できることを、できる人が、できるかたちで

京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

もっと「おかしい」と声に出して言おう。

2008-05-09 20:11:43 | ニュース

http://www.nikkei.co.jp/kansai/news/news000007.html

http://www.asahi.com/kansai/news/OSK200805080088.html

前から言っているように、御堂筋をイルミネーションで飾りたければ、橋下府知事が音頭をとって関西財界に呼びかけるなり、あるいは、個人の寄付を募ってやればいい。

それこそ、神戸ルミナリエを見習ってほしい。

http://www.kobe-luminarie.jp/

約5億7400万円の収入額のうち、2億7900万円が協賛企業からの出資(154社)だし、1億1700万円が募金で、神戸市や兵庫県などからの補助金は1億5500万円ほどである(上記ホームページにある2007(平成19)年度決算データより)。

なぜ、御堂筋をイルミネーションで飾る事業に、府が20億円も出資しなければならないのか。こういう事業こそ、個人や民間団体などからの募金、出資してくれる企業などを集めればいいのではないのか。それこそ「タレント知事」としての知名度を活かして、これまで交流を深めてきた大阪の有名芸能人に協力を呼びかけてもいいだろう。準備作業に市民ボランティアの参加を呼びかけて、人件費を削っていく道もあるだろうし、いろんな方法が考えられる。

「なぜ、今、多くの府の事業を廃止・予算削減等にして、府民生活にいろんなしわよせを食らわせようとしているなかで、あえてここだけ20億円出資なのか。理解に苦しむ」としか言いようのない話である。

今、府がこれまで行ってきた学校における子どもの人権救済・擁護に関する事業だとか、精神障害者の権利擁護事業、識字教室関連の事業、渡日生徒への支援事業など、多種多様な事業が、例の財政再建プログラム案によって打ち切られようとしている。そのひとつひとつの事業に府が出している予算を見れば、1事業あたり年間100万とか、300万とか、それほどたいした額ではないかもしれない。だが、それをいくつもあつめれば、20億円くらいの予算で、この打ち切ろうとしている事業の多くが継続できるだろうし、それによって、支えられている府民の数といえば、けっこうなものにのぼるだろう。

そういう府民生活のいろんな領域に一方でしわよせを食らわせてでも、あえて財政再建の道を選ぼうとしているなかで、なぜ今、御堂筋でイルミネーションなのか。到底、納得できるものではないし、府知事を前にした幹部の会合で、府庁の部長級職員から批判の声が多々でてくるのも当然。「もっと言え!」と、府庁の幹部職員には言いたいくらいである。

これに限らず、府庁内部で、幹部職員から現場の職員に至るまで、府民からの要望などを受けて、「必要な事業・施設は残せ」と、徹底的に反対の意思表示をしてもいいのではないだろうか。

昨日も書いたように、府職員の立場で、今後の府の財政が「赤字でいい」などということは、口が裂けてでもいうべきではない。

だが、本気で今まで自分たちが担ってきた仕事、行ってきた事業、維持・整備してきた施設に愛着と誇りがあるのなら、「今のこの財政再建案の内容や出し方はおかしいのではないか?」という、そういう声が府職員の間からあがってきてしかるべきだろう。

自分たちの行ってきた仕事や事業、施設運営が、本当に府民生活の向上につながっているという自負があるのなら、ここで徹底的に、府知事や財政再建PT案に対して、府職員として内部でできるだけの抵抗を行ってしかるべきだろう。

もっとみんな、今の府の財政再建案に対して何か「おかしい」と感じているのなら、そのことを、いろんなルートで言っていいのではないだろうか?

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