みんなの仲間

若いお母さんが乳飲み子を抱っこして来店した。
下松市内で２ＤＫぐらいの間取りで４万５千円ほどのアパート
を捜しているので、そのように物件はないかという。
２～３物件ほどそれに近い物件をすすめた。
・
「今のお住まいはどちらに住んでいますか」
「周南市で私の父の家に同居しているんですが、旦那と父が
折り合いが悪くなって家を出ようと思っています」
１０分ほど話していると乳飲み子がゴソゴソしだて、「ア～、
ウ～」と声を出して文句を言い始めだした。
・
最初は母親の温かいぬくもりでスヤスヤと寝ていたが、私とお
母さんの話し声に目を覚まし起こしてくれと文句を言っている
のだろう。お母さんも察して抱っこひもから、赤ちゃんを出し
て自分のひざの上に座らせた。すると目をクルクル動かして、
私の顔をじっと見つめだした。初めて見るおっちゃんの顔が、
めずらしいのだろう。アパートの話を続けても、もうぐずるこ
とはなく自分も話の仲間には入れてニコニコしだした。
・
文句を言っていた時は、自分も仲間に入りしたかったようだ。
結局は大人でも、乳飲み子の赤ちゃんでも回りと楽しく話し合
うことが一番の喜びなんだろうな。

 

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