ジェニファー・ローレンス&クリス・プラット主演のSFロマンス「パッセンジャー」(Passengers)を見ました。「イミテーション・ゲーム エニグマと天才数学者の秘密」のモルテン・ティルドゥム監督作品。
(若干のネタバレを含みます)
惑星ホームステッドIIに移住するために、乗客5000人を乗せて地球を旅立った巨大宇宙船アヴァロン号。目的地に到着するまでの120年間、乗客たちは冬眠ポッドの中で眠り続けるはずでしたが、ジム(クリス・ポッド)の入ったポッドにトラブルが生じ、彼ひとり90年早く目覚めてしまいます。
広い宇宙船の中でただひとり。話し相手はアンドロイドのバーテンダー、アーサー(マイケル・シーン)だけという日々の中、ポッドに眠る美女オーロラ(ジェニファー・ローレンス)に恋をしたジムは、孤独に耐えかねてある行動を起こします。
見ようかどうしようか迷っていましたが、イミテーション・ゲームの監督さんということに一縷の望みを託して鑑賞。過度に期待していなかった分、エンターテイメントとしてそこそこ楽しめました。ある意味、哲学的な作品といえるかも? 改めて人は社会的な生き物であり、ひとりでは生きられないのだと確信しました。
予告を見た時には、2人のポッドが故障して目覚めるのかと思っていましたが、実は故障したのはジムのポッドだけで、彼は孤独に耐えかねてオーロラのポッドを開けてしまったのでした。彼は事前にオーロラの紹介ビデオを何度も見ていて、彼女への思いを募らせていたのです。
とはいえ、たまたま2人が気が合ったからよかったものの、そうでなかったらこれから何十年もいっしょに暮していくのはかなり苦痛を伴うもので、ジムの行動は別の意味で危険な賭けだったといえるかもしれません。2人がヤケを起こして、他の人のポッドを開けちゃえ~とならなかったのは不思議ですが、そうなったら映画にならないですものね。^^
宇宙が舞台ではありますが、私が思い出したのはブルック・シールズ主演の「青い珊瑚礁」(1980)。無人島に流された少年と少女が、2人だけで成長していく物語です。ジムとオーロラのその後について映画では描かれていませんが、乗員たちが目覚めた時に、2人の子どもたち、孫たちが船内にコロニーを作っていたら...それはそれでおもしろかったかもしれません。