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権力者は結果ありきの世界しか見ていない『獄中記』

2021-01-27 07:51:55 | 映画から見える世の中の動き
作家であり元国会議員の最大の人生・経験論は囚獄された日記にした様々な人生を彷徨い生き抜いてきた囚人たちとの出会いだったかもしれない。多くの囚人の中には「嵌められた」囚人もいたこと。それは犯罪者が無知無能で所管(警察・弁護士など)の言うがままで有罪となり収監された者もいると言うこと。収監中にヘロイン中毒にされ更なる犯罪を出所後に犯してしまった囚人など刑務所の中と外は意外に繋がった世界もあることを知る。
判事・弁護士・刑務官などいい人ばかりでは無い、それをこの獄中記で知ることができるが、中でも『どんなことも初めから決めてかかるなということだ』と言う囚人の言葉。その意味は、刑務所も政治・権力者のする事は、最初から決まった結果(自分たちの思惑)だけを発言、行動を取ると言うことだ。驚くべき一言だがそうかもしれない。決まったことだけ淡々とするだけで権威保護できれば最高なのだ。
『他人を押さえつけている限り、自分もそこから動くことはできない』ジョージ・ワシントン 
『獄中記』ジェフェリー・アーチャー
「アーチャー、刑務所へ」。2001年7月19日、衝撃のニュースが世界中を駆け抜けた。世界的ベストセラー作家にして元英国下院議員ジェフリー・アーチャーが偽証罪に問われ、四年の禁固刑を言い渡された。刑務所へ送られたアーチャーは、過酷な刑務所生活を自ら克明に綴って発表したのがこの書籍だ。
・司法の執行妨害と偽証罪で刑期4年の有罪が確定し、22日間の刑務所での生活を克明に記した書籍である。(刑務所での収監は約2年)
・1週間に利用できる@金額12ポンド50ペンス(日本円で¥1770円・これで日用品、必需品をある程度調達することができる)
・独房の広さは9フィートx 6フィート(2.7m x 1.8m)約17時間~18時間半監禁される
    残りの時間は45分の外での運動、シャワー、食事時間
・囚人には色付きカードが配布される(赤:カソリック教、黄:イスラム教、緑:ユダヤ教)
    食事や礼拝時に見分ける目的(食事にはベジタリアン食、宗教食もある)
囚人の6割がヘロインもしくはドラッグ患者、また収監中にヘロイン中毒になる者も多い
・「リスナー」という役割の囚人は他の囚人を見張り手助け、相談相手になったりする
    その他様々な役割を持った囚人が必ずいる、物の調達、金、助っ人など
薬物検査の基本は尿検査
    マリファナは最大28日間尿から検出される
    ヘロインは直ぐに水を1000ml以上を飲めば24時間以内に痕跡がなくなる
刑務所でのヘロインなど薬物はシャバの数倍の値段がつく、主に面会で入手、その他新入り囚人が持ち込む(体内に飲み込む)、その他差し入れのシューズの中、本の中、封筒の中に刷り込む
・刑務所で食事をしないことは「違反行為」ハンガーストライキと見なされ罰せられる
囚人たちからの相談、悩み
    無実で刑期を言い渡された囚人、何度も刑務所行きで慣れた囚人
    刑務所以外にシャバで生活できなく何度も逮捕、収監される囚人
    無期懲役で一人寂しく日々を過ごす囚人、刑期後の人生をと熱心に勉強する囚人
・フレッチという刑期22年の経歴は、少年時から警察・大人から虐待的暴力を受けたことで犯罪常習犯になってしまい、最後の逮捕はその虐待した人物の手先による犯罪で収監された
「政治は刑務所に似ている。つまり、どんなことも初めから決めてかかるなということだ。現実は正反対だってことがよくあるだから」
・「あなたにそのようなことをする権利はない」と看守から言われる要は「何事に対しても囚人は文句を言うな」と言うこと
・「刑務所の中でも人は平等に扱わられるべきだ」受刑者たちの怒りが多い
    「誰もが一角の人物なら、誰も一角の人物ではなくなってしまう」