京都に着いてから、スマホの充電を兼ねてホテルの部屋で1時間ほど休みました。旅先では地図をよく使うのでバッテリーの減りが早いです。私自身もエネルギーをチャージしてすっかり元気になったので、夕食の時間まで街歩きを楽しみました。まずはホテルから近い西本願寺へ。
対をなす東本願寺とともに、親鸞聖人を宗祖とする浄土真宗のお寺です。堂々たる風格に圧倒されますが、心安らぐような包容力も感じました。御堂に入って床の木の感触を確かめながらゆっくり歩いて回りました。
境内には樹齢400年の大銀杏があります。ふつうイチョウは上に高く伸びますが、このイチョウは横へ横へと枝を伸ばしています。葉っぱを見なければ、イチョウとはわからないほど。剪定に剪定を重ねてこのような姿に形作ったそうですが、重厚な寺院にふさわしい貫禄がありました。
この後、小路を足の向くまま気の向くままに歩きつつ祇園まで買いものに行きました。歌舞伎の南座は耐事工事中、鴨川にはもう川床ができていました。高瀬川沿いの道は趣があって大好きな通りです。日が暮れてそろそろ辺りが薄暗くなり、料亭のぼんぼりに明かりが灯りはじめました。
夕食はゆっくりとコースのお料理を楽しみたくて、ひとりでも入りやすそうな京町家イタリアン ろんくすさんを予約しました。キッチンに面したカウンターの席で、すぐ横にはガラス越しに風流な坪庭が見えます。家庭的な雰囲気で落ち着けました。
前菜の盛合せです。左手前はホタルイカと春菊のフリッタータ、奥は山菜の白あえ、右手前は鶏ハムをガーリックソースで。ノンアルコールのカクテルとともにおいしくいただきました。
鮮魚と新鮮野菜のサラダ仕立て。
コンソメに浮かべた鴨と筍のパートブリック包み揚げ。パートブリックというのは春巻のような皮で、パリッとした食感が楽しめました。
桜海老といんげん豆のペペロンチーノ。カラスミを散らして。香ばしいお味でした。
甘鯛のうろこ焼きと、ホワイトアスパラのピュレ。さっぱりとした香草のソースで。
イタリア産豚肩ロースとフルーツトマトのピッツァイオーラ。
ベリーのシブーストと、ピスタチオのジェラート。上に乗っているのはメレンゲのスティック。深煎りのコーヒーとともにおいしくいただきました。
最近フルコースがおなかに重く感じるようになって避けていましたが、こちらはひとつひとつのお料理の量が少なめで、その分品数が多く、最後までおいしく楽しみながらいただけました。京の食材もさりげなく取り入れられ、旅の気分を満喫しました。