小惑星イトカワ探査機「はやぶさ」が7年60億kmの旅を終えて地球に帰還した。これは、数多くの困難を克服した研究者・技術者陣の快挙である。
6月13日大気圏に突入し、燃え尽きたはやぶさとイトカワの試料を積んでいることが期待されているカプセルが真っ赤な炎となってオーストラリアウーメラに帰還した(写真は読売新聞14日朝刊を転載)。2003年5月打ち上げられ、2005年11月にイトカワ(535mx294mx209m)に着陸。岩石収集用の弾丸の打ち込みには失敗したが、着陸時に舞い上がった砂を取り込んだ可能性があり、それの持ち帰りが期待されている。この離着陸時のショックで化学エンジンの燃料漏れ、そのための姿勢制御が不能となって通信が途絶した。僅かのチャンスに信号を送り続けこれを克服。また、4基のイオンエンジンのうち3基も故障。故障箇所の違う2基を仕込んでいた予備回路を繋ぎ合わせることでそれも克服した。こうして、月より遠い天体に着陸して戻るという世界ではじめての快挙をなした。
パフォーマンスの臭いの濃い「事業仕分けで」、後継機の「はやぶさ2」の今年度概算要求予算に盛り込んだ17億円は0.3億円に減らされ、またスーパーコンピュータでは「2位ではだめなんですか」と、あきれ返る発言をする仕分け人の馬鹿さ加減が露呈して顰蹙をかった。このはやぶさの活躍のおかげで若干の予算復活は期待できるが、それにしても、無駄遣いは絶対駄目だが、何が重要かが分かっていないものに、政治を任せるのは怖い。