教室・自然いろいろブログ

グループ彩雲の創作活動と身近な自然の観察記録

アケビの受粉

2010年04月15日 | 自然
森の家周辺にはたくさんのアケビが見られます。
よく見られるのは葉が3枚のミツバアケビです。



今まさに花盛り!



深い赤紫色が美しいですね。

小さい方が雄花



6本の雄しべがあります。

大きい方が雌花



バナナの房のような雌しべの先端は
粘性のある蜜のようなもので濡れています。

アケビは自家不和合性という性質をもっていて
自分の花粉では結実しにくいのです。
そのためか森の家周辺ではめったにミツバアケビの実を
目にすることがありません。

家にあるアケビは葉が5枚のもの。



秋には実が鈴なりになりますが
毎年花のこの時期に
ご近所のアケビ仲間の I さん宅から
雄しべをいただいて受粉させているのです。

アケビは北面以外すべてに這わしてあるので
雌花の量はたいしたもの。
高いところもあり受粉作業はけっこう時間がかかるのですが
今年はどうしても作業時間がとれない・・・



とても気になっていたところ
なんと知らぬ間に I さんがご自宅の雄しべ持参で
受粉作業をしてくださっていたのです!
数日にわたって、しかも脚立までのぼって・・・
本当にありがたいことです。

近づいて見てみると



雌しべの先に雄しべがしっかりくっつけられています(矢印部分)
雨が降ってもこのままです。

父が亡くなったのは一昨年の10月末
ちょうどアケビの実が見られるころでした。

葬式に参列してくださった I さんは



お棺に入れるようにと
ご自宅で実ったアケビを蔓ごと持ってきてくださいました。
そのあたたかいお心遣いに
とても感激したのを今でも鮮明に覚えています。
その時までI さんと父に交流があったとは
ほとんど知らなかったのです。

秋には I さんにきれいな実りを見ていただきたい。
昨年はさぼりましたが、今年こそ父がしていたように
アケビに袋がけをしようと決めました。









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