Nさんは躍動感溢れる馬たちを描かれました。
「麗しの君」 日本画 F10
栗毛に芦毛に黒鹿毛。いずれも美しい毛並みの馬たちが広々とした
草原を駆け抜けています。伸びやかで大胆な刷毛さばきで岩絵の具を
重ねられた背景は動きがあって、まるで馬たちの目を通した眺めを
見ているよう。生き生きと喜び駆ける馬たちに元気をもらえる作品です。
近づいてみました。
馬たちは骨格と筋肉の動きを意識して描きこまれ、ヒズメの音や
息遣いまで伝わってくるようです。場所によって筆を替え、タッチの
速さや強さを替えて、駆ける彼らが動かした空気の流れやスピード
まで表されています。画面全体に創意と活力が満ちています。
近作では筆遣いに変化が見られ、力強さが増しておられます。
過去の作品は制作順にHP「上郷の森 日本画教室」内の"作品集"の
なかのNさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。
Mさんは新緑の頃訪れたお寺に取材して描かれました。
「梵鐘と牡丹」 水彩画 F8
以前は夏の山門を描かれた龍華寺の、清清しく整えられた境内を
艶やかな牡丹が彩っています。量感たっぷりの茅葺屋根の下で
大切にされている梵鐘を主人公とし、そのたどってきた歴史や守って
きた人々に思いを馳せながらと重々しさが表れるまで描きこみました。
近づいてみました。
鉛筆デッサンで建造物の構造と茅葺屋根の質感などをやわらかく
描き出し、薄く溶いた水彩絵の具を少しずつ重ね深みを出しました。
暗く強い色を使っても持ち味の透明感は損なわれず、5月の澄んだ
光と古刹を取り囲む引き締まった空気を見事に表現されました。
Mさんの作品はどれも優しく、爽やかな風が流れているのです。
過去の作品はHP「上郷の森 日本画教室」内の“作品集”の中の
Mさんのページに掲載されています。ぜひこちらもご覧下さい。