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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市の小学校長から松井市長への「提言」に関して(その3)―「総合教育会議」の去年の議論自体が検証されるべきでは?―

2021-06-01 18:21:13 | 受験・学校

NHKの今朝のニュースで、「大阪市のオンライン学習 約半数で通信トラブル」が流れたとか。

大阪市のオンライン学習 約半数で通信トラブル

(NHK関西NEWSWEB 2021年6月1日7時8分)

ただ「システム改修」でどうにかなる問題ではなくて、「これって根本的に、大阪市の教育施策の方針自体がおかしいのでは?」というのが、私の見解。

なにしろ、私の調べたところでは、もともと去年秋(9月)の総合教育会議で・・・。

「惨事便乗型」教育改革として、新型コロナ禍下での学力向上策だとかいって・・・。

「中国でもやってる」とかいう特別顧問の主張とか。

大阪市内の先進的な取組みの学校の議論とか。

そういう「ええ話」とか「うまくいっていること」だけ見て導入したのが、このオンライン学習。

その時点で問題点とかデメリット、別の方策の検討とか、総合教育会議ではきちんと議論できてない。

そして、その浮かれ気分のまま今年の教育振興基本計画にオンライン学習を組み入れ・・・。

この4月、松井市長の思いつきで、緊急事態宣言が出たときに「オンライン学習やる」ということになり・・・。

見事に1カ月程度で、その破たんが見えた。

ということは、もともと「その程度のプラン」でしかなかった、ということですわ、このオンライン学習実施の計画自体が。

そもそも去年9月の総合教育会議の時点で・・・。

「いま、これが急いでやらないといけない施策なのか?」

「学校の新型コロナ対応には、もっと他にやることあるんじゃないか」

「だいたい、学力向上やICT教育を捨ててでも、今は子どもの命を守る取組みの方がいるんじゃないのか?」

「感染症専門医の意見も聴いて、学校での新型コロナ対応について議論すべきではないのか?」

という風に思うんですけど、私。

でも、そういう別の切り口からの議論、総合教育会議で去年9月、やっていないですからね。

もう「学校でのオンライ学習導入」という結論ありきみたいな、そんな感じだったのでは?

だから、このオンライン学習のを決めた総合教育会議それ自体が、根本的につくり変えられなければいけない。

「もう一度、総合教育会議のメンバーを入れ替えて、大阪市の教育振興計画を一から議論し直せ」

そういいたいですわ、私。

要するに市長と教育長、教育委員、特別顧問の「総入れ替え」ですけどね。


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