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京都精華大学教員・住友剛のブログ。
関西圏中心に、教育や子ども・若者に関する情報発信を主に行います。

大阪市の小学校長から松井市長への「提言」に関して(その4)―教職員への「いじめ」と首長の「無責任」を生む「首長主導の教育改革」を問題にすべき時期―

2021-06-03 19:46:56 | 受験・学校

松井大阪市長 法曹関係者らの声明に不快感「処分すると一言も言ってない」オンライン授業巡り(ヤフーニュース(東スポWEB) 2021年6月2日)

https://news.yahoo.co.jp/articles/6e368cc55789c534e80da592cdefa72775455092

松井大阪市長が「職務専念義務違反」と現職校長の「提言」に対して発言している。

なおかつ、その首長発言を受けて、首長の出身会派の議員が大阪市教委に対して市議会(市会)で、「処分」に関する質問をしている。

その市教委が市議会で質問した議員に「調査する」といって、実際に調査に動いている。

にもかかわらず、市長は「自分は処分するとはいってない」という。

・・・これって、学校のいじめの大ボスが、「パシリ」みたいな連中に悪事をさせて、自分は「そんなこと、やれというてない」ととぼけているのと、構造的には酷似していますね(生徒指導担当の教員なら、こんな大ボスをどうやって「指導」するか、腕の見せ所って感じですね)。

「首長主導の教育改革」は、自分に異議を申し立てる校長以下の教教職員に恫喝をかけるために、市教委と市議を「パシリ」にして、市長を「大ボス」にする。

そういう「いじめ」の構図を生み出しているように思いますね。

なおかつ、「都合のいいことは市長である自分の手柄。都合の悪いことは市教委の問題」と、責任を市教委になすりつける構図もつくっている。

「市長の無責任体質」を助長するのも、この「首長主導の教育改革」のように思えてなりません。

ちなみに大阪市の「教育振興基本計画」そのものの内容に問題があって、オンライン学習を緊急事態宣言がでたときにやったら、学校現場で矛盾が噴出。

その矛盾の是正を校長の立場から「提言」することは、大阪市の教職員の「職務」ではないんですね、松井市長。

大阪市の教職員は、この「いじめ」の大ボスのいうことをなんでも真に受けて、「パシリ」のように使われている市教委の言うことを「ただきくだけ」なのですね。

で、いう事聴かなかったら、あなた自身は手を汚さずに、もうひとつの「パシリ」である維新の市議が、同じように「パシリ」である市教委に、市会で恫喝をかける。

なおかつ、「パシリ」である市教委に手を汚させて、市長自身は手を汚さず、きれいなままでいる。

常に自分は手を汚さず、汚い仕事は「パシリ」である市教委と、維新の市議任せ。

あなたの言っていることは、そういうことなんですよ。わかりますか、松井市長?

ご自分の主張されていることがなにを意味しているのか、もう少し、よく考えたらいかがでしょうか?

ほんとうに「無責任」きわまりない「首長主導の教育改革」の構図だと思うのですが、松井市長、いかがですか?

あなたが判断して決めた「教育振興基本計画」だとおっしゃるなら、それで大阪市の学校が大混乱しているなら、松井市長、あなたが責任とって辞任されてはいかがですか?

校長の「職務専念義務」以上に、あなたの市長としての道義的・政治的な責任、そして教育振興基本計画を決めた者としての責任はどうなるんですかね?

ちなみに、このような「首長主導の教育改革」の構図をつくったのは、最終的には国政レベルの教育改革ですよね。

なおかつ、いじめ問題とかで「首長主導の教育改革」容認の流れをつくった教育評論家、教育学研究者は、そういう構図の形成に加担した人々だと私は思います。そういう教育評論家、教育学研究者にも、この件、責任とっていただきたいですね。自分らの考えてきた「首長主導の教育改革」とはなんだったのか、ぜひとも反省と総括をしていただきたいところです。「ええ加減なこと言ってきたあなたたちも問題です」と、この際、伝えておきます。


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