「ふるさとの話」 平成31年3月号

2019年12月21日 | ふるさとあれこれ


ふるさとの話  3月・51号                                  
                       
いよいよ、四月一日には新元号が発表されますね。
元号でどうして歳を数えますか。元号で老舗旅館の創業何年をどう計算したのでしょうか。
今月は元号と年数についてのお話です。
クイズのヒントも隠れています。

歳の数え方
私は、歳を聞かれた時「昭和20年生まれです。
え~っと、今年は昭和で言ったら昭和94年かな。今年の誕生日で74歳になります」と
言いますね。あなたはどうでしょうか。

元号で歳を数えるってなかなか難しいのです。
生まれてから、いくつも元号が替わると難しいのです。

昭和は64年、平成は31年、そして今年は新元号の1年です。私の誕生日は7月です。もし
も、5月1日よりも向こうに誕生日がある方なら、普通はこう計算するのです。

昭和と平成と新元号の三つを足します。そして合計から2を引きます。これは元号が重なっている
数だけ引くのです。
64+31+1から2を引いて、94です。この94から昭和20年生まれは、20を引くのです。
答えは74歳となりますね。

元号なんていちいち分かりにくいと言う方は、西暦を使います。
昭和20年は、西暦1945年です。新元号元年の今年は、西暦2019年です。
何のこともありません。2019年から1945年を引けば、74歳ですね。これは簡単便利です。

創業何年ですか
但馬の創業の古い会社を調べてみます。
但馬銀行は、明治30年(1897)香住町に美含銀行の名で創業です。
明治45年+大正15年+昭和64年+平成31年+新元号1年の計は156年、そこから4を引き
ます。元号が4回重なっているのです。差し引き合計は152年です。152年引く明治30年です
から、創業122年の但馬銀行となりますね。

何のこともない、西暦の2019年から1897年を引けば122年です。

衣川産業の創業は明和4年(1767)、小間物行李の店がルーツです。
およよ、どうして計算したのかな。
明和9年、安永10年、天明9年、寛政13年、享和4年、文化15年、文政13年、天保15年、
弘化5年、嘉永7年、安政7年、万延2年、文久4年、元治2年、慶応4年、明治45年、
大正15年、昭和64年、平成31年と新元号1年と、実に20も元号が続きます。
足して275年から19年引くのです。
合計が256年となります。明和4年を引くと、創業252年となりますね。ややこしいです。

なにも西暦で2019年引く1767年をすれば、ドンぴたり252年です。

ところが、その頃日本に西暦なんてありません。(1767)の数字は現代人があとで付けました。元号
の和歴しかありません。
キリスト教伝来の頃に、西暦は入ってきましたが全く実用化されていません。明治になってからが
やっとです。

千年の湯 古まん
城崎温泉には「千年の湯古まん」という老舗旅館があります。日本で4番目に古い企業と言われています。
巻物「日生下氏家宝旧記」に「養老元年に僧侶が訪れ、三年間修業をすると温泉が湧いた」と記述されてい
ます。

まんだら湯のことです。
かって曼陀羅屋敷と呼ばれ、明治に「古曼陀羅屋」と名を変え旅館を続けます。創業は、なんと養老
元年(717)と言うから驚きですね。

日本の元号は大化から始まって、平成まで247もあります。養老は、大化から11番目の元号で
す。そんな古い時代には(717)の西暦表示なんて絶対にありません。230を越す元号を、足し
て足してそれから引いて計算したのでしょうか。

難しいですね。答えは創業1302年となります。
今月は、元号と歳の数え方の話でした。

(元号で計算するって難しいです。来月は、昔の歳の数え方を書いてみます。)