最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

事例とありますが、違いが分からない判決:優生保護法

2024-07-29 20:31:20 | 日記
令和4(受)1411  国家賠償請求事件
令和6年7月3日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  東京高等裁判所
 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

令和5(オ)1341  国家賠償請求事件
令和6年7月3日  最高裁判所大法廷  判決  破棄差戻  仙台高等裁判所
 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

令和5(受)1323  国家賠償請求事件
令和6年7月3日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  札幌高等裁判所
 民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

基本的にこれと全部一緒です。
訳わからん判決 優生保護法の国家賠償の根拠 事件が重大だから
わざわざここに掲示する理由が分かりません。

訳わからん判決 優生保護法の国家賠償の根拠 事件が重大だから

2024-07-28 22:36:10 | 日記
令和4(受)1050  損害賠償請求事件
令和6年7月3日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  大阪高等裁判所
民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例

釈然としない 優性保護法判決1 事実認定 - 最高裁判所裁判官の暴走を許さない
と事実認定は同じなので、ここでは取り上げません。

訴えの内容は以下の通りです。
令和5(受)1319国家賠償請求事件令和6年7月3日最高裁判所大法廷判決棄却大阪高等裁判所 1優生保護法中のいわゆる優生規定(同法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項)は、憲法13条及び14条1項に違反する2上記優生規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける3不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる4同条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた。

優生保護法はすでに廃止されているので、そこだけ見ていきます。

ア 優生保護法は、昭和23年6月28日に成立し、同年7月13日に公布され、同年9月11日に施行された法律である。制定時の優生保護法1条は、この法律は、優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする旨を定め、同法2条1項は、この法律で優生手術とは、生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術で命令をもって定めるものをいう旨を定めていた。・・・
①本人又は配偶者が遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格、遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有しているもの(1号)、
②本人又は配偶者の4親等以内の血族関係にある者が遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神変質症、遺伝性病的性格、遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有し、かつ子孫にこれが遺伝するおそれのあるもの(2号)、
③本人又は配偶者がらい疾患にかかり、かつ子孫にこれが伝染するおそれのあるもの(3号)等

イ 上記改正後の優生保護法13条2項は、優生手術を行うことが適当である旨の都道府県優生保護審査会の決定があったときは、医師は、優生手術を行うことができる旨を定めていた。


義務じゃないんですよ。申請して、県単位の委員会で認定されたうえでの話です。

ウ 昭和28年次官通知には、審査を要件とする優生手術について、本人の意見に反しても行うことができるものである旨、この場合に許される強制の方法は、手術に当たって必要な最小限度のものでなければならないので、なるべく有形力の行使は慎まなければならないが、それぞれの具体的な場合に応じては、真にやむを得ない限度において身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えない旨等が記載されていた。

本人の意思確認は必要なく意に反しても行えることになっていました。

(3)ア 昭和▲年生まれの女性であり、昭和▲年に日本脳炎にり患し、その後遺症として知的障害を有するようになった。被上告人X1は、昭和40年又は昭和41年に不妊手術を受けた。同不妊手術は、優生保護法13条2項の規定(昭和27年改正法による改正後のもの)に基づいて行われたものであった。

イ 被上告人X2は、昭和▲年生まれの男性であり、3歳の時に発熱のために聴力を失った。被上告人X3は、昭和▲年生まれの女性であり、出生時から両耳が聞こえなかった。被上告人X2及び同X3は、昭和▲年▲月に婚姻の届出をした。被上告人X3は、昭和48年に妊娠し、昭和49年5月に帝王切開手術により子を出産したが、当該子はその翌日に死亡した。被上告人X3は、上記帝王切開手術の際、不妊手術を受けた。同不妊手術は、優生保護法10条の規定に基づいて行われたものであった。


アはともかくとしてイは随分気楽にやりましたね。アは確かに知的障害になってしまったんで、条文通り条件に該当しますが、イは聴力障碍はこれに該当するんでしょうか。かなり勇み足な気がします。

(4)ア 平成8年4月1日、らい予防法の廃止に関する法律(同年法律第28号)が施行され、同法により優生保護法3条1項3号の規定が削除された。
イ 厚生労働省の保管する資料によれば、昭和24年以降平成8年改正までの間に本件規定に基づいて不妊手術を受けた者の数は約2万5000人であるとされている。


随分な数になりました。

(5)ア 日本弁護士連合会は、平成13年11月、日本政府は、自由権規約委員会から勧告を受けている優生保護法下の強制不妊手術の被害救済に取り組むべきであり、同法の下で強制的な不妊手術を受けた女性に対して、補償する措置を講ずべきである旨の意見を公表した。

法律家ではありますが、意見を言うのは大いに結構ですが、設立目的からすれば何の権限もないと思いますよ。それをここに書きますかねぇ。

イ 日本弁護士連合会は、平成19年12月、上記報告につき、国は、過去に発生した障害を持つ女性に対する強制不妊措置について、政府としての包括的な調査と補償を実施する計画を早急に明らかにすべきである旨の意見を公表した。・・・平成31年4月までの間、本件規定に基づいて不妊手術を受けた者に対し、補償の措置が講じられることはなかった。

そりゃ一つの意見としてであって、弁護士会は何ら法的権限はありませんから、任意で参考すべきくらいしかありません。

(6)平成30年9月28日、被上告人X1が本件訴えを提起し、平成31年1月30日、被上告人X2及び同X3が本件訴えを提起した。

なんでこんなに遅くなったのでしょうか。やるならもっと早くできたと思いますよ。少なくとも弁護士会が言い出した平成13年にはやってよかったのではないかと思います。

(7)平成31年4月24日、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(以下「一時金支給法」という。)が成立し、一部の規定を除いて施行された。

こうして一時金320万円の支給が決まりました。

3 所論は、本件請求権が改正前民法724条後段の期間の経過により消滅したとはいえないとした原審の判断には、同条後段の解釈の誤り及び判例違反があるというものである。

4 (1)改正前民法724条後段の規定は、不法行為によって発生した損害賠償請求権の除斥期間を定めたものであり、同請求権は、除斥期間の経過により法律上当然に消滅するものと解される

(2)ア 本件請求権は、本件規定に基づいて不妊手術が行われたことを理由とする被上告人らの上告人に対する国家賠償法1条1項に基づく損害賠償請求権である。しかるところ、本件規定は、憲法13条及び14条1項に違反するものであったというべきであり、本件規定の内容は、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白であったというべきであるから、本件規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項国家賠償法1条(公権力の行使に基づく賠償責任)の適用上、違法の評価を受けると解するのが相当である(前掲令和6年大法廷判決参照)。


そうなると憲法違反だから時効延長できるとも読めますが、そういう判例は引用されていませんし、それが理由だとも明確にも書いていません。

イ 国会は、立法につき裁量権を有するものではあるが、本件では、国会の立法裁量権の行使によって国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白な本件規定が設けられ、これにより多数の者が重大な被害を受けたのであるから、公務員の不法行為により損害を受けた者が国又は公共団体にその賠償を求める権利について定める憲法17条の趣旨をも踏まえれば、本件規定の問題性が認識されて平成8年に本件規定が削除された後、国会において、適切に立法裁量権を行使して速やかに補償の措置を講ずることが強く期待される状況にあったというべきである。

これはその通りですね。

ウ 以上の諸事情に照らすと、本件請求権が改正前民法724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない。したがって、被上告人らの本件請求権の行使に対して上告人が除斥期間の主張をすることは、信義則に反し、権利の濫用として許されないというべきである。

ここが分からない。重大事件だから時効延長ができる?


裁判官三浦守の意見
判例を変更すべき範囲等に関する私の意見については、最高裁令和5年(受)第1319号同6年7月3日大法廷判決における私の補足意見で述べたとおりである。裁判官草野耕一の補足意見は、次のとおりである。

これのことです。

裁判官草野耕一の各補足意見
同じく過去に述べたと。

裁判官宇賀克也の意見


3人とも過去に書いた意見と同じということですが、全員立法府への越権行為としか思えません。

裁判長裁判官 戸倉三郎 裁判官 深山卓也 裁判官 三浦 守 裁判官草野耕一 裁判官 宇賀克也 裁判官 林 道晴 裁判官 岡村和美 裁判官安浪亮介 裁判官 渡 惠理子 裁判官 岡 正晶 裁判官 堺 徹 裁判官今崎幸彦 裁判官 尾島 明 裁判官 宮川美津子 裁判官 石兼公博

全員論証不十分

釈然としない 優性保護法判決5 裁判官宇賀克也の意見

2024-07-23 17:03:19 | 日記
裁判官宇賀克也の意見

改正前民法724条後段について、期間の経過により請求権が消滅したと判断するには当事者の主張がなければならないと解すべきであり、また、その主張が信義則に反し又は権利濫用として許されない場合があり、本件はまさにかかる場合に当たるので平成元年判決等を変更すべきとする点については、多数意見に賛成である。

国家が請求期間を過ぎているという主張をすべきで、事がことだけにその主張は信義則違反で権利の乱用であるから許されないと言ってますが、その重要であるとする判断基準は何ですの?オレ様が酷いと思ったからそれでいいのだ!でしょうか。悪法と雖も法でしょう?

2 第1に、平成元年判決は、改正前民法724条前段及び同条後段のいずれにおいても時効を規定していると解することは、不法行為をめぐる法律関係の速やかな確定を意図する同条の趣旨にそぐわないと述べているが、同条後段が時効を定めたものと解しても、被害者が損害及び加害者を認識していなくても不法行為の時から時効期間が進行するため、同条後段は同条前段とは別の意味で法律関係の早期確定に資するので、平成元年判決の上記論拠は薄弱と思われる。

その通りなのですが、そもそも壽分に書かれていることもひっくり返すってのがよく分かりません。挙句に

なお、不法行為債権の消滅時効について短期時効と長期時効を定める立法例は、ドイツ法を始めとして、比較法的にも稀ではない。

この文章は立法府が言うのであれば分かります。少なくとも判決文に書くで話ではないです。日本はドイツではないですから。
この他、第3から5まで書いていますが、文語体から口語に替えるときとの表現がおかしいとか、ドイツ法がどうたらと意見というより立法府に物申す系の話何ので無視します。

最高裁令和元年(受)第1287号同3年4月26日第二小法廷判決・民集75巻4号1157頁(以下「B型肝炎九州訴訟最高裁判決」という。)に関しては、除斥期間と消滅時効とでは起算点の考え方が当然に異なるという前提に立つものではなく、損害の性質に鑑みて、起算点を判断していると考えられるので、判例変更は不要と思われる。すなわち、筑豊じん肺訴訟最高裁判決は、「身体に蓄積した場合に人の健康を害することとなる物質による損害や、一定の潜伏期間が経過した後に症状が現れる損害のように、当該不法行為により発生する損害の性質上、加害行為が終了してから相当の期間が経過した後に損害が発生する場合には、当該損害の全部又は一部が発生した時が除斥期間の起算点となると解すべきである。」と判示している

だから不法行為を知った時期からなので、時効はもっと後だと言いたいようですが、これもなんかおかしいですね。B型肝炎と言いじん肺は、症状が出る人と出ない人がいますよね。また出て来るにも時間差があります。一方で、この裁判では生殖能力の切除ですから、手術が終わればすぐに分かりますよね。同じ論拠として使います?無理がありすぎるでしょう。どうしてもというならもっとマシな根拠を言うべきです。

とにかく頓珍漢としか言いようがないです。

連れ去りをそそのかした弁護士、懲戒請求される

2024-07-20 19:37:35 | 日記
「弁護士が子の連れ去り助言」児相が懲戒請求 両親の読売社員ら有罪

兵庫県西宮こども家庭センター(児童相談所)に一時保護されていた長女を連れ去ったとして、未成年者略取などの罪に問われた読売新聞社員の30代の父親と、母親に対する判決公判が18日、神戸地裁であった。
 松田道別裁判官は、父親に懲役2年執行猶予3年(求刑懲役2年)、母親に懲役1年6カ月執行猶予3年(求刑懲役1年6カ月)を言い渡した。事件をめぐっては、センターが県弁護士会に対し、両親に略取を助言したとして、所属弁護士を懲戒請求したことが朝日新聞の取材で判明した。
 センターは懲戒請求の理由について、「このような略取がまかり通ってしまうと一時保護制度そのものがなしくずしになってしまう」と回答した。


全くその通りで、何のための一時保護制度なのでしょうか?連れ去りは誘拐です。過去にさかのぼって懲戒請求をすべきです。

懲戒そのものは弁護士会によって決まりますが、弁護士会はしょせん互助会なので、おそらく懲戒処分にはならないでしょう。これまで離婚裁判となれば必ずどの弁護士も連れ去りをそそのかすからです。むしろ不法行為をそそのかしたとして、犯罪教唆したことで刑事事件にすべきです。

釈然としない 優性保護法判決4 裁判官草野耕一の補足意見

2024-07-20 09:30:59 | 日記
1 最初に改正前民法724条自体の意義について考える。
その第1は、不法行為をしたとされる者が、不法行為をしたと認定される可能性がもたらす心理的・経済的コストを負担し続けることによって人生の善きあり方を構想しその実現を図る自由を妨げられることのない利益(以下「自己実現を妨げられない利益」という。)を保障することである。なぜならば、①改正前民法724条が存在することによって確実に利益を得るのは不法行為をしたとされる者だけであり、一方、②不法行為をしたとされる者といえども、限りある人生をより善きものとすることを構想しその実現を図る自由は尊重されるべきである

「自己実現を妨げられない利益」とは、よく分からん概念を持ち出しましたね。不法行為を許すも許さないも自己実現と何の関係があるのでしょうか?特に②は一般論にすぎませんよね。今回は国家賠償ですよね、国家は自然人ではありません。法人擬制として考えてもですよ、この議論はかなりズレてませんか?

(2)改正前民法724条が保障せんとする第2の中核的利益は、不法行為の存否にかかわる証拠の確保が時の経過とともに困難となることを免れ得る利益(以下「証拠確保の困難性を免れ得る利益」という。)である。証拠確保の困難性を免れ得る利益は、不法行為をしたとされる者が享受し得るのみならず、裁判を受ける権利を有する国民一般の福利にも及ぶものである点において、自己実現を妨げられない利益とは性質を異にしている。けだし、劣化した証拠の下で司法が裁判を行うことを余儀なくされるとすれば、それによって生じるものは正しい裁判を受け得るという国民の期待そのものの低下に他ならないからである。

これもよく分かりません。国家が国家機密において何かやらかしたというのであれば分かります。法律にのっとってやったこと、但し憲法違反だというのが問題なんですよね。自己実現と何の関係があるんです?証拠の保全については、関係書類の公文書の保存期間が定められたのでその前に裁判を起こさないとどうしようもないわけで、それも含めた上での意見なんでしょうか?

2 1項で述べたことを踏まえて改正前民法724条を国家賠償法1条に適用について
(1)その職務を行うについて不法行為をしたとされる、公権力の行使に当たる公務員の自己実現を妨げられない利益を保障することにかかる意義を見出すことはできないという点である。なぜならば、国家賠償法上、不法行為をしたとされる公務員個人は原則として損害賠償責任を負わないと解されるから、同人の自己実現を妨げられない利益を国家賠償法に適用される改正前民法724条が保障する必要はないからである。


改正前724条はこの場合使ったら駄目という意見ですね。となると門前払いということになりますが。

(2)上記に述べた心理的・経済的コストは国家の受益者でもあるところの現在及び将来の国民によって分散して負担されることに鑑みるならば、問題となっている損害の賠償が国家の財政に回復し難いほどの負担をもたらす等の特段の事情がある場合は格別、そうでない限り、上記の可能性が存続することによって国が国家の善きあり方を構想しその実現を図る自由を妨げられることになるとは考え難く、本件においても、上記特段の事情は見出し得ない。

これもよく分かりません。国家の支払い能力?今回の件に限って言えば、数百億円国民1人当たり数百円の税金が投入されるわけですから問題ないと言っているわけです。ですが、今後もこの判例が適用されるのであれば、次々と賠償請求が提起されるでしょう。財政云々ではなく、裁判所は法的に正しいかどうかを判断すべきであって、財政うんぬんするのは筋違いというものです。

(3)証拠確保の困難性を免れ得る利益は国民一般の福利に及ぶものであるから、同利益は国家賠償請求訴訟においても均しく保障されるべきであることは疑いを入れない。しかしながら、本件においては、国会議員の立法行為という公開の場での活動が不法行為を構成しているのであるから、たとえそれが行われたのが半世紀以上前のことであるとしても証拠の確保が困難となる事態に至っているとは考え難い。

証拠の保全があればいつでも裁判OKということでしょうか?おかしいですよね。何十年と訴訟をしてこなかったということは、その状況を受け入れてきたのと同じです。後出しじゃんけんという評価につながりませんか?

3 改正前民法724条の立法趣旨に照らして考える限り本件請求権が除斥期間の経過によって消滅したとすることに積極的意義を見出し得ない
(1)本件規定の違憲性は明白であるにもかかわらず、本件規定を含む優生保護法が衆・参両院ともに全会一致の決議によって成立しているという事実である。これは立憲国家たる我が国にとって由々しき事態であると言わねばならない。


時代を考えて下さい。日本だけでなく、フランスでもスウェーデンでもやっていましたし、アメリカでもやっていました。ましてや戦後の日本で大混乱、飯が食えずに飢え死にする人が続出した状態ですよ。医療機関も医療制度もまともに機能しなかった時代ですから、闇から闇へ葬ることも可能だったはずです。実際にそうだったと推測しますけど。そういう時に一家丸ごと破綻、かといって自治体や国家も面倒見切れなかった時代という背景を考えると、今の基準で判断することはどうなのか疑問です。
(2)ー(4)で何か書いていますが、繰り返しみたいなものなので削除します。

釈然としない 優性保護法判決3 裁判官三浦守の補足意見は

2024-07-19 13:04:12 | 日記
(1)本判決により変更される判例は、改正前民法724条後段の期間が除斥期間であることを理由として、上記期間の経過による請求権消滅の主張が信義則違反又は権利濫用である旨の主張は主張自体失当であると解していたが、上記期間については、最高裁平成20年(受)第804号同21年4月28日第三小法廷判決・民集63巻4号853頁の田原睦夫裁判官の意見のほか、多くの学説がこれを時効期間と解してきた。そして、平成29年法律第44号(以下「民法改正法」という。)による改正後の民法(以下「改正後民法」という。)724条も、20年の期間を時効期間と規定するに至り、平成元年判決が、改正前民法724条後段が長期の時効を規定していると解することは同条の趣旨に沿わない旨を判示していたことの合理性も問題となる。そこで、当裁判所の判例が同条後段の期間を除斥期間とする点についても、これを改めるべきか否かについて検討する。

参考にしている判決もなんだかなぁという感じですね。

(2)改正後民法724条は、20年の期間を時効期間と規定したが、この改正は、上記期間を除斥期間とした場合には、中断や停止の規定の適用がないため、期間の経過による権利の消滅を阻止することができず、また、信義則違反や権利濫用に当たる旨を主張する余地がないことから、長期にわたって加害者に対する損害賠償請求をしなかったことに真にやむを得ない事情があると認められる事案においても、被害者の救済を図ることができないおそれがあると考えられたことによるものと解される(平成29年4月25日及び同年5月9日参議院法務委員会における法務大臣及び法務省民事局長各答弁等参照)。

引用文献で議論されているのはあくまでも刑事事件で殺人のはhなしですよね。民事ではないです。無理がないですか?

停止の規定の適用の点については、改正前民法158条又は160条の法意に照らし、改正前民法724条後段の効果が生じない場合がある。

いやいや法文通り読めば時効成立でしょう。

20年という期間の経過によって法律関係が確定するが、除斥期間の主張が信義則違反又は権利濫用として許されないときは、被害者の救済が図られることになる。

ならば何年なら信義則違反にならないのですか?一言居士は迷惑です。

(3)判例の変更は、法の安定と発展の両面に関わる問題であるが、以上に鑑みると、長期にわたって加害者に対する損害賠償請求をしなかったことに真にやむを得ない事情がある場合にも被害者の救済を図るという改正後民法の趣旨等を踏まえても、本判決による判例変更の点に加え、除斥期間という期間の法的性質の点についてもこれを改めることが相当とまではいえない。

この点は当然ですね。

2 本判決を踏まえた国の対応等
一時金支給法による一時金の支給も、国の損害賠償責任を前提とするものではなく、その額も十分とはいえない。また、これまでにその支給の認定を受けた者は、不妊手術を受けた者の総数に比して極めて低い割合にとどまる。


何を根拠に十分ではないというのでしょうか?しっかり根拠を書いてください。それにそもそも救済策については立法の仕事であり、立法府がこれでいいとなればこれでいいのです。嫌なら有権者が働きかけるべき話であって、最高裁判所ごときが何をいうか、越権行為も甚だしいとしか言いようがありません。

偉大なる感想文であって、公文書であってはいけない内容です。

釈然としない 優性保護法判決2 争点と結論

2024-07-17 11:51:05 | 日記
4 所論は、最高裁昭和59年(オ)第1477号平成元年12月21日第一小法廷判決・民集43巻12号2209頁(以下「平成元年判決」という。)その他の判例によれば、本件請求権は、改正前民法724条後段の期間の経過により消滅したというべきであり、原審の判断には同条後段の解釈の誤り及び判例違反があるというものである。
5 平成元年判決は、改正前民法724条後段の規定は、不法行為によって発生した損害賠償請求権の除斥期間を定めたものであり、不法行為に基づく損害賠償を求める訴えが除斥期間の経過後に提起された場合には、裁判所は、当事者からの主張がなくても、除斥期間の経過により同請求権が消滅したものと判断すべきであって、除斥期間の主張が信義則違反又は権利濫用であるという主張は、主張自体失当である旨を判示している。
しかしながら、本件の事実関係の下において、除斥期間の経過により本件請求権が消滅したものとして上告人が損害賠償責任を免れることは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない。


損害は生殖機能の排除という形で確かに出ています。ですが、法をゆがめて正義を言うのは司法の判断の範囲を超えています。やるべきは政治で解決しなさいと意見を出すべきです。これが恣意的にできるとなると、何のための法律なのでしょうか?

6 ア 本件訴訟において、被上告人らは、本件規定は憲法13条14条1項等に違反しており、本件規定に係る国会議員の立法行為は国家賠償法1条1項の適用上違法であるなどと主張して、本件規定に基づいて不妊手術が行われたことにより第1審原告らに生じた損害の賠償を求めている。

イ 憲法13条は、人格的生存に関わる重要な権利として、自己の意思に反して身体への侵襲を受けない自由を保障しているところ(最高裁令和2年(ク)第993号同5年10月25日大法廷決定・民集77巻7号1792頁参照)、不妊手術は、
生殖能力の喪失という重大な結果をもたらす身体への侵襲であるから、不妊手術を受けることを強制することは、上記自由に対する重大な制約に当たる。したがって、正当な理由に基づかずに不妊手術を受けることを強制することは、同条に反し許されないというべきである。


また出ましたね、この「令和2年(ク)第993号」判決。これが、男性が女性に性転換するときに生殖腺を切除することが条件でしたが、これを違法と判断したものです。全くこの判決のせいで、どんどん訳の分からない方向に解釈が進んでいます。

ウ 以上によれば、本件規定は、憲法13条及び14条1項に違反するものであったというべきである。そして、以上に述べたところからすれば、本件規定の内容は、国民に憲法上保障されている権利を違法に侵害するものであることが明白であったというべきであるから、本件規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上、違法の評価を受けると解するのが相当である(最高裁平成13年(行ツ)第82号、第83号、同年(行ヒ)第76号、第77号同17年9月14日大法廷判決・民集59巻7号2087頁参照)。

私も憲法違反だとは思いますが、だからといって時効成立しないというのは理屈に合いません。しかも、立法しなかったのは不法行為であるというのも司法の傲慢ではないですか?

結論
上記請求権が除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができると解するのが相当である。

大法廷 裁判官全員一致の意見でした。
裁判長裁判官 戸倉三郎
裁判官 深山卓也
裁判官 三浦 守 裁判官
草野耕一 裁判官
宇賀克也 裁判官
林 道晴 裁判官
岡村和美 裁判官
安浪亮介 裁判官
渡 惠理子 裁判官
岡 正晶 裁判官
堺 徹 裁判官
今崎幸彦 裁判官
尾島 明 裁判官
宮川美津子 裁判官
石兼公博 裁判官

全員無茶苦茶。明らかに司法の領域を越えて立法府に対して懲罰を加えており、小学校でも習う三権分立の範囲を超えています。

釈然としない 優性保護法判決1 事実認定

2024-07-15 11:19:23 | 日記
令和5(受)1319  国家賠償請求事件
令和6年7月3日  最高裁判所大法廷  判決  棄却  大阪高等裁判所

 1 優生保護法中のいわゆる優生規定(同法3条1項1号から3号まで、10条及び13条2項)は、憲法13条及び14条1項に違反する
2 上記優生規定に係る国会議員の立法行為は、国家賠償法1条1項の適用上違法の評価を受ける
3 不法行為によって発生した損害賠償請求権が民法(平成29年法律第44号による改正前のもの)724条後段の除斥期間の経過により消滅したものとすることが著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができない場合には、裁判所は、除斥期間の主張が信義則に反し又は権利の濫用として許されないと判断することができる
4 同条後段の除斥期間の主張をすることが信義則に反し権利の濫用として許されないとされた事例


あまりにも有名な法律なので、ご存知の方もいるとは思いますが。
NHKの報道です
“旧優生保護法下で不妊手術強制” 最高裁大法廷で29日弁論

「旧優生保護法」は戦後の出産ブームによる急激な人口増加などを背景に1948年に施行された法律です。
法律では精神障害や知的障害などを理由に本人の同意がなくても強制的に不妊手術を行うことを認めていました。
当時は親の障害や疾患がそのまま子どもに遺伝すると考えられていたことが背景にあり、条文には「不良な子孫の出生を防止する」と明記されていました。
旧優生保護法は1996年に母体保護法に改正されるまで48年間にわたって存続し、この間に本人の同意なしに不妊手術が行われた人はおよそ1万6500人に、本人が同意したケースを含めると不妊手術を受けた人はあわせて2万5000人にのぼるとされています。


優性保護法の全文です
優生保護法2章 第二章 優生手術 (任意の優生手術)とあります。

NHKの報道は偏向報道そのものです。なので、NHKの報道はじめ「強制手術」という言葉が出てきたら、その報道はかなり恣意性が高い偏向報道だと思ってください。もし強制で同意なしでやった場合には、傷害罪ですから、個別に医師が処罰される案件です。

第五条 2項 前項の優生手術を受くべき旨の決定を受けた者の配偶者、親権者、後見人又は保佐人もまた、その再審査を申請することができる。

まずはこの条文を抑えた上で議論を見ていきましょう。

1 原告は優生保護法で不妊手術を受けた人です。
事実確認は次の通りです。

(1) ア 優生保護法は・・・優生上の見地から不良な子孫の出生を防止するとともに、母性の生命健康を保護することを目的とする旨を定め、同法2条1項は、この法律で優生手術とは、生殖腺を除去することなしに、生殖を不能にする手術で命令をもって定めるものをいう旨を定めていた。そして、優生保護法施行規則(昭和24年厚生省令第3号)1条は、優生手術の術式として、精管切除結さつ法、精管離断変位法、卵管圧挫結さつ法及び卵管間質部けい状切除法を定めていた。

2条と14条で命令という言葉を使っていますが、(1)の文章だとその辺にいる不良品を見つけてしょっ引けみたいな印象になっていますね。これは申請があって、命令で本人の意志に関係なく手術実行ですから。

①本人若しくは配偶者が遺伝性精神病質、遺伝性身体疾患若しくは遺伝性奇形を有し、又は配偶者が精神病若しくは精神薄弱を有しているもの(1号)、②本人又は配偶者の4親等以内の血族関係にある者が遺伝性精神病、遺伝性精神薄弱、遺伝性精神病質、遺伝性身体疾患又は遺伝性奇形を有しているもの(2号)とされたほか、同法中「都道府県優生保護委員会」が「都道府県優生保護審査会」に、同法4条中「申請することができる。」が「申請しなければならない。」に改められ、同法別表に掲げる疾病や障害の分類、名称等が改められるなどした。

都道府県優生保護委員会はどういう団体かというと18条で、以下のように定められています。
第十八条 中央構生保護委員会は委員三十人以内で、都道府県優生保護委員会は委員十人以内で、地区優生保護委員会は委員五人以内で、これを組織する。
2 各優生保護委員会において、特に必要があるときは、臨時委員を置くことができる。
3 委員及び臨時委員は、医師、民生委員、裁判官、検察官、関係行政庁の官吏又は吏員その他学識経験ある者の中から、中央優生保護委員会にあつては厚生大臣が、都道府県優生保護委員会及び地区優生保護委員会にあつては都道府県知事が、それぞれ、これを命ずる。

都道府県優生保護審査会は、厚生省ができたときに名称が変わっただけのようです。問題はそこではなく、この判決文でも法令でも誰が申請するのかが明確ではないのです。診察した医者なのか、親権者なのか。

(2)昭和28年次官通知には、審査を要件とする優生手術について、本人の意見に反しても行うことができるものである旨、この場合に許される強制の方法は、手術に当たって必要な最小限度のものでなければならないので、なるべく有形力の行使は慎まなければならないが、それぞれの具体的な場合に応じては、真にやむを得ない限度において身体の拘束、麻酔薬施用又は欺罔等の手段を用いることも許される場合があると解しても差し支えない旨等が記載されていた。

それは手術に抵抗する場合ですよね、申請はどうなんですか?

イ 日本弁護士連合会は、平成19年12月、上記報告につき、国は、過去に発生した障害を持つ女性に対する強制不妊措置について、政府としての包括的な調査と補償を実施する計画を早急に明らかにすべきである旨の意見を公表した。

日弁連は関係ないですから。意見を言うのは勝手ですが、それを参考資料として扱うのはどうかと。

(6)平成30年9月28日、被上告人X1、a、b及び被上告人X2が本件訴えを提起し、平成31年2月27日、被上告人X3が本件訴えを提起した。
上告人は、本件訴訟において、本件請求権は改正前民法724条後段の期間の経過により消滅した旨を主張した。


この判断は完全におかしいですね。文字通り読めば時効は成立していたはずです。政策的な意図を感じます。

(7)平成31年4月24日、「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(以下「一時金支給法」という。)が成立し、一部の規定を除いて施行された。

あまりにも長いので、ここでいったん切ります。

酒気帯び運転で物損事故 悪質なので懲戒免職退職金なしは妥当 ただし岡裁判官はおかしい

2024-07-14 06:36:24 | 日記
令和4(行ヒ)319  懲戒処分等取消請求事件
令和6年6月27日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄自判  大阪高等裁判所
 飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分を受けて地方公共団体の職員を退職した者に対してされた大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定による一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分が裁量権の範囲を逸脱し又はこれを濫用した違法なものであるとした原審の判断に違法があるとされた事例

報道がないので、事実確認から見ていきます。

1 普通地方公共団体である上告人の職員であった被上告人が、飲酒運転等を理由とする懲戒免職処分(以下「本件懲戒免職処分」という。)を受けた

市役所職員が酔っ払い運転で逮捕、懲戒免職です。

退職手当管理機関である大津市長から、大津市職員退職手当支給条例(昭和37年大津市条例第7号。令和元年大津市条例第25号による改正前のもの)11条1項1号の規定により一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分(以下「本件全部支給制限処分」という。)を受けたため、上告人を相手に、上記各処分の取消しを求める事案である。

改定後の大津市職員退職手当支給条例はあるのですが、前のものは見つかりませんでした。懲戒免職で全額退職金なしは厳しすぎるという訴えのようです。これって条例で決まっていますよね。就業規則と同じはずです。

(2)被上告人は、平成3年4月に上告人の職員に採用され、平成29年4月以降、総務部a課長の職にあった者である。被上告人には、本件懲戒免職処分を除き、懲戒処分歴はない。

おいおい、管理職ですか?そりゃ話になりませんがな。

(3)被上告人は、平成30年8月7日午後5時頃から午後10時30分頃まで自宅からの転居を予定していたマンションの一室において、同僚らを招いて飲食し、ビール及び酎ハイ各1本並びに発泡酒5本程度(いずれも350mL)を飲んだ。

これは人によって酩酊状態じゃないですか。

本件自動車の前部を駐車中の他の自動車(以下「被害自動車」という。)の前部に接触させてそのフロントバンパーを脱落させる事故(以下「第1事故」という。)を起こした。被上告人は、第1事故につき直ちに本件マンションの管理人や上司等の関係者に連絡することなく本件自動車の運転を続けたところ、さらに、本件自動車を道路の縁石に接触させ、縁石に設置された反射板をはがして本件自動車にオイル漏れを生じさせる事故(以下「第2事故」といい、第1事故と併せて「本件各事故」という。)を起こしたが、そのまま本件自動車を運転して帰宅した。

これはひき逃げに近いものがありますね。

(4)被上告人は、翌8日朝、本件マンションに赴き、管理人に第1事故を起こした旨を伝えるなどした後、警察に通報した。被上告人は、臨場した警察官に対し、当初、同日の朝に第1事故を起こした旨の虚偽の説明をしたが、警察官から前夜の事故ではないかと指摘を受け、その旨を認めた。

自首が成立するかは別として、きちんと警察に届けたと。しかし、自分でやったという自覚はあった訳ですね。これ直ぐに届けなければならない義務違反でしょう。

被上告人は、上司に電話して第1事故を起こしたこと等について報告し、後日、本件各事故に係る物的損害について被害弁償を行った。

人として最低限のことはやったということですね。

(4)市長は、被上告人に対し、平成30年10月12日付けで、被上告人が同年8月7日に飲酒した上で本件自動車を運転し、本件駐車場内で被害自動車に接触し、その後必要な措置をとることなく、公道を走行して帰宅したこと(以下「本件非違行為」という。)を理由として、本件懲戒免職処分をした上で、一般の退職手当(1620万4488円)の全部を支給しないこととする本件全部支給制限処分をした。

規則もあるし、こういうアホなことをする人を役所においておけないでしょう。当然の判断です。そして。こいつだけではなく防止策でもあるわけで当然の判断だと思います。

ところが最高裁判所はとんでもないことを言い出します。
(1)懲戒免職処分を受けた退職者の一般の退職手当について、退職手当支給制限処分をするか否か、これをするとした場合にどの程度支給しないこととするかの判断を退職手当管理機関の裁量に委ねているものと解され、その判断は、それが社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したと認められる場合に、違法となるものというべきである(最高裁令和4年(行ヒ)第274号同5年6月27日第三小法廷判決・民集77巻5号1049頁参照)。

こういうトンデモな事件と判例があった場合は、当然このブログで書ているはずなのですが。と探してみたら、ありました。

酒気帯び物損事故の先生、退職金0は権利の濫用ではない

実にとんでもない裁判でした。この理屈なら、逮捕歴もないこのブログ主が缶酎ハイ飲んで裁判官の実家に突入してみましょうか。物損で済めば大したことはないということになりますよ。これは明らかに犯罪を誘発する判断結果で、今回の判断もその匂いがしてきました。

(2)前記事実関係等によれば、被上告人は、長時間にわたり相当量の飲酒をした直後、帰宅するために本件自動車を運転したものであって、2回の事故を起こしていることからも、上記の運転は、重大な危険を伴うものであったということができる。・・・、本件非違行為の態様は悪質であって、物的損害が生ずるにとどまったことを考慮しても、非違の程度は重いといわざるを得ない。また、被上告人は、本件非違行為の翌朝、臨場した警察官に対し、当初、第1事故の発生日時について虚偽の説明をしていたものであり、このような非違後の言動も、不誠実なものというべきである。

あれだけ飲めば、悪質だと言われトンヅラこいたわけですから、そりゃ不誠実の評価で当然でしょう。

これらの事情に照らせば、本件各事故につき被害弁償が行われていることや、被上告人が27年余りにわたり懲戒処分歴なく勤続し、上告人の施策に貢献してきたこと等をしんしゃくしても、本件全部支給制限処分に係る市長の判断が、社会観念上著しく妥当を欠いて裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできない。

お!今回は全額不支給を認めるんですね。


裁判官岡正晶の反対意見
1本件全部支給制限処分が、裁量権の範囲を逸脱し、又はこれを濫用したものということはできないとして、原判決中上告人敗訴部分を破棄するとの多数意見には賛同することができない。

いきなり対決姿勢ですね。

2 個々の事案ごとに、退職者の功績の度合いや非違行為の内容及び程度等に関する諸般の事情を総合的に勘案し、給与の後払的な性格や生活保障的な性格を踏まえても、当該退職者の勤続の功を抹消するに足りる事情があったと評価することができる場合に、一般の退職手当の全部を支給しないこととする処分を行うことができる旨を規定したものと解される(前掲最高裁令和5年6月27日第三小法廷判決参照)。

先のクソ判決を悪用した意見が出てきましたよ。

3 地方公務員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務しなければならず(憲法15条2項、地方公務員法30条)、また、その職の信用を傷つけたり、地方公務員の職全体の不名誉となるような行為をしてはならない義務がある(同法33条)など、地方公務員の地位の特殊性や職務の公共性が重視されることは当然であるが、地方公務員も勤労者であり生活者であることも軽視されるべきではない。

分かってませんね、田舎の公務員は特権階級なんですよ。民間ではこういう事故を起こせば懲戒免職は普通にあります。もっと現場を調べなさい。

4 一般の退職手当に給与の後払的な性格や生活保障的な性格があることに着目し、この観点から、被上告人の過去の勤続の功をみると、被上告人は平成3年4月1日以降本件懲戒免職処分時まで27年余りの長期にわたって上告人に勤続し、同処分以前には懲戒処分歴はなく、平成29年4月1日以降は総務部a課長という管理職を務めていた。同処分時点で退職した場合の一般の退職手当の金額は1620万4488円であった。被上告人のこの過去の実績ないし功績は相応のものであって重視されるべきものと考えられる。

決してはした金じゃないですよ。じゃあ働き始めて5年目で退職金が100万円だったら召し上げでいいんですか?そもそも退職金を道楽に使ってすってんてんになるような人もいますし、そんなもん貰わなくってもやって行けるように貯めている人もいます。こんな理屈にもならんことを言うな!

その根絶が社会全体の課題とされて久しい飲酒運転を行ったものであり、これ自体到底許されることではない。態様は悪質であって非違の程度も重いと評価でき、翌朝の対応も不誠実であり、被上告人が管理職である課長の職にあったことから、上告人の公務の遂行に相応の支障を及ぼし、上告人の公務に対する住民の信頼を大きく損なったと認められる。これらの事情は、勤続報償の対象となるだけの公務への貢献を行わなかったものと評価することができるものであり、

そもそも酔っ払い運転をしなければいいだけの話です。そんなに難しい話ですか?

裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶  トンデモクソ意見
裁判官 堺 徹
裁判官 宮川美津子

岡裁判官だけがトンデモで後は妥当な判断だと思います。

公聴会を開くべきだ 工事なしの性転換を認めた裁判官が最高裁裁判所長官に

2024-07-13 06:46:33 | 日記
このブログではかねてから主張していますように、最高裁の裁判官に任命されるときに公聴会を開くべきであります。なぜならば、私生活からこれまでの判決まで、きちんとした仕事をしてきたのかを判断する最後のチャンスだからです。今の制度では、お上が決めたことにモノ申すな!の方針が露骨で、国民審査制度が事実上機能していないことを考えると、とんでもないのが入ってくることを防止できないからです。

例えばこの人。

最高裁長官に今崎幸彦氏指名へ 経産省トイレ制限訴訟で裁判長
政府は9日の閣議で、8月10日に定年退官する戸倉三郎・最高裁長官(69)の後任となる第21代長官に、今崎幸彦(ゆきひこ)・最高裁判事(66)を指名することを決めた。発令は同月11日以降で、任期は2027年11月まで。長官交代は22年以来となり、裁判官出身の長官は13代連続。
 今崎氏は刑事裁判の経験が長く、司法行政の中枢ポストも歴任。最高裁ではトランスジェンダー女性の経済産業省職員が起こした訴訟で、最高裁第3小法廷の裁判長として23年7月に女性トイレの利用制限を認めない判決を言い渡した。


しかも、一度国民審査で落とされないと信任を得られたとして、そのあと何回衆議院選挙があっても審査の対象外になります。おかしいでしょう?そもそも、最高裁の裁判官になる時点で国民の審査を受けない訳ですから、訳の分からない判決がどんどん出てきます。そしてこの人はいまや最高裁判所の長官です。

今崎幸彦氏の裁判官情報ですこのリンク先には主な裁判と恣意的に選ばれていますが、このブログで取り上げたのは以下の通りです。

児童ポルノが強制性交にも該当するケース、但し判決が雑
論理に飛躍判決:青色申告の承認の取消処分は憲法31条に反しない
被疑者を勾留するのに事件を言わなくてよい:事例なら事実認定しろよ
技能実習生の指導員の残業代支払え、みなし残業代は駄目よ
医療法人の臨時総会については一般法人の基準を類推適用しません
同性愛カップルも事実婚を認め犯罪給付金を言支給せよ
死んで10年経って相続が完了してようが、遺言書が出てきたらやり直せ
 消費者裁判手続特例法の適用がおかしくないか?
トンデモ判決 無灯火でも見張りが不十分なのが悪いんだもん
トンデモ判決 自動取引FXのDVDの返金要求
トンデモ判決、夜間無灯火の船と慣例に反して大回りした船の衝突:何故か両成敗
名張毒ぶどう酒事件は再審不可
トンデモ 選挙違反で当選無効、でも政務活動費は返納する義務なし
わけ分からん死刑判決
トンデモ判決:工事済みでもないのに女扱いしろ 2
トンデモ判決:工事済みでもないのに女扱いしろ 4
土地の時効取得、一筆丸ごとは駄目よ
公訴提起が権限がないから裁判は無効
臨時国会開催要求が遅れたのは国家賠償の対象ではない
酒気帯び物損事故の先生、退職金0は権利の濫用ではない
妥当判決:非上場だから値引き、譲渡制限があるからさらに値引きは駄目
大阪市条例により住宅から300m以内に墓場を作るな
意味不明判決 でんさいの仮差押えが債権額を超過したので取り消す
金沢市役所の隣の公園は市の施設と一体化しているのでデモをするな
給料のファクタリングは貸金業扱い
破産手続き中に期限がきたからといって根抵当の設定の時効にならない
当然判決 一票の格差 ただ宇賀地裁判官の意見が酷すぎる
手抜き判決文:子供の引渡し判決、子ども本人の拒否に間接強制はできない

トンデモ判決 高裁 工事なし戸籍上の性別変更

2024-07-10 18:07:50 | 日記
読売新聞の報道です。

男性から女性への戸籍上の性別変更、手術なしでも認める高裁決定…申立人「願いがやっとかなった」
 性器の外観を変える手術をせず、戸籍の変更に必要な性同一性障害特例法の要件のうち「変更後の性別と近い性器の外観を持つ」(外観要件)とする規定を満たさないとされた当事者が、戸籍上の性別を男性から女性に変更するよう求めた家事審判で、広島高裁は10日、性別の変更を認める決定をした。
広島高等裁判所
 最高裁大法廷は昨年10月、性同一性障害特例法で生殖能力をなくす手術を事実上の要件とする規定について、「手術を受けるか性別変更を断念するかという過酷な二者択一を迫るもので、制約の程度は重大だ」とし、違憲とする決定を出した。その上で、外観要件については「2審で判断されていない」とし、審理を高裁に差し戻していた。
 代理人弁護士によると、申立人は西日本在住で50歳未満の社会人。2009年に性同一性障害の診断を受け、戸籍上は男性で、女性として社会生活を送っている。
性別適合手術は受けていない。

続いてNHKの報道です
男性から女性 戸籍上の性別変更 手術なしで認める決定 高裁
このうち生殖機能の手術については、この当事者の申し立てを受けて最高裁判所が去年10月、体を傷つけられない権利を保障する憲法に違反して無効だという判断を示しました。
一方、外観の手術については最高裁が審理をやり直すよう命じ、広島高等裁判所で審理が続いていました。
10日の決定で、広島高等裁判所の倉地真寿美裁判長は外観の要件について「公衆浴場での混乱の回避などが目的だ」などとして正当性を認めましたが、「手術が常に必要ならば、当事者に対して手術を受けるか、性別変更を断念するかの二者択一を迫る過剰な制約を課すことになり、憲法違反の疑いがあると言わざるをえない」と指摘しました。
そして「他者の目に触れたときに特段の疑問を感じない状態で足りると解釈するのが相当だ」と指摘し、手術なしでも外観の要件は満たされるという考え方を示しました。
その上で、当事者がホルモン治療で女性的な体になっていることなどから性別変更を認めました。


どうしてこれが憲法違反になるのか全く分かりません。とんでもないのを最高裁判事に選んだものです。さらに外見がと言いますが、何センチ以下とか、機能不全になっているとか、客観的基準がありませんよね。これではどんどん拡大されますよ。本当に最高裁の司法の傲慢さが招いた結果です。

トンデモ判決論理無茶苦茶 住宅供給公社の家賃は借地借家法に従え

2024-07-07 09:09:05 | 日記
令和4(受)1744  賃料減額等請求事件
令和6年6月24日  最高裁判所第一小法廷  判決  破棄差戻  東京高等裁判所
 地方住宅供給公社が賃貸する住宅の使用関係については、借地借家法32条1項の適用がある。

毎日新聞の報道です
住宅供給公社の一方的な家賃値上げ「入居者争える」…最高裁が初判断
地方住宅供給公社が管理する住宅の家賃を巡り、入居者が金額を争うことができるかが争点となった訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(深山卓也裁判長)は24日、入居者が賃料を争うことができると定めた借地借家法が適用されるとの初判断を示した。公社による賃料の一方的な値上げに対し、入居者が争えるようになる。
 原告は、神奈川県住宅供給公社(横浜市)が管理する共同住宅の入居者ら8人。同公社が2004~18年、月額約3万~5万円の家賃を一方的に約6万~8万円に引き上げたとして、増額分の返還を求めて提訴した。


事実確認を見ましょう。
(1)被上告人は、地方住宅供給公社法にいう地方住宅供給公社である。

神奈川県の住宅供給公社です。

(2)平成16年4月から平成30年4月までの間、おおむね3年ごとに、上告人らに対し、前記の各室の家賃を改定する旨を通知した。その結果、月額3万9530円ないし5万6350円であった家賃は、最終的に月額6万1950円ないし8万6910円になるものとされた。

15年の間に倍近い値段になったということですね。場所にもよりますけど、4万円から6万円で横浜市に住めること自体優遇されてますね。住宅供給公社と使命ですから、そうなんでしょう。

家賃の額の確認を求めるとともに、変更後の家賃を支払ってきたことを理由に不当利得返還請求権に基づいて過払家賃の返還等を求めるものである。

この値上げが異常に急すぎるということで、払い過ぎているんだから返せと訴訟になりました。いやいや、払えているんですよね?既に払っているんですよね?この法律は福祉目的でやっていることで、金儲けじゃないんです。ということは周辺の不動産に大きく影響を与えるんですよ。


最高裁は
地方公社は、住宅の不足の著しい地域において、住宅を必要とする勤労者に居住環境の良好な集団住宅を供給し、もって住民の生活の安定と社会福祉の増進に寄与することなどを目的とする法人であり(公社法1条、2条)、その目的を達成するため、住宅の賃貸を含む所定の業務を行うことができるものとされている(公社法21条1項、3項)。

今の横浜に必要なんですかね、という政策的な観点はおいといて、法の目的がこういう事情なので安く提供しろという趣旨のようです。

地方公社の上記業務として賃借人との間に設定される公社住宅の使用関係は、私法上の賃貸借関係であり、法令に特別の定めがない限り、借地借家法の適用があるというべきである。

随分唐突ですね。先の文章との間に何もなくいきなりこの文章です。なぜ借地借家法が妥当であると考えるのか、その理由が分かりません。借地借家法は、基本的には民間の大家さんが一般人に貸すときのトラブル防止を目的としています。一方、住宅供給公社法は福祉を目的としています。一緒にします?秋からかにおかしいですよね。

公社住宅の使用関係について借地借家法32条1項に対する特別の定めがあるかをみるに、公社法は、地方公社において住宅の賃貸等に関する業務を行うには、住宅を必要とする勤労者の適正な利用が確保され、かつ、家賃が適正なものとなるように努めなければならないことなどを規定した上(22条)、上記業務を行うときの基準について、「他の法令により特に定められた基準がある場合においてその基準に従うほか、国土交通省令で定める基準に従つて行なわなければならない。」と規定する(24条)。

ここでいう適正金額って何でしょうか?民間と同じ金額ベース?福祉だから若干安く?であるならば、若干とは何%引き迄許すのか?そもそも、公社は県営ですから、血栓が出たら市民の税金から捻出するんですよ。財政に影響を与えるんです。ならば市営でいいでしょう。

公社規則16条2項は、公社法24条の委任を受けて、「地方公社は、賃貸住宅の家賃を変更しようとする場合においては、近傍同種の住宅の家賃、変更前の家賃、経済事情の変動等を総合的に勘案して定めるものとする。この場合において、変更後の家賃は、近傍同種の住宅の家賃を上回らないように定めるものとする。」と定める。

ですよね。半径500mの家賃の平均値としましょうか。その平均を越えないようにしなさいという上限がついています。一方下限はついていません。これは民業圧迫の法律ですよね。市営住宅ではなくあくまでも公社の住宅ですからね。

公社法の上記各規定の文言に加え、地方公社の上記目的に照らせば、公社法24条の趣旨は、地方公社の公共的な性格に鑑み、地方公社が住宅の賃貸等に関する業務を行う上での規律として、他の法令に特に定められた基準に加え、補完的、加重的な基準に従うべきものとし、これが業務の内容に応じた専門的、技術的事項にわたることから、その内容を国土交通省令に委ねることにあると解される。

この裁判官は不動産投資をそたことないのでしょう。不動産鑑定士なる職業もありますけど、彼らが設定する金額と実勢価格、賃貸相場はかなり乖離があります。結局のところは貸せるか貸せないかで決まってくるんですよ。

そうすると、当該省令において、公社住宅の使用関係について、私法上の権利義務関係の変動を規律する借地借家法32条1項の適用を排除し、地方公社に対し、同項所定の賃料増減請求権とは別の家賃の変更に係る形成権を付与する旨の定めをすることが、公社法24条の委任の範囲に含まれるとは解されない。

また無茶苦茶なことを言い出しますね。そもそもこの法律の所管省庁ってのがあるでしょう。そこの所管だと言えば済むはずなのに、論理展開がどうなの?レベルです。

結論
公社住宅の使用関係については、借地借家法32条1項の適用があると解するのが相当である。

裁判官全員一致の意見
裁判長裁判官 深山卓也
裁判官 安浪亮介
裁判官 岡 正晶
裁判官 堺 徹
裁判官 宮川美津子

反対意見も補足意見もないようです。論理展開が無茶苦茶です。
何かここ最近の判決を見ると、日本が共産主義なのか資本主義なのか分からない、福祉の範囲を拡大解釈しすぎる傾向があります。その費用は国民が負担することをお忘れなく。本来は行政が決めることを、こうやって司法が事実上支配していることもお忘れなく。