今年の冬の寒さは馬たちにとっても堪えているはず。
厩舎から洗い場に連れて行き、馬着を脱がせる時寒いので嫌が
る。首元についた金具をはずそうとすると、首を縦に降って口
元を馬着を脱がせる手に当てようとする。噛みつこうとしてい
なくても、クリの歯が手にあたればたまったものではない。
・
これを防ぐ方法がわかった。両手で金具をはずすのだが左肘を
クリの顔方向に張り出すと、クリは首を振ろうとするがそのス
タートで私の肘が当たり不発になる。地団駄踏んだクリは今度
は首を横に曲げて噛みつくまねをするが、それも私の肘の張り
が邪魔をするので悔しがるクリが「バカッ」と言った。
・
馬装の準備で頭絡を取りに行くと、初めて見るものだった。
「あれっ」、他の馬のものかなと思ったがどうやら新品の頭絡
のようだ。以前から接続部分が切れかけていたのが、気になっ
ていたが切れる前に新しく買い替えてくれたのだろう。
人間の力と、馬の力のせめぎ合いの接点が頭絡になるので傷み
やすいのだろう。
・
頭絡の取りつけを終え、ネックストレッチをつけて馬装が終わ
って、「いざ出陣」と手綱を引くと「おっちゃん、１人で行け
よ。わしは行きたくないよ」と駄々をこねて動かない。
「クリ、ダメよ。さっ行くよ」と手綱を左右に振って、その反
動で足を動かすとようやく動き出した。 ・・・続く。
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