京都旅行記の続きです。
翌日は朝からそぼ降る雨でした。ホテルのシャトルで京都駅に向かい、駅構内のイノダコーヒ 八条口支店で”京の朝食”をいただきました。(本店については以前コチラで記事にしています)
ボリュームたっぷりの朝食を楽しんだ後は、JR奈良線に乗って桃山へ。このあたりは伏見桃山という地域で、酒蔵の町、水運の町、そして幕末志士たちの町として知られています。伏見稲荷からは数駅先となります。
駅から酒蔵が集まっているエリアに歩いていくと、途中になにげなく鳥羽・伏見の戦いの銃弾の痕が残っている古い家があり、歴史の足跡を目の当たりにしました。
しばらく歩くと、酒蔵の趣のある板壁の建物が続きます。伏見という地名は伏水に由来し、古くから良質の地下水や名水に恵まれ、酒どころとして栄えてきました。月桂冠や黄桜など、全国的にも有名ですね。この日は伏見の酒造りと月桂冠の歴史を紹介する「月桂冠大倉記念館」を訪れました。
気持ちが引き締まる凛とした佇まいの建物です。実は駅からここまで他の観光客に会わず、どうしたことかと思っていましたが、この記念館の前に大型バスが何台も停まる駐車場があり、外国人観光客のツアーのコースに組み込まれているようです。私が入る時は、ちょうどドイツからの団体さんといっしょになりました。
中には酒造りに使われる道具が展示され、パネルを使ってプロセスが紹介されています。
中庭には発酵に使われた大きな酒桶が。私がゆっくり見学している間、3つの団体さんが次々とやってきて15分ほど見学し、試飲し、ショップで買い物し、またバスに乗って次に向かいました。なんとも慌ただしいですが、時間の限られているツアーでは仕方がないかもしれませんね。
月桂冠大倉記念館の裏手にある弁天橋から「伏見十石舟」という観光船が出ています。江戸時代に伏見と大阪の間を、宇治川・淀川を経由して運航する輸送船があり、それによって伏見の酒が広く知られることとなりました。この観光船はその輸送船を今に復刻したもので、伏見を流れる濠川を往復しています。
舟から眺める酒蔵の町もまた、情緒があってすてきでしょうね。
この濠川沿いに、薩摩藩士による寺田屋騒動(1862年)、坂本龍馬が襲われた寺田屋事件(1868年)の舞台となった船宿「寺田屋」があります。当時の建物は鳥羽・伏見の戦い(1868年)で焼失し、その後再建されました。このあたりには何軒もの船宿があったそうです。
坂本龍馬の資料が展示されているほか、龍馬に急を知らせるためにお龍さんが駆け上がったという階段も再現され、当時の船宿の雰囲気を味わうことができました。