最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

当然判決 粉飾決算の損害金額の認定

2018-10-29 19:17:03 | 日記
平成29(受)1496  各損害賠償請求事件
平成30年10月11日  最高裁判所第一小法廷  判決  棄却  東京高等裁判所
金融商品取引法18条1項に基づく損害賠償請求訴訟において,裁判所は,民訴法248条の類推適用により金融商品取引法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額として相当な額を認定することができる

時事通信の報道です。
HIによる有価証券報告書の虚偽記載で株価が下落し損害を受けたとして、株主が同社に損害賠償を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第1小法廷(池上政幸裁判長)は11日、株主側の上告を棄却した。これで、約140人に総額約6000万円を支払うようIHIに命じた二審東京高裁判決が確定した。
 争点は、新株を取得していた株主の損害額の算定方法。業績悪化など、虚偽記載以外の要因での下落分を、二審が独自に算出して減額したため、株主側が上告していた。
 池上裁判長は「損害額の立証が極めて困難な場合、裁判所は相当な額を認定できる」との初判断を示し、二審を支持した。
 一、二審判決によると、IHIは2006年9月中間期と07年3月期決算で、赤字を黒字と偽るなどした有価証券報告書を提出。08年金融庁から約16億円の課徴金納付命令を受けた。


事実確認から見ましょう。
1 会社が不正会計を行い、それが暴露されて株価が急落。そのせいで株主が不利益を受けたとして、金融商品取引法23条の2により読み替えて適用される同法18条1項に基づく損害賠償等を求めました。
2 会社は、金商法18条1項に基づく損害賠償請求訴訟において,裁判所は,民訴法248条の類推適用により,金商法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額として相当な額を認定することができるとした原審の判断には,同条及び民訴法248条の解釈の誤りがあると主張しました。
3 金商法18条1項本文は,有価証券届出書のうちに,重要な事項について虚偽の記載があり,又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けているときは,当該有価証券届出書の届出者は,当該有価証券を募集又は売出しに応じて取得した者に対し,損害賠償の責めに任ずる旨を規定する。

第十八条 有価証券届出書のうちに、重要な事項について虚偽の記載があり、又は記載すべき重要な事項若しくは誤解を生じさせないために必要な重要な事実の記載が欠けているときは、当該有価証券届出書の届出者は、当該有価証券を当該募集又は売出しに応じて取得した者に対し、損害賠償の責めに任ずる。ただし、当該有価証券を取得した者がその取得の申込みの際記載が虚偽であり、又は欠けていることを知つていたときは、この限りでない
第十九条 前条の規定により賠償の責めに任ずべき額は、請求権者が当該有価証券の取得について支払つた額から次の各号の一に掲げる額を控除した額とする。
一 前条の規定により損害賠償を請求する時における市場価額(市場価額がないときは、その時における処分推定価額)
二 前号の時前に当該有価証券を処分した場合においては、その処分価額

物損事故のように被害総額が明確に見積もれないので、こういう規定を作ったのでしょう。

地方裁判所は次のように述べます。
金商法18条1項に基づく損害賠償請求訴訟において,請求権者の受けた損害につき,有価証券届出書の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下がり以外の事情により生じたことが認められる場合に,当該事情により生じた損害の性質上その額を立証することが極めて困難であるときは,裁判所は,民訴法248条の類推適用により,口頭弁論の全趣旨及び証拠調べの結果に基づき,金商法19条2項の賠償の責めに任じない損害の額として相当な額を認定することができると解するのが相当である。



裁判官深山卓也の補足意見
金商法18条1項は,有価証券届出書に虚偽記載等があった場合に,当該届出書の届出者が,当該有価証券を発行市場で取得した者(募集又は売出しに応じて取得した者)に対して負う損害賠償責任について規定しているが,他方,同法21条の2第1項は,有価証券報告書等の書類に虚偽記載等があった場合に,当該書類の提出者が,その発行に係る有価証券を流通市場で取得した者(募集又は売出しによらないで取得した者)に対して負う損害賠償責任について規定する。
そして,金商法21条の2第3項(改正前の同条2項)は,虚偽記載等の事実が公表されたときに,公表日前1年以内に当該有価証券を取得して公表日まで引き続き所有する者は,公表日前後1か月間における当該有価証券の市場価額の平均額の差額をもって,当該書類の虚偽記載等により生じた損害の額とすることができる旨を,同条5項(改正前の同条4項)は,この場合において,当該書類の提出者は,請求権者が受けた損害の額の全部又は一部が,当該書類の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下がり以外の事情により生じたことを証明したときは,その全部又は一部については,賠償の責めに任じない旨をそれぞれ規定する。


計算方式ですね。

金商法18条,19条と同法21条の2は,民法709条の一般不法行為責任の特則として,金商法が規定する開示義務に違反して開示書類に虚偽記載等をした者が有価証券を取得した者に対して負う損害賠償責任について規定する点で共通の性格を有しており,

回りくどいですが、故意または過失で他人に損害を与えた場合は、賠償責任を負う民法の規定を基に金融商品取引法の18条19条があるんだと説明します。

同法19条2項と同法21条の2第5項(改正前の同条4項)は,いずれも,有価証券の取得者が提起した損害賠償請求訴訟における損害額の減免の抗弁を規定したものであって,その文言も極めて類似している。

ちょっと待ってください。文言が似ているからという理由で???

金商法19条1項と2項は,1項において,同法18条の損害賠償責任に基づく賠償責任額を法定した上で,2項において,賠償の責めに任ずべき者が有価証券届出書等の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下がり以外の事情による損害の発生及びその額を証明したときは,その額を法定の賠償責任額から減額して具体的な損害賠償額を算定
するという構造になっており,法廷意見が述べるとおり,賠償の責めに任ずべき者が,有価証券届出書等の虚偽記載等によって生ずべき当該有価証券の値下がり以外の事情による損害の発生は証明したものの,当該事情により生じた損害の性質上その額の証明が極めて困難である場合には,民訴法248条の類推適用により,裁判所は,減額すべき損害の額として相当な額を認定することができると解される(同条の趣旨の理解に関わるが,この場合に,同条を類推適用するまでもなく,同条が適用されるとする見解もあり得よう。)。


この太字のところが分かりません。何が言いたいの?類推適用は必要ない?はぁ?以下グダグダ続きますが、その説明は要ります?と思うような文章です。

裁判長裁判官 池上政幸
裁判官 小池 裕
裁判官 木澤克之
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也 訳分からん


IHI粉飾決算被害株主弁護団のページ

しかし、この金額で決着というのはどうなんでしょう。この会社からすれば6000万円と弁護士費用なんて大したものではないでしょう。懲罰的賠償金がなければ全く抑止力にはなりません。それは立法の問題なのでこれ以上は立ち入りませんが。

交通事故で自賠責と労災保険では自賠責を主として払え

2018-10-25 19:33:59 | 日記
平成29(受)659  保険金請求事件
平成30年9月27日  最高裁判所第一小法廷  判決  その他  東京高等裁判所

1 被害者の行使する自賠法16条1項に基づく請求権の額と労働者災害補償保険法12条の4第1項により国に移転して行使される上記請求権の額の合計額が自動車損害賠償責任保険の保険金額を超える場合,被害者は国に優先して損害賠償額の支払を受けられる
2 自賠法16条の9第1項にいう「当該請求に係る自動車の運行による事故及び当該損害賠償額の確認をするために必要な期間」の意義及びその判断方法


日経新聞の報道では以下の通りになります。
判決によると、被害者の男性は2013年、仕事でトラックを運転中に軽自動車と衝突し、後遺障害が残った。労災保険から計約908万円の給付を受けたが、なお損害が残っているとして、加害者が自賠責保険に加入していた東京海上日動火災保険に対し、約580万円の支払いを求めて提訴した。
第1小法廷は判決理由で、自賠責保険制度の趣旨を「保険金で確実に損害の補填を受けられるようにし、被害者の保護をはかるもの」とし、保険金を優先的に受け取れないのは制度の趣旨に沿わないと指摘。政府の請求権によって被害者の請求権が妨げられるべきではないと判断した。
その上で、保険金344万円を被害者に支払うよう命じた二審、東京高裁の判断を維持。遅延損害金の算定についての審理を同高裁に差し戻した。



事実認定を見ていきます。
(1)平成25年9月8日,トラック乗務員として中型貨物自動 車を運転中,運転者の前方不注視等の過失により反対車線から中央線を越えて進入 した加害車両と正面衝突し,左肩腱板 断裂等の傷害を負い,その後,左肩関節の機能障害等の後遺障害が残った。
(2)加害車両について第1審被告を保険会社とする自賠責保険 の契約が締結されていた。
(3) 政府は,本件事故が第三者の行為によって生じた業務災害であるとして、平成27年2月までに,第1審原告に対し,労働者災害補償保険法に基づく給付として,療養補 償給付,休業補償給付及び障害補償給付を行った。
(4) 事故被害者が上記の労災保険給付を受けてもなお塡補されない本件事故に 係る損害額は,傷害につき303万5476円,後遺障害につき290万円であ る。また,本件事故に係る自賠責保険の保険金額は,傷害につき120万円,後遺障害につき224万円である。
(5) 事故被害者は,平成27年2月,本件事故に係る自賠責保険金額は傷害に つき120万円,後遺障害につき461万円であるなどと主張して,本件訴訟を提 起した。


中央分離帯を越えて対向車が来るとなれば、これは10:0ですね。それは余計な事として、後遺症と言っても程度の問題がありますが、肩をやられたとなればトラック運転手はもう無理でしょう。運転するだけではなく荷物の積み下ろしもありますから。

地裁ではこのような判断でした。
1 自動車の運行によって生命又は身体を害された者(以下「被害者」 という。)の直接請求権の額と労災保険法12条の4第1項により国に移転した直 接請求権の額の合計額が自賠責保険金額を超える場合には,被害者は,その直接請 求権の額が上記合計額に対して占める割合に応じて案分された自賠責保険金額の限 度で損害賠償額の支払を受けることができるにとどまる旨をいうものである。

これに対して最高裁は、
2 被害者が労災保険給付を受けてもなお塡補されない損害について直接請求権を行使する場合は,他方で労災保 険法12条の4第1項により国に移転した直接請求権が行使され,被害者の直接請求権の額と国に移転した直接請求権の額の合計額が自賠責保険金額を超えるときで あっても,被害者は,国に優先して自賠責保険の保険会社から自賠責保険金額の限 度で自賠法16条1項に基づき損害賠償額の支払を受けることができるものと解するのが相当である。

その理由として、
(1) 自賠法16条1項は,同法3条の規定による保有者の損害賠償の責任が発 生したときに,被害者は少なくとも自賠責保険金額の限度では確実に損害の塡補を 受けられることにしてその保護を図るもの。
(2) 労災保険法12条の4第1項は,第三者の行為によって生じた事故につい て労災保険給付が行われた場合には,その給付の価額の限度で,受給権者が第三者に対して有する損害賠償請求権は国に移転するものとしている。


自賠責保険については、大昔自動車教習所で習った記憶があります。
この2点を理由に、主張内容は認めるがその根拠は違うと言っています。

自賠法16条の9第1項にいう「当該請求に係る自動車の運行によ る事故及び当該損害賠償額の確認をするために必要な期間」とは,保険会社におい て,被害者の損害賠償額の支払請求に係る事故及び当該損害賠償額の確認に要する 調査をするために必要とされる合理的な期間をいうと解すべきであり,その期間については,事故又は損害賠償額に関して保険会社が取得した資料の内容及びその取 得時期,損害賠償額についての争いの有無及びその内容,被害者と保険会社との間の交渉経過等の個々の事案における具体的事情を考慮して判断するのが相当である。

ごもっともです。

第一小法廷判決
裁判長裁判官 小池 裕
裁判官 池上政幸
裁判官 木澤克之
裁判官 山口 厚
裁判官 深山卓也

自賠責か労災かどちらを優先するかですが、自動車の運転は必ずしも仕事だけで運転するわけではない、むしろ仕事以外で運転する方が全体の数から言って多いのではないでしょうか。そういったことからもまずは自賠責で払うべきではないかと思います。

岡口裁判官の分限裁判2:原告側の主張

2018-10-22 12:31:03 | 日記
ざっくり探してみましたが、書面で訓戒の処分が出ていると思うのですが、その文書は未だ見つかりません。

分限裁判の記録 岡口基一:分限裁判の記録です。研究者の方向けが更新されました。
原告側が書いているので、当然自分に有利な見解のみを掲載しています。法律家なので彼らは当然法律論でのみ論じています。
問われているのは品位の問題ではないでしょうか。

弁護士ドットコムのブログ、岡口裁判官の分限裁判・緊急弁護士アンケート 101人のコメント全文(上)では
懲戒処分に該当する→22人(6.75%)
懲戒処分に該当しない→297人(91.10%)
わからない・どちらとも言えない→7人(2.15%)

だったそうです。繰り返しますが、法律論から言えばそうなのでしょうが、問われているのは品位です。
司法関係者の浮世離れ感は、逆に恐怖ら覚えます。

岡口裁判官の分限裁判:戒告処分の判断

2018-10-17 20:58:10 | 日記
情報源は現在当事者である岡口裁判官のツイートのみです。

岡ロ基ー

@okaguchikii

本日、分限裁判で、戒告処分がされました。
現在、弁護団と対応を検討中です。

2:35 - 2018年10月17日

この人の事なので、全文を公開するのではないかと思います。

はぁ?レベル判決 債務免除は所得と認定、期限切れでも抗弁できる

2018-10-16 13:12:18 | 日記
平成29(行ヒ)209  納税告知処分等取消請求事件
平成30年9月25日  最高裁判所第三小法廷  判決  棄却  広島高等裁判所

 給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限が経過したという一事をもって,その納付義務を成立させる支払の原因となる行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことが許されないとはいえない


マスコミでは取り上げられなかったようなので事実確認から見ていきましょう。

理事長であったAに対し,同人の上告人に対する借入金債務の免除をしたところ,所轄税務署長から,上記の債務免除に係る経済的な利益がAに対する賞与に該当するとして,給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分及び不納付加算税の賦課決定処分を受けたため,被上告人を相手に,上記各処分(ただし,上記納税告知処分については審査請求に対する裁決による一部取消し後のもの)の取消しを求める事案である。

理事長がその組織から借金をしていたのですが、その借金を退職のときに免除してもらったようです。これは、所得税法の所得に該当するようです。

昭和56年頃から,上告人及び金融機関から繰り返し金員を借り入れ,これを有価証券の取引に充てるなどしていたが,いわゆるバブル経済の崩壊に伴い,借入金の弁済が困難であるとして上告人に対し借入金債務の減免を求めた。これに対し,上告人は,平成2年12月以降,Aに対し度々その利息を減免したものの,その元本に係る債務の免除には応じなかった。

農協ですかね。元本どころか利子すらも返さなかったようです。仕方ないので、利息の一部は減免してやったようです。こんなのが理事をやっている組織とは信じられません。コンプライアンスはどうなっているのでしょうか。

Aは,平成16年7月23日,株式会社Bとの間で,借入金のうち6500万円を分割弁済した場合にはその余の支払義務の免除を受ける旨を合意して,同社に対して6500万円を分割弁済し,同17年7月31日,同社から,借入金残元本4382万1143円等の債務の免除を受けた・・・が、資産に増加はなかった。

そりゃそうですね。借金を棒引きしてもらったのですから資産が増える訳がありません。

本件旧通達は,その本文において,債務免除益のうち,債務者が資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難であると認められる場合に受けたものについては,各種所得の金額の計算上収入金額又は総収入金額に算入しないものとする旨を定めていた。


何ですかこの規則は!!!!借金して全財産処分しても返せなくなった、その分を免除してもらった金額は収入として計算しないというものです。何のために破産法があるのでしょうか!!これは法の矛盾ですね。

借入金債務の額は,平成19年12月10日当時,55億6323万0934円であったところ,上告人は,A及び同人の元妻から,その所有し又は共有する不動産を総額7億2640万9699円で買い取り,その代金債務と上記借入金債務とを対当額で相殺するとともに,Aに対し,上記相殺後の上記借入金債務48億3682万1235円を免除した。

そこで

所轄税務署長は,平成22年7月20日付けで,上告人に対し,本件債務免除益がAに対する賞与に該当するとして,本件債務免除等に係る平成19年12月分の源泉所得税につき,納付すべき税額を18億3550万6244円とする納税告知処分及び納付すべき加算税の額を1億8355万円とする不納付加算税の賦課決定処分をした。

異議申立てに対する決定において,Aについて「資力を喪失して債務を弁済することが著しく困難と認められる場合」に当たるとして本件旧通達が適用されたため,本件債務免除益についても本件旧通達の適用により課税の対象とならないと考え,Aとその旨確認の上,本件債務免除をしたのであるから,本件債務免除益が納税告知処分の対象になるのであれば,上告人とAが確認した前提条件に錯誤があり,これは要素の錯誤であるから,本件債務免除は無効である旨主張している。

随分勝手な会社な気がしませんか?金額が金額でしょう。

結論
給与所得に係る源泉所得税の納税告知処分について,法定納期限が経過したという一事をもって,当該行為の錯誤無効を主張してその適否を争うことが許されないとする理由はないというべきである。

えええ????この金額で税務署と相談もなかったというのはあり得ないでしょう。と思っていたところ、裁判官山崎敏充の補足意見がでました。
本件債務免除がされた時に,Aが上告人の理事長であったことからすると,Aが有していた資産の状況について,上告人において正しく認識することが困難であったということはできない道理であるし,その資産の評価方法について,自ら考える評価方法とは異なる評価方法が相当とされることもあり得ることは当然に認識し,また,認識すべきものであるから,そもそも本件債務免除に関し要素の錯誤があったといえるかについては種々疑問が提起され得るのであり,十分な検討に基づく慎重な判断が求められるところであろう。

お手盛り状態で債務免除をやっているので、これは少なくとも公平ではないです。これは裁判の論点ではないので論じられませんでしたが、ここは法の整備が求められます。

裁判長裁判官 山崎敏充  もう少し踏み込んで欲しかった
裁判官 岡部喜代子 はぁ?レベル
裁判官 戸倉三郎 はぁ?レベル
裁判官 林 景一 はぁ?レベル
裁判官 宮崎裕子 はぁ?レベル

これって税務署に確認しなかったミスでしょう。それとも税理士か何かに言われたのでしょうか?こんなごね方を許すのはどうかと。何のための期限なんだか。

外国籍の調停委員就任拒否

2018-10-15 09:56:46 | 日記
神奈川新聞の報道です。

家事調停委員の人選を巡る裁判所の方針に、神奈川県弁護士会が反発を強めている。同弁護士会が候補者として推薦した女性弁護士が外国籍であることを理由に、裁判所側に就任を断られたためだ。同弁護士会は芳野直子会長名で声明を公表し、日本国籍の有無によらず、有為な人材の登用に道を開くよう最高裁などに改善を求めた。
 家事調停委員は、家裁で行われる調停を担当する非常勤公務員。家族間の紛争を巡って当事者双方の間に入り、主張を整理・調整しながら合意による解決を仲立ちする。同弁護士会は任期2年の改選時に、横浜家裁からの依頼に基づいて候補者を募り、その中から推薦している。


よく分かりませんが、なぜ弁護士が調停員になるのでしょうか?確かにそういう例あないわけではないですが、通常一般人から選ばれます。なぜ、調停員にこだわるのかよく分かりません。
しかも、調停員にはなりたいとと思った人が必ずしもなれる訳ではありません。私の知っている上場企業の元社長(法学部出)が拒否されています。人格的にも申し分ない人だと思うのですが。
多分選ばれるにせよ、選ばれないにせよ、最高裁はこの件でコメントを出すとは思えませんが、結果は注目していきたいと思います。


この家事調停制度は日本独特のものらしく、欧米ではありえないそうです。見知らぬおじちゃん、おばちゃんに家庭の中を見られ、ああだこうだと言われるのを想像すると、この制度はどうなのかなという気がしています。ならば、裁判員制度でやった方がよほど良いかと思います。

当然判決 郵政雇用延長なし

2018-10-08 09:33:19 | 日記
平成29(受)347  地位確認等請求事件
平成30年9月14日  最高裁判所第二小法廷  判決  棄却  東京高等裁判所

 1 郵便関連業務に従事する期間雇用社員について満65歳に達した日以後は有期労働契約を更新しない旨を定める就業規則が労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるとされた事例
2 郵政民営化法に基づき設立されて日本郵政公社の業務等を承継した株式会社がその設立時に定めた就業規則により日本郵政公社当時の労働条件を変更したものとはいえないとされた事例
3 期間雇用社員に係る有期労働契約が雇止めの時点において実質的に期間の定めのない労働契約と同視し得る状態にあったということはできないとされた事例


弁護士ドットコムによると
日本郵便が、非正規労働者に65歳の定年(更新上限)をもうけていることをめぐり、雇止めされた元期間雇用社員9人が雇用の継続などを求めていた訴訟で、最高裁第二小法廷(菅野博之裁判長)は9月14日、雇止めを有効とした一・二審を支持し、原告側の上告を棄却する判決を出した。
郵政民営化にともない、日本郵便は2007年、就業規則で65歳以上の非正規社員とは契約を更新しないという条項をもうけた。この結果、2011年9月末に65歳以上の非正規社員1万2245人が雇止めされたという。
一方、労働者側は突然の定年設定に反発。(1)定年制が必要なことに正当性がないこと、(2)非正規労働者の不利益が大きいこと、などを訴えていた。
判決は、高齢の労働者について、加齢による体力の低下などを前提に処遇を一律に決めることには合理性があると判断。労働者側は、定年制をつくったことは労働条件の不利益変更であるとも主張したが、最高裁は旧公社と日本郵便との継続性を否定し、問題なしとした。


国鉄がJRに変わるときに似たようなことがあったように思います。

事実認定を見ます。
(1) 平成18年1月,郵政民営化法に基づき,郵政事業の分割民営化(以下「郵政民営化」という。)の準備を行うための組織として,日本郵政株式会社(以下「日本郵政」という。)が設立され,同19年10月1日,日本郵政を持株会社として,郵便事業株式会社,郵便局株式会社,株式会社ゆうちょ銀行及び株式会社かんぽ生命保険が発足した(以下,上記5社を「承継会社」と総称する。)。
(2)上告人は,平成19年9月30日まで,旧公社の非常勤職員であったが,同年10月1日,被上告人との間で有期労働契約を締結して,これを7回から9回更新し,上告人X1,同X2,同X3,同X5,同X6及び同X8は同23年9月30日まで,上告人X7及び同X9は同24年3月31日まで,それぞれ時給制の期間雇用社員として,郵便物の集配,区分け作業等の郵便関連業務に従事していた。
(3)ア 旧公社の職員は,日本郵政公社法(平成17年法律第102号による廃止前のもの)50条及び国家公務員法2条2項により,一般職の国家公務員としての地位を有することとされていた。同法附則13条は,一般職の国家公務員に属する職員に関し,別に人事院規則をもって同法の特例を規定することができる旨規定しており,人事院規則8-12-7による全部改正前の人事院規則8-12(職員の任免)74条は,任期が満了した場合においてその任用が更新されないときは,職員は,当然退職するものとする旨規定していた。
イ 上告人X1らを含む旧公社の非常勤職員は,旧公社の解散する日の前日である平成19年9月30日が最終の予定雇用期間の満了日とされており,同日,旧公社を退職した。
(4)ア 「会社の都合による特別な場合のほかは,満65歳に達した日以後における最初の雇用契約期間の満了の日が到来したときは,それ以後,雇用契約を更新しない。」と定めている。
イ 本件上限条項は,期間雇用社員の従事する業務が,屋外業務,立った状態での作業,機動車の乗務,機械操作等(以下「屋外業務等」という。)であり,高齢の期間雇用社員について契約更新を重ねた場合,過大な業務負担による事故等が懸念される点や,体力等に問題のある期間雇用社員につき個別に雇止めをすることとした場合,当該雇止めが争われることによって職場に混乱が生ずるおそれがある点を考慮して定められたものである。なお,被上告人においては,期間の定めのない労働契約(以下「無期労働契約」という。)を締結している社員(以下「正社員」という。)の定年は満60歳とされているところ,被上告人は,定年退職後に継続して就労する者について,高齢再雇用社員就業規則に基づき,雇用期間を1年として再雇用し,これを更新することとしている。


そりゃそうですよ。60過ぎあたりから肉体労働をするには、かなり個人差が出てきます。一律に雇用を継続するとなると、労災対策に影響が出ます。

(5) 承継会社における就業規則
ア 旧公社は,日本郵政との調整等を経て,職員が自由に閲覧することができる状態で備え置いた。
イ 旧公社は,平成19年9月,上告人らの事業場を含む各事業場において,当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合には当該労働組合に対し,そのような労働組合がない場合には労働者の過半数を代表する者に対し(以下,上記の労働組合又は労働者の過半数を代表する者を「過半数代表者等」という。),承継会社における就業規則(本件規則を含む。)の制定についての意見を聴取する手続を行った。
ウ 本件規則は,同22年10月1日から適用することとされていた。
エ 日本郵政グループ労働組合は,平成22年2月頃,被上告人に対し,本件上限条項の適用開始時期を延期するよう申し入れた。被上告人は,これを受けて,本件上限条項の適用開始時期を6か月延期することとし,過半数代表者等に対する意見聴取を行った上,同年9月,本件規則附則2条を改定して,本件上限条項の適用開始時期を平成23年4月1日とした。
オ 日本郵政は,平成19年9月,郵政民営化法171条の規定に基づき,各労働組合との間で,承継会社における労働条件に関する労働協約を締結した。


ちゃんとやってますね。組織が変わるので、雇用規則を変えますよ。だからたたき台を用意して、職場において誰がいつでも見られる状態にして、過半数代表者会議で意見を聞いていますよね。その上で制度として導入するよと契約を交わしました。

(6) 被上告人における時給制の期間雇用社員の雇用期間は6か月以内とされており,被上告人は,期間雇用社員の雇用(契約更新の場合を含む。)に際し,当該期間雇用社員に対し,雇用契約期間等の労働条件を記載した書面を交付していた。また,被上告人は,雇用期間の満了まで残り1か月程度になった時点で,期間雇用社員に対し,期間満了予告通知書を交付しており,契約更新を希望する場合には採用担当者まで申し出るよう求めていた。もっとも,期間雇用社員が明示的に希望する旨を伝えなくても,有期労働契約が更新されることがあった。
(7)ア 被上告人は,平成23年8月,同年9月30日をもって雇用期間が満了する期間雇用社員に対し,期間満了予告通知書を交付したが,同日時点で満65歳に達している期間雇用社員(上告人X7及び同X9以外の上告人らを含む。)に対しては,本件上限条項により契約を更新しない旨を記載した雇止め予告通知書を交付して,その有期労働契約を更新しなかった。
イ 被上告人は,平成24年2月,同年3月31日をもって雇用期間が満了する期間雇用社員に対し,期間満了予告通知書を交付したが,同日時点で満65歳に達している期間雇用社員(上告人X7及び同X9を含む。)に対しては,本件上限条項により契約を更新しない旨を記載した雇止め予告通知書を交付して,その有期労働契約を更新しなかった。
(8) 被上告人は,本件上限条項の定める「会社の都合による特別な場合」とは,期間雇用社員が業務遂行能力を確実に備えており,かつ,当該期間雇用社員の雇止めによる欠員について補充を行う必要があるものの,これが困難であると所属長が認める場合を指すものとして運用を行っていた。満65歳以上の期間雇用社員につき,有期労働契約の更新又は再雇用がされた例はなかった。


原審では、再雇用は形式的に進められてきたとしていますが、原審の事実認定がおかしいですね。ましてや、65歳近くで炎天下や寒風の中バイクを運転して配達は危険すぎるでしょう。

定年を定める場合には60歳を下回ることができないとした上で,65歳までの雇用を確保する措置を講ずべきことを事業主に義務付けているが(8条9条1項),本件上限条項の内容は,同法に抵触するものではない。


これらの事情に照らせば,本件上限条項は,被上告人の期間雇用社員について,労働契約法7条にいう合理的な労働条件を定めるものであるということができる。

郵政民営化法167条
は,旧公社の解散の際現に旧公社の職員である者について,別の辞令を発せられない限り,承継計画の定めるところに従い,承継会社のいずれかの職員となる旨定めている・・・したがって,被上告人が本件上限条項を定めたことにより旧公社当時の労働条件を変更したものということはできない。



結論は
これらの事情に照らせば,上告人らと被上告人との間の各有期労働契約は,本件各雇止めの時点において,実質的に無期労働契約と同視し得る状態にあったということはできな
い。


裁判長裁判官 菅野博之 当然
裁判官 鬼丸かおる 当然
裁判官 山本庸幸 当然
裁判官 三浦 守 当然


当然すぎる判断ですね。これは事実認定だけが問題であって、法解釈については議論の余地がないように思えます。

どうなる?裁判官のツイート裁判

2018-10-07 16:11:40 | 日記
この人が最高裁判事をやっていないだけ良かったとみるべきか・・・
読売新聞の報道です。

裁判官ツイート、求められる品位とは…近く判断
2018年10月07日 09時40分
 裁判官によるツイッターの投稿内容に求められる「品位」とは――。こうした点が初めて争われた分限裁判で、最高裁大法廷(裁判長・大谷直人長官)は近く判断を示す。SNSが広く社会に浸透する中、法曹界でもこの論点を巡って議論が起きている。
 ◆異例の存在
 投稿内容が問題とされたのは、東京高裁の岡口基一裁判官(52)だ。岡口氏は5月、公園で拾われた犬の返還を元の飼い主の女性が求めた民事訴訟について「この犬を捨てたんでしょ? 3か月も放置して」などと投稿。女性は「無神経な投稿だ」と同高裁に抗議した。
 岡口氏は2008年以降、自身のツイッターで裁判や司法制度などをテーマに1日数十回、計約7万3000件投稿した。これらは勤務時間外に行われ、裁判官のSNS利用を禁じる規則もないが、判決文や法律誌以外の実名発信を控える傾向が強い裁判所内では異例の存在だ。ネット上では「裁判官が身近に感じられる」と支持する声も上がり、今年6月に閲覧できなくなる頃にはフォロワー数が4万人を超えていた。
 同高裁は7月、今回の投稿内容が裁判所法の懲戒対象となる「裁判官の品位を辱める行状」にあたるとして、岡口氏の処分を求めて分限裁判を申し立てた。
 ◆「公正と中立」
 岡口氏は過去にも、投稿内容が不適切だったとして高裁から厳重注意を2度受けていた。最高裁は、今回の投稿内容だけでなく、過去の投稿内容も踏まえて判断するとみられる。
 その際、判断のポイントとなるのが、一連の投稿内容が裁判官に求められる品位を欠き、裁判官全体や裁判所への国民の信頼を損なうといえるかどうかだ。

岡口裁判官のツイートブログです。

これがせめて匿名ならまだしも、裁判官と分かる状態での書き込みある以上看過できないでしょう。
非公開のはずの判決文がリンクされた事がありました。これは裁判所職員が公開可能に設定していたことが大きな原因のようですが。