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パラサイト 半地下の家族

2020年01月28日 | 映画

韓国の鬼才ポン・ジュノ監督による、コメディ・テイストの社会風刺ドラマ。昨年のカンヌ国際映画賞で、パルムドール(最高賞)を受賞。来る2月10日に発表される米アカデミー賞では、作品賞、監督賞、国際映画賞にノミネートされています。

パラサイト 半地下の家族 (Parasite)

昨年末、オバマ大統領がお気に入り映画のひとつに選んでいたこともあって、気になっていた本作。ひと足先に見た息子から、おもしろかった~!(ちなみに彼にとっては初韓国映画) と勧められて、見に行きました。

格差をテーマにした作品と聞いていましたが、息子からはあまり気にしないで見た方がいいとアドバイスされ、フラットな気持ちで見に行きました。私にとっては、これまで見た韓国映画(そんなにたくさんは見ていませんが)の中で一番とっつきやすくておもしろかったです。エンターテイメントとして楽しめますが、あとからじわじわと考えさせられる作品でした。

最初に登場する貧乏なキム家の描写は「万引き家族」のようで、時にしたたかさに辟易とする場面もありましたが、その後に登場するお金持ちのパク家がコミカルに描かれていて救われました。特に天然のお母さんが最高でした!^^

後半は「ジョーカー」を思わせる場面も。私はキム父がなぜあのような行動をとったのか、映画を見ている時にはとっさのことで理解できなかったのですが、彼にとっては超えられない壁を感じた瞬間だったのでしょうか。この作品では、においが分断を象徴するカギとして描かれていたのが興味深かったです。

キム家の人たちは、就職にいたるプロセスはともかく、一応労働の対価として収入を得ているので、まだいいとして... その後に知ったほんもののパラサイトに背筋が凍りました。

洪水のシーンも衝撃でした。2005年のハリケーン・カトリーナの時に、アメリカで災害と格差の関係が大きな社会問題となりましたが、地球温暖化の影響で、昨年から今年にかけて、日本、ベネチア、スペイン、オーストラリアなど、世界各地で大きな洪水災害が起きています。

でも被災した人たちに思いが行かないパク家の行動は、私たちの姿でもあるのかも... と考えさせられました。

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