癌春(がんばる)日記 by 花sakag

2008年と2011年の2回の大腸癌手術
   ・・・克服の先に広がる新たな春を生きがいに・・・

晴れて退院!

2008年03月10日 | 大腸癌日記
            
 14:00、入院以来26日間を過ごした病院を出て、術前の外泊以来半月ぶりに我が家に戻った。平地の雪は、この3日間の暖気でほとんど消えていた。玄関前で蕾を膨らませたフクジュソウが迎えてくれた。

 朝食前、階段昇降運動へ。体全体に元気が漲って来るのが分かるようだ。あっさりと2往復し、3往復目へとも思ったが、汗ばんで来たので止めておいた。明日から、階段昇降ができなくなるのが残念。近所の高層マンションの非常階段でも歩こうか・・・? 防犯カメラに写って怪しい人物と間違えられて通報でもされたら困るの止めとこう。まあ、散歩から徐々に・・・。

            

 次の外来通院は2週間後。その間の傷の手当ての消毒用の器具と薬、塗り薬、上から貼る大判のテープ状のもの(日常用と風呂用の2種類)、そして、病院でも飲んでいた腸の働きを良くする漢方薬をもらってきた。

 参加手続きをした「臨床治験」に関する日程等は、次の外来の時にでも聞けるであろう。また、治療費は、高額療養費の手続きを済ませてあったので、自己負担額は全体の12%ほど(高額療養費の対象となった2月は7%ほど、3月は30%)で済んだ。

 さて、退院しては来たが、ひとつ気懸かりなことが・・・。同じ病室で12日間ほど一緒に過ごした60代後半のおじさん・・・胃癌から始まり9年間も入退院を繰り返してきたそうだ。今は強い抗癌剤だけの治療らしく、服作用なのか何も食べていないのに、一日に何度も空吐きを繰り返す。見ていても非常に体力を消耗し辛そうだ。こっちがどんどん回復して行くのに対して、どんどん容態が悪くなって、ここ数日間は、尿管も付けられて寝たきりになった。

 このおじさん、私が手術を終えて戻ってきた頃は、まだ少しは元気で、立って歩くことができた。ベッドから起き上がれない術後の私に対して、「歩けないと脚に血栓ができるから」と私の脚を一生懸命揉んでくれた。とても気持ちが良く、嬉しくて涙が出そうだった。

 とうとう奥さんの夜中の付き添いも必要になったようで、昨夜遅く個室へ移された。昨日と一昨日、これまでにないほど家族や親戚の方々が続々見舞いに訪れていた。3日ほど前、毎日来るかわいい4歳くらいの孫が、突然「おじいちゃんは病院で死にます」と言った。周りには気まずい空気が流れた。

 多分、9年前に退院するときには、今日の私のように晴れ晴れとした気持ちで退院して行ったはずだ。また、2日前に隣に越してきて、今日手術日の男性も4年前に胃癌で手術し、最近1年半ほど油断して検査をサボっているうちに肝臓に転移していたそうだ。やはり、自覚症状がまったくなく、たまたま免許の切り替えで眼科に来ていてその血液検査で発覚したそうだ・・・。つくづく癌という病気は怖い!私も、これから5年間は参加手続きをした「臨床治験」のきめ細かな検査計画で管理しなくては・・・。

~今日の見舞い
元同職の先輩Miさん。元同職の後輩Saさんの奥さん。札幌のりんゆう観光のTuさんとNiさん。

 退院祝い 今日の夕食は、妻の慰労も兼ねて、お腹に優しい懐石料理を夜景を見ながら食べれる「煌(きら)」で退院祝いをした。食欲もばっちりで、出された料理はすべて平らげることができた・・・。