるような気がします。となると、最高裁まで争いたくなる気持ちも分からないでもないです。
これに対して裁判所は、

「反則行為」に該当するが,当該行為の日である平成28年3月14日,被告人の 運転免許証の有効期間は既に経過しており,道路交通法92条の2第1項に よる被告人の運転免許証の有効期間の末日である同月12日は土曜日であり,同条 4項,同法施行令33条の8第1号によって同月14日が運転免許証の有効期間の 末日とみなされるから,同日現在,被告人の運転免許証は有効であったことにな る。道路交通法130条により,同法127条の通 告をし,同法128条1項の納付期間が経過した後でなければ公訴を提起すること ができないのに,大阪区検察庁検察官事務取扱検察事務官が上記の反則行為に関す る処理手続を経由しないまま公訴を提起したのであるから,大阪簡易裁判所として は,刑訴法463条1項,338条4号により公訴棄却の判決をすべきであったに もかかわらず,公訴事実どおり前記事実につき有罪を認定して略式命令を発付した ものであって,原略式命令は,法令に違反し,かつ,被告人のために不利益である ことが明らかである。

ということで検察側の勇み足であると、全員一致で裁判所は結論付けました。
初日を換算するか否かについては民法上の規定はありますが、満了日についてはないようです。
とはいえ、14日は月曜で事件が発生したのは14時44分ですよね。午前中に充分免許更新に行けたのではないでしょうか。11日までに講習に行けばいいものを、特段の事情もなく14日の午前中でも行ってないのです。何だか、この違反者を甘やかしているように思えるのですが。テキトーな判決に見えるのは私だけでしょうか。

第二小法廷判決
裁判長裁判官 山本庸幸 疑問
裁判官 小貫芳信 疑問
裁判官 鬼丸かおる 疑問
裁判官 菅野博之 疑問