居候犬トロロにとって、わびしい時間帯

日暮れも遅くなり、ポカポカ陽気に犬を散歩させる人達も、
夕方遅くに見かけるようになりました。
つい最近まで、寒さと日暮れが早かったからか、私が仕事から帰る時間
帯に道路の歩道のところに、どかんと腰を据えている物体をよく見かけ
ました。その物体は、そうです。居候犬トロロです。
昨日は、右から左から犬を連れた散歩人が、歩道を通るたびに、摩擦を
避けるために右に移動したり、左に移動したりトロロは腰を暖める暇も
ないほどに、気を使って大変のようでした。
ロープにつながれた犬達は、ご主人様と一緒に散歩しているという安心
感からか、わが物顔で道路を歩いていきます。
それに比べて、トロロは独り身の心細さのためか、しっぽを下に丸めて
右往左往していました。居候犬トロロにとって一日のうちで、一番わび
しい時間帯なのかもしれません。
そういえば、トロロと居候を決めていたガリベンの姿を最近見かけなく
なりました。道路を歩くトロロとガリベンの歩く姿を何度か見かけまし
たが、トロロの後をトボトボついていたガリベンは、いつの日かトロロ
とは反対側の道路を、わが物顔で歩くようになっていたようでした。
車が通るとき、トロロは道路の端に身を寄せて、車が行きすぎるのを
待って、ガリベンの様子をちらっと見て心配をしていました。
トロロの心配とは、裏腹にガリベンの自立心が芽生えて一人立ちして、
どこかに行ってしまったのかもしれません。
居候犬の道も私が考えるほど、甘くないのかもしれません。

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