最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

時効延長前の刑事事件どの基準で裁く?

2015-12-31 09:00:52 | 日記
平成26年(あ)第749号 強盗殺人被告事件
平成27年12月3日 第一小法廷判決

平成9年4月13日に行われた強盗殺人がありました。殺人に関しては、平成16年に公訴の時効がなくなりました。以前であれば、15年で時効になるのですが、それを過ぎた平成25年2月22日に起訴されました。
これを不服として、裁判は無効として訴えたものです。

これは事実認定が争われたと言ってよいようです。原告(犯人)は、強盗はやったが殺すつもりはなかったと主張したようです。だから、殺したという自覚はなく、強盗致傷の部分で裁かれるべきだと主張したようです。そうすれば、15年で時効になりますから。
一方検察側は、人が殺されたことは事実であるので、これは強盗殺人で裁かれるべきであると主張しました。強盗殺人だと25年で時効ですから、問題ないと主張しているのです。

そこで、裁判では以下のように理由を述べています。
刑訴法を改正して公訴時効を廃止又は公訴時効期間を延長した本法の適用範囲に関する経過措置として,平成16年改正法附則3条2項の規定にかかわらず,同法施行前に犯した人を死亡させた罪であって禁錮以上の刑に当たるもので,本法施行の際その公訴時効が完成していないものについて,本法による改正後の刑訴法250条1項を適用するとした本法附則3条2項は,憲法39条,31条に違反せず,それらの趣旨に反するとも認められない。

刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律
によると「新法第二百五十条第一項の規定は、刑法等の一部を改正する法律(平成十六年法律第百五十六号)附則第三条第二項の規定にかかわらず、同法の施行前に犯した人を死亡させた罪であって禁錮こ以上の刑に当たるもので、この法律の施行の際その公訴の時効が完成していないものについても、適用する。」と明記してあります。
近代法では罪刑法定主義に基づいていますので、この法律が在ろうがなかろうが時効は成立すると主張したかったのでしょうか。

犯罪の規定そのものについては、罪刑法定主義が徹底されるべきですが、時効の期限についても同じように扱うべきとする原告の主張は若干無理があるように思えます。とは言え、国会で刑法及び刑事訴訟法の一部を改正する法律が審議され承認されている以上、原告の主張は無効であるとすべきでしょう。
裁判官全員一致の意見で、主文のとおり判決になりました。

今回の裁判官
第一小法廷
裁判長裁判官 櫻井龍子
裁判官 山浦善樹
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕

これって、明確な条文があるような裁判ですらこうやって掲載されるのに、掲載されない裁判がかなりあるのはどうしてなのでしょうか。例えば、安保法制に関する裁判等もっと重要な裁判があるはずです。

依頼人から預かった犯行ビデオを提出拒否できるか

2015-12-27 16:02:01 | 日記
平成27年(し)第556号提出命令に対する抗告棄却決定に対する特別抗告事件
平成27年11月19日 第三小法廷決定

弁護人が被告から預かった犯行ビデオについて、警察に対して任意で提出し返還を受けました。その提出されたビデオのコピーを主任弁護士同意のもとで証拠として裁判で取り上げられました。
被害者うち数人に関するものは,主任弁護人が検察官への証拠開示を経て証拠請求しましたが,機器の制約から法廷で再生できないとの理由で,その請求を撤回したものの,検察官から,その複製DVDが,捜査報告書に添付されて証拠請求され,主任弁護人の同意の意見を受け,取り調べられました。
この辺何が裏事情であったのか分かりません。危機の制約といっても元データがおかしくなっていない限り、こんなのいくらでも再生できるんですけどね。
被告は、そのビデオの所有権があるから出したくない、中のデータも消したくないとごねて差し押さえに同意しませんでした。その理由として、複製されきれなかった部分(重要な会話があったとしているようです)があるので、それは弁護士の守秘義務の秘密になるので出せないという理由でした。

これに対して、裁判所は既に警察に任意提出した段階で全てコピーが取られているはずなので、その中に刑訴法105条の「秘密に相当する」物はないというものでした。
至極まともな判決です。

第三小法廷決定
裁判長裁判官 山崎敏充
裁判官 岡部喜代子
裁判官 大谷剛彦
裁判官 大橋正春
裁判官 木内道祥


普通弁護士なら、心証を悪くしないようにするためにも被告を説得して所有権放棄を勧めると思うんですけどね。一度任意で提出しているし、この弁護士は何を守りたかったのでしょうか。ようわかりませんが。
しかし場合によっては、懲戒請求の対象になりそうな案件です。

再婚禁止期間で男女に違いがあるのは違憲か

2015-12-23 10:34:36 | 日記
平成25(オ)1079  損害賠償請求事件
平成27年12月16日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  広島高等裁判所  岡山支部

これも先日このブログで書いた裁判と一連のものです。
離婚しました。男は離婚が成立すればすぐに再婚できるのに、女性は100日期間再婚禁止期間があるのは、憲法に定めた男女平等の原則に反するというものです。これは、政治家が法改正してこなかったことなので、国会議員の不作為を理由に慰謝料を請求しています。

この原告側は、「(1) 本件規定は,道徳的な理由に基づいて寡婦に対し一定の服喪を強制するという不当な趣旨を含むものである。」(判決文2ページ)で訴えています。フェミニズムが言いそうな感じがしますね。そんな規定はどこに書いてあるのか、不思議です。

次に「(2) また,民法772条は,婚姻の成立の日から200日を経過した後又は婚姻の解消等の日から300日以内に生まれた子を当該婚姻に係る夫の子と推定していることから,前婚の解消等の日から300日以内で,かつ,後婚の成立から200日の経過後に子が生まれる事態を避ければ父性の推定の重複を回避することができる。そのためには,100日の再婚禁止期間を設ければ足りるから,少なくとも,本件規定のうち100日を超えて再婚禁止期間を設ける部分(以下「100日超過部分」という。)は,女性に対し婚姻の自由の過剰な制約を課すものであり,合理性がない。」(判決文2ページ)
この論点は、現在の技術の状況に照らし合わせれば、妥当な要求でしょう。


この裁判について、裁判官は(1)の論点はスルーのようです。まあ、当然でしょう。
(2)の論点について「本件規定は憲法14条1項に違反することになると解するのが相当である。」としています。
つづいて、科学的に父親と子の血縁関係を明らかに出来るようになったため、再婚禁止期間を設定した根拠がなくなったとしています。なので、強制的に推定する期間を用意する必要がなくなったと述べます。
実にごもっとも。

最後に、国会議員の法改正に関する不作為については、以下のように述べています。
平成7年には,当裁判所第三小法廷が,再婚禁止期間を廃止し又は短縮しない国会の立法不作為が国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受けるかが争われた事案において,国会が民法733条を改廃しなかったことにつき直ちにその立法不作為が違法となる例外的な場合に当たると解する余地のないことは明らかであるとの判断を示していた(平成7年判決)。これを受けた国会議員としては,平成7年判決が同条を違憲とは判示していないことから,本件規定を改廃するか否かについては,平成7年の時点においても,基本的に立法政策に委ねるのが相当であるとする司法判断が示されたと受け止めたとしてもやむを得ないということができる。

平成7年の判決で問題があると明確になったが、基本的には立法府=国会によって判断しなさいと言う結論になった。しかし、国会はこれを直ちに変えるべき程重要な問題とはみなさなかった。国会でそれは認識しているので不作為ではない。

次に、憲法上まだ争う余地があったので、国会も判断がつかない状態にあった。
100日超過部分が憲法14条1項及び24条2項に違反するものとなっていたことが,国会にとって明白であったということは困難である。

以上の事から、不作為ではないので国家賠償の対象とはならないとしました。実にこれも明確です。
ということから、今回の裁判は当然の結論と言えるでしょう。

ただ、裁判官櫻井龍子,同千葉勝美,同大谷剛彦,同小貫芳信,同山本庸幸,同大谷直人の補足意見,裁判官千葉勝美,同木内道祥の各補足意見,裁判官鬼丸かおるは意見書を出しています。

裁判官櫻井龍子,同千葉勝美,同大谷剛彦,同小貫芳信,同山本庸幸,同大谷直人の補足意見によれば、「女性が再婚をすることが禁止されない場合を認める余地が少なくないのではないかと考えており」として、「父性の推定の重複を
回避することにあることからすれば,民法733条2項は,上記の場合以外であっても,およそ父性の推定の重複を回避する必要がない場合には同条1項の規定の適用除外を認めることを許容しているものと解するのが相当」
としています。
ちょっと待ってくださいよ。DNA鑑定によってそれは可能ですよね。またここで繰り返します?

最高裁の裁判官たちには想像がつかないかもしれませんが、同時複数の男性と浮気をする女性なんてそこいら辺にいますよ。この意見が何の意味も持たない事が想像もつかないんでしょうね。

裁判官鬼丸かおるは、外国ではどんどん再婚禁止期間がなくなっている状況を見れば、国会で何ら審議されなかったことは不作為であり国家賠償を認めてもいいのではないか?という意見のようです。

諸外国に合わせることが素晴らしい事?私はそうは思いません。ならば、死刑廃止の傾向はどうなんでしょう。文化的背景を含め、違いがあるのは当然であり、これを論拠とするのは、「あの子はおもちゃ買ってもらったのに、うちは買ってもらえない」と駄々をこねるのと論拠が変わらないように思えます。


今回の裁判官

裁判長裁判官 寺田逸郎
裁判官 櫻井龍子 ずれている
裁判官 千葉勝美 ずれている
裁判官 岡部喜代子
裁判官 大谷剛彦 ずれている
裁判官 大橋正春
裁判官 山浦善樹
裁判官 小貫芳信 ずれている
裁判官 鬼丸かおる ややずれている
裁判官 木内道祥 ずれている
裁判官 山本庸幸 ずれている
裁判官 山崎敏充
裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人 ずれている
裁判官 小池 裕

個人的には3か月間ぐらい我慢できないの?という感想です。男女ともに最低でも3か月ぐらい冷却期間を置きなさいよ。

婚姻時に苗字を統一することは違憲か?

2015-12-17 10:13:58 | 日記
平成26(オ)1023  損害賠償請求事件
平成27年12月16日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  東京高等裁判所

結婚すると夫婦は、夫または妻の苗字に統一する事が民法上求められています。これは、働く女性にとっては苗字を変えさせられることは、仕事上不利になるとして男女平等原則に反するとして慰謝料を請求した事件です。

慰謝料云々は本気で慰謝料をよこせと言うのではなく、これで無いと裁判を提起できないので慰謝料を形だけ請求したのかと思います。ネットではここに噛みついている人がいるようですが、あくまでも制度上の問題なので。
メインの論点は、夫または妻の姓に合わせることは、は憲法13条,14条1項,24条1項及び2項等に違反すると主張しています。
13条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする
いわゆる幸福追求権ですね。

第14条1項  すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。
差別の禁止ですね。

第24条  婚姻は、両性の合意のみに基いて成立し、夫婦が同等の権利を有することを基本として、相互の協力により、維持されなければならない。
○2  配偶者の選択、財産権、相続、住居の選定、離婚並びに婚姻及び家族に関するその他の事項に関しては、法律は、個人の尊厳と両性の本質的平等に立脚して、制定されなければならない。
男女平等権になります。

これらについて。名前は人格権を持っているので蔑にしてはいけないと言いつつ、以下のように加えています。
氏は,婚姻及び家族に関する法制度の一部として法律がその具体的な内容を規律しているものであるから,氏に関する上記人格権の内容も,憲法上一義的に捉えられるべきものではなく,憲法の趣旨を踏まえつつ定められる法制度をまって初めて具体的に捉えられるものである。


そして、さらに自らの意思に関わりなく氏を改めることが強制されるというものではない。とも明言しています。これは当然であり、実際に妻の苗字を名乗ることはありますし、私も見聞きしています。明治生まれの私の祖父がそうでした。戦後に変更しています。したがって、夫の姓に強制的に変更を基蹴られているわけではないので、13条、14条1項、24条違反に当たらないのは当然でしょう。判決文でもっと丁寧に説明しているので、興味のある方は読んでみてください。
基本的に全員一致で、憲法違反ではないと述べています。
ただ、裁判官山浦善樹は反対意見を述べています。
その理由として(1) 社会構造の変化を上げています。
岡部裁判官の意見にもあるように,戦後,女性の社会進出は顕著となり,婚姻前に稼働する女性が増加したばかりではなく,婚姻後に稼働する女性も増加した。晩婚化も進み,氏を改めることにより生ずる,婚姻前の氏を使用する中で形成されてきた他人から識別し特定される機能が阻害される不利益や,個人の信用,評価,名誉感情等にも影響が及ぶといった不利益は,極めて大きなものとなってきた。

確かにそういう部分はあります。例えば、弁護士の懲戒のデータベースや医師国家試験のデータベースを検索するときは、旧姓で載っていることがあり、本人かどうか調べることが難しいものがあります。ですが、これはデータベースを改造すれば済むだけの話ではないでしょうか。
さらに国内の立法の動きや、海外での話を上げています。
しかし、これも問題があります。既に在日外国人には通名が認められています。日本人に対しても認められています。仕事上、旧姓を使い続けることに何ら問題はない訳です。
また事実婚(私はこの考え方には反対ですが)が制度上認められており、何ら不便はないはずです。
従って、山浦善樹裁判官は少々ずれている感があります
更に付帯意見として、裁判官寺田逸郎の補足意見,裁判官櫻井龍子,同岡部喜代子,同鬼丸かおる,同木内道祥が述べていますが、本事件が問われているのはあくまでも現行法で民法の規定が憲法違反であるかどうかを判断するだけであり、性同一性障害の話が出てきたり、正直カオス状態になっています。
死んだときに墓の問題とかそういうのは予防措置の問題が出てくることは想像に難くはないのは分かりますが、これは政治が解決する話であり、付帯意見をつけて議論しなければならない問題ではないでしょう。何か勘違いしていませんか?という雰囲気です。

なお、個人的には別姓でも選択制でも構わないとは思っています。

今回の裁判官
大法廷
裁判長裁判官 寺田逸郎 ずれている
裁判官 櫻井龍子 ずれている
裁判官 千葉勝美
裁判官 岡部喜代子 ずれている
裁判官 大谷剛彦
裁判官 大橋正春
裁判官 山浦善樹 ずれている
裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる ずれている
裁判官 木内道祥 ずれている
裁判官 山本庸幸
裁判官 山崎敏充
裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕

赤で斜線を引いた遺言は有効か?

2015-12-15 17:32:52 | 日記
平成26(受)1458  遺言無効確認請求事件
平成27年11月20日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄自判  広島高等裁判所

遺産分割とは実に厄介です。他人から見て経済的に同等と見えても、当人同士はあっちがいいこっちがいいと言い出すもの。所得が低い人ほどその傾向にあるようです。
さて、今回の事件は遺言状に斜線が引かれたものが見つかりました。本件遺言書には,その文面全体の左上から右下にかけて赤色のボールペンで1本の斜線(以下「本件斜線」という。)が引かれていた。本件斜線は,Aが故意に引いたものである。この遺言状は有効か無効かという問題です。

民法1024条前段により遺言を撤回したものとみなされるそうです。

民法第1024条(遺言書又は遺贈の目的物の破棄)
遺言者が故意に遺言書を破棄したときは、その破棄した部分については、遺言を撤回したものとみなす。遺言者が故意に遺贈の目的物を破棄したときも、同様とする。

更に、それが遺言書中の加除その他の変更に当たる場合には,968条2項所定の厳格な方式を遵守したときに限って変更としての効力を認める一方で,それが遺言書の破棄に当たる場合には,遺言者がそれを故意に行ったときにその破棄した部分について遺言を撤回したものとみなすこととしている(1024条前段)。

968条2項
自筆証書中の加除その他の変更は、遺言者が、その場所を指示し、これを変更した旨を付記して特にこれに署名し、かつ、その変更の場所に印を押さなければ、その効力を生じない。

この規定があるのでは仕方ないですね。全員一致で原審破棄となりました。

判決は、以上によれば,本件遺言書に故意に本件斜線を引く行為は,民法1024条前段所定の「故意に遺言書を破棄したとき」に該当するというべきであり,これによりAは本件遺言を撤回したものとみなされることになる。したがって,本件遺言は,効力を有しない。

最高裁判所第二小法廷
裁判長裁判官 千葉勝美
裁判官 小貫芳信
裁判官 鬼丸かおる
裁判官 山本庸幸

連帯保証人の主債務者への債権の時効について

2015-12-14 08:52:38 | 日記
平成25年(受)第2001号 求償金等請求事件
平成27年11月19日 第一小法廷判決

ある人がAさんを連帯保証人にして、B銀行から借金をしました。この人は払えず、Aさんが代わりに払うことになりました。
しかし、納得いかないAさんはこの借金をした人に借金の肩代わり分を払えと請求したところ、もう時効が成立しているから払わないと訴えた事件です。


ここでの争点は、時効は成立しているか否かです。訴えた側は、民法457条1項の類推適用により,共同保証人間の求償権についても消滅時効の中断の効力が生ずると解すべきと主張しました。民法457条には、「主たる債務者に対する履行の請求その他の事由による時効の中断は、保証人に対しても、その効力を生ずる」とあります。これだけを読むと訴えはだとのように思えます。
これについて、裁判官は

民法465条に規定する共同保証人間の求償権は,主たる債務者の資力が不十分な場合に,弁済をした保証人のみが損失を負担しなければならないとすると共同保証人間の公平に反することから,共同保証人間の負担を最終的に調整するためのものであり,保証人が主たる債務者に対して取得した求償権を担保するためのものではないと解される。


第四百六十五条  第四百四十二条から第四百四十四条までの規定は、数人の保証人がある場合において、そのうちの一人の保証人が、主たる債務が不可分であるため又は各保証人が全額を弁済すべき旨の特約があるため、その全額又は自己の負担部分を超える額を弁済したときについて準用する。

とあることから、裁判官全員一致で

保証人が主たる債務者に対して取得した求償権の消滅時効の中断事由がある場合であっても,共同保証人間の求償権について消滅時効の中断の効力は生じないものと解するのが相当である。

これは当然でしょう。
仮にこういう規定がなくても、保証人になってくれた人に迷惑をかけているわけですから、喩え時効があったとしても金は返すのが人として当然なのではないかという気がします。

今回の裁判官
第一小法廷判決
裁判長裁判官 山浦善樹
裁判官 櫻井龍子
裁判官 池上政幸
裁判官 大谷直人
裁判官 小池 裕

平成26年12月14日に施行された衆議院議員総選挙無効の訴え

2015-12-11 18:39:35 | 日記
平成27年(行ツ)第254号 選挙無効請求事件
平成27年11月19日 第一小法廷判決

昨年の今頃の衆議院選挙ですが、一票の格差が大きすぎるとして訴えた事件です。

J-CASTの解説は以下の通りです。
「1票の格差」が最大2.13倍になった2014年12月の衆院選小選挙区は違憲だとして、弁護士グループが選挙無効を求めた17件の訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷は2015年11月25日、この選挙は「違憲状態」とする判断を示した。一方で、選挙無効の請求は退けた。
小選挙区制導入後、最高裁が「違憲状態」と判断したのは、2009年、2012年の衆院選に続き3回連続となる。


もう3回目なんですね。1回目の判決のときも裁判所は政治に口を出すべきではないと思っていましたが、ダメ押しで3回も同じような判決を出しています。
私は中学校で、三権分立として司法、立法、行政は、日本国憲法によって、三つの独立した機関が相互に抑制し合い、バランスを保つことにより、権力の濫用を防ぎ、国民の権利と自由を保障する「三権分立」の原則を定めていると習いました。
今回の裁判は、東京に住んでいる人が地方の人たちよりも選挙権で差別されているという論拠で行われています。
これは抑制の範囲なのでしょうか?
私はそう思いません。暗に適正な範囲とされる倍率を司法が立法に指示してます。
これでは、都内の選挙区の人ばかりが議員になり、地方議員は少なくなります。議員は票を獲得するために選挙区に利益誘導を行っているのは、残念ながら現実の事です。都内にますます利益誘導が進み、地方の観点からの政策がおざなりになります。これは国家にとっていいことか?そうではないでしょう。
裁判官は単純に1票の格差だけで判断すべきではない問題です。
敢えて言えば政治家が国家100年の計を考えなさすぎに問題があるのですが、そこは裁判官が口を出すべきところではないでしょう。


今回の裁判官
第一小法廷判決
裁判長裁判官 小池 裕 ずれている
裁判官 櫻井龍子 ずれている
裁判官 山浦善樹 ずれている
裁判官 池上政幸 ずれている
裁判官 大谷直人 ずれている