最高裁判所裁判官の暴走を許さない

最高裁判所裁判官の国民審査は、衆議院選挙の時の「ついでに」ならないようにしましょう。辞めさせるのは国民の権利です。

当然判決 1.35倍の1票の格差は許容範囲内

2023-02-28 14:51:12 | 日記
令和4(行ツ)131  選挙無効請求事件
令和5年1月20日  最高裁判所第二小法廷  判決  棄却  東京高等裁判所
 令和3年10月31日施行の衆議院議員総選挙当時、衆議院比例代表選出議員の選挙に関する公職選挙法(令和4年法律第89号による改正前のもの)13条2項及び別表第2、86条の2並びに95条の2は憲法14条1項等に違反しない

昨年の衆院比例、最高裁「合憲」 「一票の格差」判決
令和3年10月の衆院選比例代表は「一票の格差」が生じ違憲だとして、弁護士グループが東京と南関東ブロックの選挙無効を求めた訴訟の上告審判決で、最高裁第2小法廷(三浦守裁判長)は20日、合憲として請求を退けた東京高裁判決を支持し、原告側の上告を棄却した。4人の裁判官全員一致の意見。原告側の敗訴が確定した。

1ページ判決です。

論旨は、令和3年10月31日に行われた衆議院議員総選挙のうち東京都選挙区及び南関東選挙区における比例代表選出議員の選挙について、衆議院比例代表選出議員の選挙に関する公職選挙法の規定は憲法に違反しており、これに基づいてされた上記各比例代表選出議員の選挙は無効である旨をいう。

選挙のたびに、この訴えが出てきますね。

しかしながら、令和4年法律第89号による改正前の公職選挙法13条2項及び別表第2、86条の2並びに95条の2が憲法14条1項、15条1項、3項、43条44条47条等の憲法の規定に違反するものでないことは、最高裁平成11年(行ツ)第7号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1441頁、最
高裁平成11年(行ツ)第8号同年11月10日大法廷判決・民集53巻8号1577頁の趣旨に徴して明らかである。


裁判官全員一致の意見
裁判長裁判官 三浦 守
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美
裁判官 尾島 明

当然ですね。1.35倍の格差でしょう?2倍以下なら受け入れるべきです。地裁で訴えの資格なしの判決を出してもいいレベルです。何で最高裁まで続いたのか分からないくらいです。

当然判決 横領が原因の借金であっても財産分与の対象

2023-02-22 20:00:40 | 日記
令和3(受)1115  離婚等請求本訴、同反訴事件
令和4年12月26日  最高裁判所第二小法廷  判決  破棄差戻  東京高等裁判所
離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことは許されない

マスコミ報道がないので事実確認から始めます。

1 ある人が離婚申請して、財産分与を求めてきました。
2 家裁では通常通り財産分与も含めた離婚が認められました。
3 上告人に対して財産の横領等を理由に1億5767万円余の損害賠償を求める訴訟が係属中であること等に照らせば、本件出資持分については、現時点で、上告人の上記医療法人に対する貢献度を直ちに推し量り、財産分与の割合を定め、その額を定めることを相当としない特段の事情があるから、財産分与についての裁判をすることは相当ではない。


おっと、厄介な話ですね。

民法は、協議上の離婚に伴う財産分与につき、当事者間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができると規定し(768条2項本文)、この場合には、家庭裁判所は、当事者双方がその協力によって得た財産の額その他一切の事情を考慮して、分与をさせるべきかどうか並びに分与の額及び方法を定めると規定している(同条3項)。

通常、婚姻後に作られた財産を全て分けろということになってますよね。

民法768条3項及び人事訴訟法32条1項の文言からすれば、これらの規定は、離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合には、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の全部につき財産分与についての裁判がされることを予定しているものというべきであり、民法、人事訴訟法その他の法令中には、上記財産の一部につき財産分与についての裁判をしないことを許容する規定は存在しない。

結論
離婚請求に附帯して財産分与の申立てがされた場合において、裁判所が離婚請求を認容する判決をするに当たり、当事者が婚姻中にその双方の協力によって得たものとして分与を求める財産の一部につき、財産分与についての裁判をしないことは許されないものと解するのが相当である

裁判官全員一致でした。
裁判長裁判官 三浦 守
裁判官 草野耕一
裁判官 岡村和美
裁判官 尾島 明

要するに不法行為が原因の借金だろうが連帯責任ってことのようです。この横領した1億円が生活費になっていたなら仕方ないでしょう。全て浮気相手に使われていたら、こういう判決になるんでしょうか。

社会保険審査会が審査結果通知の放置

2023-02-07 13:06:01 | 日記
令和3(行ヒ)120  処分取消等請求事件
令和4年12月13日  最高裁判所第三小法廷  判決  その他  広島高等裁判所
 健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が被扶養者に該当しない旨の通知は、健康保険法(平成26年法律第69号による改正前のもの)189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当する

事実認定から見ていきます。
(1)上告人の妻を、健康保険法3条7項1号所定の被扶養者に該当するものとしていた。  上告人の妻の収入が本件組合の定める基準を満たさなくなったことを理由として、平成27年9月10日付けで、上告人に対し、上告人の妻は同26年1月1日時点で被扶養者に該当しない旨の通知をした。   

今国会で話題の三号被保険者の件ですね。妻が稼いだので、保険の対象外になった旨連絡したようです。

(2)ア法189条1項は、・・・その決定に不服がある者は社会保険審査会に対して再審査請求をすることができる旨規定する。  イ 上告人は、平成28年7月28日付けで、法189条1項に基づくものとし- 2 -て、本件通知についての審査請求をしたが  、近畿厚生局社会保険審査官は、本件通知は処分に該当しないことを理由に、同年8月5日付けで、本件審査請求を却下する決定をした。ウ 本件再審査請求を却下する裁決をした。
一応、おかしいでしょ?とクレームをつけたとろ、決定はひっくり返らず、再度請求しましたが駄目でした。これを不服として起こした裁判のようです。
これについて最高裁は、  ア 法において、被扶養者とは、被保険者と一定の親族等の関係がある者であって、主としてその被保険者により生計を維持するなどの要件を満たすものをいう(3条7項)。  
七 後期高齢者医療の被保険者(高齢者の医療の確保に関する法律(昭和五十七年法律第八十号)第五十条の規定による被保険者をいう。)及び同条各号のいずれかに該当する者で同法第五十一条の規定により後期高齢者医療の被保険者とならないもの(以下「後期高齢者医療の被保険者等」という。)


なるほど。後期高齢者になったので外れたようですね。

イ 被扶養者が保険医療機関等からいわゆる保険診療(家族療養費の支給を受けるべき療養)を受けようとする場合には、被保険者が保険医療機関等から保険診療(療養の給付)を受けようとする場合と同様に、やむを得ない理由がない限り、被保険者証を当該保険医療機関等に提出しなければならないとされている(法63条3項、110条7項、規則53条、90条)。  

保険の状況が変わったらさっさと連絡しなさいということのようです。

ウ  健康保険組合が管掌する健康保険の被保険者が被扶養者を有するかどうかについては、健康保険組合においてその認定判断をし、その結果を被保険者に通知することを当然に予定しているものと解される。規則が、被扶養者届や被扶養者に係る被保険者証の交付のほか、被扶養者に係る定期的な確認について規定しているのも、法の上記の趣旨を受けたものということができる。そうすると、上記の通知は処分に該当すると解するのが相当である。
   (3)  健康保険組合が被保険者に対して行うその親族等が被扶養者に該当しない旨の通知は、法189条1項所定の被保険者の資格に関する処分に該当すると解するのが相当である。   
  第3 職権による検討原審は、前記事実関係等の下において、本件通知の取消請求を棄却すべきものとした。しかしながら、前記第2のとおり、本件審査請求が不適法である以上、上記取消請求に係る訴えは、不服申立ての前置を規定する法192条の要件を満たさない不適法な訴えであることが明らかであり、これを却下すべきである。
なんでこれが最高裁まで訴えられたのかよくわかりません。緊急手術が必要で間に合わない?いやほかにも支払いの代替手段があると思うんですけど、よくわかりません。
旧行政不服審査法14条は、「やむをえ ない理由」と「正当な理由」を明確に区別していたが、これは、前者を後者よりも 厳格に制限する趣旨であった。そのため、旧行政不服審査法57条1項が定める教 示の懈怠は、「やむをえない理由」に当たらないとするのが裁判例の大勢であった 。


何だかよくわかりません。これは議論する意味があるのでしょうか?と思っていたところ、最初の部分  平成27年9月10日付けで、上告人に対し、上告人の妻は同26 年1月1日時点で被扶養者に該当しない旨の通知・・・ということは、1年以上放置されていたのですね。その間に病院に行った分が自己負担になると。  なるほど。

裁判官宇賀克也の反対意見
4条1項本文は、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内に審査請求をしなければならないと定めており、同項ただし書は、「正当な事由によりこの期間内に審査請求をすることができなかったことを疎明したときは、この限りでない」と規定している。本件審査請求は、同項本文が定める主観的審査請求期間を経過してからなされているので、同項ただし書の「正当な事由」の有無が問題になる。   ・・・  行政不服審査法(平成26年法律第68号による全部改正前のもの。以下「旧行政不服審査法」という。)14条1項本文は、主観的審査請求期間を原則として、処分があったことを知った日の翌日から起算して60日以内としており、同項ただし書は、天災その他審査請求をしなかったことについて「やむをえない理由」があるときは、この限りでないとしていた。

そうなりますね。

上告人は、本件却下裁決があったことを知った日から6か月以内に本件訴訟を提起し ているので、出訴期間を遵守しており、不適法な訴訟とはいえず、原審が本件通知の取消請求について本案判断をしたことは相当である。  

 今回は宇賀裁判官の言っていることのほうが筋が通っているように思えます。が、反対意見はかなり端折りました。長すぎます。

裁判長裁判官 長嶺安政    今一つ
裁判官 宇賀克也   まとも
裁判官 林 道晴    今一つ
裁判官渡 惠理子     今一つ