昨日は午後から神戸に行き、全国学校事故・事件を語る会の例会に出ていました。だいたい偶数月の第1か第2土曜日に定例の会(語る会では「小集会」と呼んでいます)が神戸で開かれるのですが、昨日も地元の兵庫や近隣の大阪の方だけでなく、関東から、広島のほうからと、毎回、遠いところからやってこられる方がいます。
さて、今朝の毎日新聞を見ていると、次のような社説がでていました。
http://mainichi.jp/select/opinion/editorial/news/20111009k0000m070149000c.html(社説:柔道死亡事故、「必修化」前に安全徹底を。毎日新聞のネット配信記事、2011年10月9日)
この社説には、この間、柔道事故の被害者の方々があちこちで訴えてこられたことが、比較的うまくまとめられているように思います。基本的には私、この社説で述べていることに賛成です。と同時に、もっと踏み込んでいうならば、「はたして、学校体育に柔道など武道の必修化がほんとうに必要なのか?」ということから検討したほうがいいのではないか? なぜ武道を学校外のスポーツ活動(いわゆる「社会体育」)でやろうとしないのか? という疑問が私にはあるので、そこから論じていただきたいと思うのですが。
それとともに、「学校で安全徹底が必要な活動は、柔道以外にもある」ということ。たとえば昨日の全国学校事故・事件を語る会には、学校でのスポーツ部活動中で起きた熱中症死亡事故でお子さんを亡くされた方や、夏場の海での遠泳中にお子さんを亡くされた方が来ておられました。あるいは、この間、このブログで何度も取り上げて書いてきたような子どもの自殺の問題についても、自殺の背景には学校での諸問題に起因すると思われるケースが多々あります。さらには、子どもが亡くなるに至らなくとも、重い後遺症を心身に残しているケースは、亡くなったケース以上に多々あるはずです。
従前の学校保健法を改正する形で、2008年には「学校保健安全法」が制定され、2009年から施行されました。この「学校保健安全法」の第3条には、次のような条文があります。『解説教育六法(2011年版)』(三省堂)から、色を変えて引用しておきます。
国及び地方公共団体は、相互に連携を図り、各学校において保健及び安全に係る取組が確実かつ効果的に実施されるようにするため、学校における保健及び安全に関する最新の知見及び事例を踏まえつつ、財政上の措置その他の必要な施策を講ずるものとする。
2 国は、各学校における安全に係る取組を総合的かつ効果的に推進するため、学校安全の推進に関する計画の策定その他所要の措置を講ずるものとする。
3 地方公共団体は、国が講ずる前項の措置に準じた措置を講ずるように努めなければならない。
この法律があらためて施行されてから2年になりますが、何か国や地方公共団体(=自治体)において、具体的な子どもたちの学校での安全に関して、何か計画が策定されたり、必要な措置が講じられたりしたのでしょうか? 少なくとも私、聴いたことがないのですが・・・・。
ですから、毎日新聞の社説の紹介に加えて、学校で安全徹底が必要な活動は柔道以外にもいくつかありますし、また、国や自治体レベルで子どもの学校での安全確保に向けて取り組むべきことも多々ある。そのことを、あえて今日は指摘しておきたいと思います。
なお、子どもの自殺防止策に関することは、あともう1回、あすくらいにこのブログで書いて、いったん終わることにします。