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マイケル・ケンナ写真展

2018年12月30日 | アート

東京都写真美術館で開催中の「マイケル・ケンナ写真展」(MICHAEL KENNA - A 45 Year Odyssey 1973-2018) を見に行きました。

White Bird Flying, Paris, France. 2007

アメリカ在住のイギリス人風景写真家、マイケル・ケンナの日本初の回顧展です。モノクロームの静寂に満ちた風景に、私はジョージ・ウィンストンのピアノ曲を思い出します。

本展では、ケンナの代表作品の中から約170点が展示されています。特別展示となる、ナチスドイツの強制収容所を撮影した ”Impossible to Forget" シリーズ、日本の古い家屋で撮影した ”裸婦” のシリーズは、日本初公開です。

Kussharo Lake Tree, Study 2, Kotan, Hokkaido, Japan. 2005

かつて北海道の屈斜路湖畔にあり、ケンナが気に入って毎年撮影していたというミズナラの木。倒木の危険があり、残念ながら2009年に伐採されたそうです。

Taushubetsu Bridge, Nukabira, Hokkaido, Japan. 2008

北海道・糠平湖にあるコンクリート製アーチ橋、タウシュベツ川橋梁。

Empire State Building, Study 6, New York,  USA. 2010

ニューヨークの、エンパイアステートビルと摩天楼。

ケンナは、ハッセルブラッド社の6×6㎝のフィルムカメラを愛用していて、すべてモノクロームで撮影され、四角い作品が多いのが特徴です。悠久の時を感じさせる幻想的な作品は、時に10時間にも及ぶ長時間露光という方法によって生み出されたものです。

そこがたとえ極寒の雪の世界であろうと、ひたすら待ち続けること。なんでもデジタル処理で写真が加工できてしまう今の時代において、この時間がなんともぜいたくで豊かだと感じられました。ケンナの作品は一見シンプルに見えるものも多いですが、そこには積み重ねられた時間の重みがあるのですね。

ここではピックアップしていませんが、木が並んでいたり、風車が並んでいたり、幾何学的なモチーフの連続性を感じる作品も多く、私はつくづくこういう作品が好きなんだなーと再認識しました。ケンナの風景写真には人物は写っていませんが、そこには人の手、人の気配が濃厚に感じられます。

Railway Lines and Entry Building, Birkenau, Poland. 1992

1988年から12年間、ナチスドイツの強制収容所28ヵ所で撮影されたという ”Impossible to Forget” の連作には打ちのめされました。モノクロだからこそ伝わってくる多くのものがありました。特に、地平線まで長く続く線路だけをとらえた作品には、ホロコーストの悲惨さを直接描いているわけではないのに、胸が締め付けられました。

Chapel Cross Power Station, Study 1, Dumfries, Scotland. 1985

美しい風景写真だけでなく、原発や廃墟など、社会性をもった作品にも強く惹きつけられました。

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写真美術館のある恵比寿ガーデンプレイスには、今年もフランスのクリスタルブランド・バカラのシャンデリアが飾られています。

バカラエターナルライツ2018

クリスタルのピースが繊細なレースを織りなすシャンデリアは、キラキラと輝いてため息が出るほどの美しさ。夜は暗闇の中に浮かび上がり、なおのことゴージャスで美しいでしょうね。

寒空の下、懸命に咲いている花壇の花々が愛らしく、いじらしくなりました。

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