Iさんは奈良・中宮寺の名高い御本尊を描かれました。
「菩薩半跏像(国宝)」 日本画 F6
あたたかみを帯びた暗く神秘的な背景の中に全てを包みこむような
微笑をたたえた観音さまが浮かび上がっています。艶やかな質感、
衣の流れるような優雅な表情、何より像の印象がたがわず表現されて
おり、見つめていると清清しく心が穏やかになるのを感じます。
近づいてみました。
悠久の時を感じさせるような深みのある空間ができるまで岩絵の具を
重ねてゆきました。像は盛り上がるほどに描き込み引き込まれるような
存在感があります。力強くも細やかな表現で、場所によって違う光沢の
味わいまで見事に描き出され、静かな魅力あふれる作品となりました。
明るく動きのある人物を描いてこられたIさん。新しい挑戦が始まりました。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の
中のIさんのページにされています。ぜひこちらもご覧下さい。