ブクログより
村上春樹さんがお父様について語った本として話題になりました。
お父様について少し、京都のお寺の6人兄弟の次男として生まれ、お坊さんの学校を出た後京都帝国大学の文学部で学ばれ、俳句同好会で句を詠んだり、もちろん勉学にもいそしまれ、とにかくまじめなで優秀な方だったらしいです。
その間に徴兵されて(対中戦争)中国戦線に送り込まれる。
実は村上さんが長らくお父様について触れられなかったのは、この戦争体験が大いに関係していたのでした。
村上さんはある疑惑を持っていて、その事実を知ることを避けてこられたのです。
しかしお父様がお亡くなりになりはっきりさせたくて、関係者の方々の話や、残された手記などから、お父様はその事件に関わっていなかったという確信をされ、肩の荷を下ろされたということですね?
そしてやっとお父様ときちんと向き合って、冷静に過去を振り返ることができたということですね?
20年以上疎遠で亡くなられる少し前に再開し、和解のようなことをしたとあります。
お父様にはお父様の思い、村上さんには村上さんの思い、お互いわかっていても譲れないものがあるし、親子なので頑なな性格も似ているだろうし、そういうことですよね?村上さん?
ということで、たぶんに私の私見が入った感想になりましたが、村上春樹さんがプライベートな部分を書かれた作品として、非常に珍しく貴重な一冊であると思います。
猫を棄てる / 村上春樹