散歩絵 : spazierbilder

記憶箱の中身

日曜日

2009-11-23 00:58:16 | 移動記録


朝はずっと雨が窓を叩いていたが9時過ぎには少しばかり雨雲は遠のいた。
Eifel地方のある村に芸術愛好家がサロンを開いており定期的に展覧会を企画していて友人のダンがそこで展覧会をするという。
私は彼から貰わねばならないものもがいくつかあったので、必ずオープニングには出かける約束をしていたから、嵐にならない限りは出かける覚悟であった。
しかし雨は上がり徐々に青空も見えはじめ、雲はまだ空の大半を覆っているとはいえ、散歩だってできそうな気配である。

サロンは気持ちのよい明るい部屋で、展覧会を楽しみに訪ねてくる常連達がいるようだった。展覧会として大きな仕事ではないけれども、こんな風に日常の中にアートを取り込んで行くのは喜ばしいことだと私は思う。

しばし彼の作品を楽しんだ後、相棒と私は近くを探索することに決めた。何しろEifel地方には素敵なハイキングコースが沢山ある。ほんの少し走るともうベルギーとの国境で湿原が広がっているはずなのだが、まだそこまでたどり着いたことが無い。春には原生の水仙が咲き乱れる、アイリスが咲き乱れる原があるがまだそこまで辿り着かない。(どんなわけだか道に迷ってたどり着かないのだ)来年こそはと毎年唱えている。地図も持たずに何処を歩こうかと迷っていると古そうなダムがあった。





ダムの横に傾斜は30度くらいの一本道があった。(気分的には45度か!と思うほどだった。何しろ場所によっては脇に生えている木の根をつかみながら昇った。)
こんな風に写真を撮るとあまりたいしたことは無さそうだけれど、昇り始めて中ほど山登り用の靴を履いてこなかったことを後悔。雨の後でもあって結構すべるのだ。胸突き坂だ。


昇り切るとダムを一望できる。

山の中はブルーベリーも生えて(もちろん今は坊主になっている)この辺りなら茸も色々ありそうである。

うっそうとした針葉樹の一角はかなり密に茂って暗い。まず一人では迷いそうで怖い。

どういうわけでかポップコーンのようにパカッとはじけていた茸

今回は用意不備でもあるのでしばらく適当に泥濘を避けながら歩き回って降りる。
冷たい風が強くて手が悴んだ。

Eifel地方の建物は石造りだ。

可愛らしい石積みの家が並ぶ町。素材の統一が町に落ち着いた表情を与える。
(上の写真とは違う町)






裸になった林檎の木に実が残っているのを度々見かけた。
木守りだ。これが日本なら柿の実が赤く生えているだろうなあと思いながら眺める。







散歩が第一目的ではなかったし天気も悪かったけれども思いがけず歩くことができて得した気分で機嫌よく帰路に着いた。今度こそ木道のある湿原に辿り着きたいものだ。